蛋白質の推奨量と目標量の使い分けについて

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2017/09/21 14:37:15

食事摂取基準の蛋白質の推奨量と目標量の使い分けについて、実際の栄養指導の際にどのように使い分けたら良いかについてご教授頂きたく、ご質問させて頂きます。よろしくお願い致します。


食事摂取基準では蛋白質について、推奨量「ある母集団のほとんど(97~98%)の人において必要量を満たす1日の摂取量」が決められています。

また、「生活習慣病の発症予防とその重症化予防とを目的」とした目標量も設定されています。

例)身長150cm 標準体重49.5kg 30代女性で身体活動レベルふつうの場合

推定エネルギー必要量=基礎代謝基準値21.7×49.5×1.75=1879.7→1880kcalとして

1.蛋白質の目標量はエネルギー比13~20%なので
(推定エネルギー必要量 1880kcal × 0.13)÷4kcal/g=61g
(推定エネルギー必要量 1880kcal × 0.20)÷4kcal/g=94g
蛋白質の目標量は61g ~ 94g になります。

2.食事摂取基準における30代女性の推奨量(参照体重から算出されている)「ある母集団のほとんど(97~98%)の人において必要量を満たす1日の摂取量」は50gと設定されています。

3.参照体重を使わずこの方の標準体重を使って推奨量を出すと
蛋白質の推奨量=0.72g/kg体重×49.5×1.25=44.55→45g
となります。

目標量      61~94g
推奨量(参照体重) 50g
推奨量(標準体重) 45g

と数値に大きな幅が生じます。
推奨量はエネルギーの大きさに影響されないため
身体活動レベルが高い場合はさらに大きな差が生じます。

また、蛋白質は推定平均必要量、できれば推奨量を満たすことが前提であり、エネルギー比20%を超えないように摂取していれば問題ない
という解釈はあります。

■質問内容■
具体的な指導の際に対象者にどの数字を提示したら良いのでしょうか?
 
1.生活習慣病がある場合は目標量61~94gでしょうか?
(これだけでも大分幅があり、食品に置き換えた場合の量なども曖昧になってしまいますが…)

それとも推奨量に近い60gとかの数字を提示するのでしょうか?

2.生活習慣病がない場合はどの数字を用いますか?

3.エネルギーが十分に摂取できない方の場合はどのように考えたら良いでしょうか?
例えばエネルギーが800kcalしか取れないような場合
エネルギー比22.5%になってしまいますが
蛋白質推奨量 45gを確保することを優先するべきなのでしょうか?
それとも、エネルギー比20% 40gを使うのでしょうか?

4.推奨量は参照体重を用いたものが食事摂取基準に設定されていますが、
皆さんは個人の標準体重から蛋白質の推奨量を算出して考えることまでしているのでしょうか?そこまでする必要はないでしょうか?

3名の方からお返事を頂き感謝しております。
質問に対する回答としては以下のような感じになるのかな。と考えました。
違っていたらご指摘いただけると幸いです。

■質問内容■
例)身長150cm 標準体重49.5kg 30代女性で身体活動レベルふつうの場合
(入院患者ではなく、身体活動レベルふつう 係数1.75で推定エネルギー必要量1880kcalの場合)
具体的な指導の際に対象者にどの数字を提示したら良いか?
 
1.生活習慣病がある場合は目標量61~94gでしょうか?
2.生活習慣病がない場合はどの数字を用いますか?

→推奨量50g以上 できれば目標量61~94gの中で
管理栄養士がライフステージ、喫食状況、体重や検査値を含めたアセスメントを行い適した数値を決定し、その後も経過観察し体調など良ければそれが適正値となる。

3.エネルギーが十分に摂取できない方の場合はどのように考えたら良いでしょうか?
例えばエネルギーが800kcalしか取れないような場合
エネルギー比22.5%になってしまいますが
蛋白質推奨量 45gを確保することを優先するべきなのでしょうか?
それとも、エネルギー比20% 40gを使うのでしょうか?

→エネルギー摂取が優先(エネルギーを摂取する中で蛋白質摂取量も上がっていく)

4.推奨量は参照体重を用いたものが食事摂取基準に設定されていますが、
皆さんは個人の標準体重から蛋白質の推奨量を算出して考えることまでしているのでしょうか?そこまでする必要はないでしょうか?

→これについては残念ながら回答得られず。

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