60歳代から100歳代までの入所者らに食中毒症状
山梨県は22日、富士吉田市の社会福祉施設で集団食中毒が発生したことを発表した。同日までに入所者60人に下痢などの消化器症状がみられているという。
発表によると、11月18日の午前9時10分頃、富士・東部保健所に管内の高齢者施設から、入所者45人が下痢などを起こしている旨の連絡があった。
これを受け、保健所が調査を行ったところ、患者に共通する食事が施設で提供されたものに限られていたほか、患者の検便からウエルシュ菌が検出され、その症状や潜伏期間がウエルシュ菌によるものの特徴と一致していること、そして医師から食中毒の届出が提出されたことから、所は施設で提供された食事を原因とする集団食中毒と断定した。
発表によると、11月18日の午前9時10分頃、富士・東部保健所に管内の高齢者施設から、入所者45人が下痢などを起こしている旨の連絡があった。
これを受け、保健所が調査を行ったところ、患者に共通する食事が施設で提供されたものに限られていたほか、患者の検便からウエルシュ菌が検出され、その症状や潜伏期間がウエルシュ菌によるものの特徴と一致していること、そして医師から食中毒の届出が提出されたことから、所は施設で提供された食事を原因とする集団食中毒と断定した。
入院なく患者らは快方へ
最初の症状が確認されたのは11月17日午後7時40分頃で、原因となったのは同日に施設が委託する事業者である富士吉田市のサンワフーズ株式会社(以下、サンワフーズ)が調理した食事とみられる。
提供された食事メニューは、鶏肉とじゃが芋の煮物、えんどうの和え物、さんま生姜煮、ご飯、味噌汁という内容だった。入所者の90人が17日午後5時に喫食し、うち60歳代~100歳代の男性7人、女性53人、合計60人で症状が現れた。
検査結果では、患者37人からの検便で24人分の検体からウエルシュ菌が検出されている。検食やふきとりでは検出例がなかった。
なお、症状を呈した患者に入院となった人はなく、全員が快方に向かっている。県は原因となった食事の調理を行った事業者であるサンワフーズを、11月22日から3日間の営業停止処分とした。
ウエルシュ菌は人や動物の腸管、土壌、河川など自然界に広く常在する菌で、酸素の少ない環境を好む。芽胞の形態をとることがあるという特徴があり、この場合、熱や乾燥に強い菌となる。
食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部が無酸素状態になり、他の細菌は死滅しても、ウエルシュ菌は芽胞の状態で生き残る。45度程度に食品の温度が低下すると、芽胞が発芽、菌の発育が進む。こうして大量に増えたウエルシュ菌を食品とともに喫食すると、小腸内で増殖し、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生、下痢などの消化器症状を引き起こす。
潜伏期間は約6~18時間で、ほとんどが12時間以内に発症、下痢と腹痛が主症状となり、多くは1~2日で回復する。
カレーやシチュー、麺のつけ汁、野菜の煮付けといったさまざまな煮込み料理で発生しやすい。大量調理を行うケースでは、調理後早めに食べるようにすること、菌が増殖しやすい温度を長く保たないように注意し、10℃以下または55度以上での保存、小分けして急速冷却を行うといったことが有効な対策になる。
(画像はプレスリリースより)
提供された食事メニューは、鶏肉とじゃが芋の煮物、えんどうの和え物、さんま生姜煮、ご飯、味噌汁という内容だった。入所者の90人が17日午後5時に喫食し、うち60歳代~100歳代の男性7人、女性53人、合計60人で症状が現れた。
検査結果では、患者37人からの検便で24人分の検体からウエルシュ菌が検出されている。検食やふきとりでは検出例がなかった。
なお、症状を呈した患者に入院となった人はなく、全員が快方に向かっている。県は原因となった食事の調理を行った事業者であるサンワフーズを、11月22日から3日間の営業停止処分とした。
ウエルシュ菌は人や動物の腸管、土壌、河川など自然界に広く常在する菌で、酸素の少ない環境を好む。芽胞の形態をとることがあるという特徴があり、この場合、熱や乾燥に強い菌となる。
食品を大釜などで大量に加熱調理すると、中心部が無酸素状態になり、他の細菌は死滅しても、ウエルシュ菌は芽胞の状態で生き残る。45度程度に食品の温度が低下すると、芽胞が発芽、菌の発育が進む。こうして大量に増えたウエルシュ菌を食品とともに喫食すると、小腸内で増殖し、エンテロトキシンと呼ばれる毒素を産生、下痢などの消化器症状を引き起こす。
潜伏期間は約6~18時間で、ほとんどが12時間以内に発症、下痢と腹痛が主症状となり、多くは1~2日で回復する。
カレーやシチュー、麺のつけ汁、野菜の煮付けといったさまざまな煮込み料理で発生しやすい。大量調理を行うケースでは、調理後早めに食べるようにすること、菌が増殖しやすい温度を長く保たないように注意し、10℃以下または55度以上での保存、小分けして急速冷却を行うといったことが有効な対策になる。
(画像はプレスリリースより)