キユーピーらの共同研究成果として発表
キユーピー株式会社(以下、キユーピー)は14日、藤田医科大学ばんたね病院の小児科医師である近藤康人教授との共同研究により、低アレルゲン化した鶏卵粉末を用いることで、子どもたちの卵アレルギーを安全に予防できる可能性を見出したと発表した。
この研究成果は、2022年11月12日~13日に開催された「第59回日本小児アレルギー学会学術大会」でも発表されている。
従来、乳児の卵アレルギーを予防するには、生後7~8カ月以降から卵の摂取を行うことが推奨されてきたが、厚生労働省公表の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」では、生後5~6カ月に変更となり、より早期の摂取が呼びかけられるものとなった。海外でも卵の早期摂取を勧める動きが広がっているという。
しかし、早期摂取で重篤なアレルギー症状を発生する有害事象も報告されており、より安全な乳児の卵アレルギー予防策が強く求められている。
そこで、キユーピーと近藤教授の研究グループは、加熱全卵粉末と比較し、オボムコイドを減量した「低アレルゲン化鶏卵粉末」でも同様の予防効果を発揮させられないか、経口負荷試験を実施した。
加熱全卵粉末は、卵アレルギーの予防効果が高いとされる一方、アレルゲンであるオボムコイドを含むため、ケースによっては重篤なアレルギー症状が引き起こされる場合がある。
一方、低アレルゲン化鶏卵粉末は、卵アレルギーのアレルゲンとして卵に含まれるたんぱく質の一部であるオボムコイドを減らす処理を施したもの。オボムコイドは熱に強く、加熱しても変性しないため、通常の鶏卵を加熱した後、オボムコイドを水で洗い流す工程を経て作られている。
この研究成果は、2022年11月12日~13日に開催された「第59回日本小児アレルギー学会学術大会」でも発表されている。
従来、乳児の卵アレルギーを予防するには、生後7~8カ月以降から卵の摂取を行うことが推奨されてきたが、厚生労働省公表の「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」では、生後5~6カ月に変更となり、より早期の摂取が呼びかけられるものとなった。海外でも卵の早期摂取を勧める動きが広がっているという。
しかし、早期摂取で重篤なアレルギー症状を発生する有害事象も報告されており、より安全な乳児の卵アレルギー予防策が強く求められている。
そこで、キユーピーと近藤教授の研究グループは、加熱全卵粉末と比較し、オボムコイドを減量した「低アレルゲン化鶏卵粉末」でも同様の予防効果を発揮させられないか、経口負荷試験を実施した。
加熱全卵粉末は、卵アレルギーの予防効果が高いとされる一方、アレルゲンであるオボムコイドを含むため、ケースによっては重篤なアレルギー症状が引き起こされる場合がある。
一方、低アレルゲン化鶏卵粉末は、卵アレルギーのアレルゲンとして卵に含まれるたんぱく質の一部であるオボムコイドを減らす処理を施したもの。オボムコイドは熱に強く、加熱しても変性しないため、通常の鶏卵を加熱した後、オボムコイドを水で洗い流す工程を経て作られている。
卵アレルギー発症率の高いアトピー性皮膚炎乳児で検証、安全に一定の効果を確認
一般に、アトピー性皮膚炎の乳児は卵アレルギーの発症率が高いとされているため、今回の検証実験には、生後3~4カ月でアトピー性皮膚炎の診断を受けた乳児19人が対象として選定された。
試験では、無作為に加熱全卵粉末摂取群と、低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群の2つに、それぞれ10人、9人が割り付けられ、生後6カ月から二重盲検試験下で、全卵0.2g相当の摂取を開始するものとした。
生後9カ月で摂取量を全卵1.1g相当にまで増量、生後12カ月時点で全卵30g相当を摂取させて、卵アレルギーの発症率がどうなっているかを調べた。
その結果、卵アレルギーを発症した乳児は、加熱全卵粉末摂取群で1例、低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群で2例となり、これまでの研究結果で報告されてきた鶏卵未摂取時の発症率38%と比較し、どちらの群でも有意に抑えられていることが判明した。
試験では、無作為に加熱全卵粉末摂取群と、低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群の2つに、それぞれ10人、9人が割り付けられ、生後6カ月から二重盲検試験下で、全卵0.2g相当の摂取を開始するものとした。
生後9カ月で摂取量を全卵1.1g相当にまで増量、生後12カ月時点で全卵30g相当を摂取させて、卵アレルギーの発症率がどうなっているかを調べた。
その結果、卵アレルギーを発症した乳児は、加熱全卵粉末摂取群で1例、低アレルゲン化鶏卵粉末摂取群で2例となり、これまでの研究結果で報告されてきた鶏卵未摂取時の発症率38%と比較し、どちらの群でも有意に抑えられていることが判明した。
また、アレルギーを引き起こす抗体とされるIgE抗体の値についても、2群間に大きな差異は認められず、低アレルゲン化鶏卵粉末でも一定の効果があると考えられた。
さらに、どちらの群においても有害事象が発生しなかったことから、研究グループでは、低アレルゲン化した鶏卵を用いる方が、より安全に卵アレルギーの発症を予防できる可能性があるとみている。今後さらに症例数を増やし、検討を進めていくという。
現段階では、限られた症例数による結果だが、低アレルゲン化処理を施した卵製品でも、加熱全卵と同様に、早期の摂取で卵アレルギーの発症を予防できる可能性が示唆されたことは大きな意義をもつ。追加研究の結果にも注目が集まる。
(画像はプレスリリースより)
さらに、どちらの群においても有害事象が発生しなかったことから、研究グループでは、低アレルゲン化した鶏卵を用いる方が、より安全に卵アレルギーの発症を予防できる可能性があるとみている。今後さらに症例数を増やし、検討を進めていくという。
現段階では、限られた症例数による結果だが、低アレルゲン化処理を施した卵製品でも、加熱全卵と同様に、早期の摂取で卵アレルギーの発症を予防できる可能性が示唆されたことは大きな意義をもつ。追加研究の結果にも注目が集まる。
(画像はプレスリリースより)