情報 東京栄養サミット2021 岸田総理大臣スピーチ

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2021/12/08 18:52:14

御出席の皆様、東京栄養サミット2021へようこそ。世界各国から皆様をお迎えし、このサミットを開催できることをうれしく思います。
 世界は、一方で栄養不足、もう一方で栄養過多という課題に直面しています。現在、栄養不足のため、世界で1億4,000万人以上の子供たちが発育阻害に苦しんでいます。5歳未満の子供の死亡の約半数が栄養不足に起因しています。
 同時に、先進国のみならず、途上国においても、肥満の問題も記録的なレベルにあります。世界の約20億人が、糖尿病など食生活に関連した病気に苦しんでいます。
 栄養不足と栄養過多という、この栄養不良の二重負荷は、世界共通の問題です。
 さらに、新型コロナの影響も甚大です。新型コロナにより、重度の栄養失調に苦しむ子供たちが1,360万人増加しています。
 日本も戦後、栄養不良に苦しみました。しかし、栄養調査や栄養士制度、学校給食、栄養指導など、科学的なエビデンスに基づいた栄養政策を進め、国民一人一人の栄養状況を改善しました。そして、健康長寿社会を築いてきました。
 御出席の皆様、2030年までに飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進するというSDGs(持続可能な開発目標)の目標を、今ここで思い出しましょう。今こそ、私たちの行動が必要です。
 日本は、今後3年間で3,000億円、28億ドル以上の栄養に関する支援を行うことを表明いたします。自らの経験に基づく知見を共有します。人間の安全保障の理念の下、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成や、科学技術も活用した持続可能な食料システムの構築の実現に貢献します。
 栄養の力で人々を健康に、幸せにする。これは、日本栄養士会会長の中村丁次(ていじ)氏の言葉です。日本は、この思いを世界に広げます。
 日本はまた、国内において、イノベーションやデジタル化の推進、科学技術も活用しながら、栄養と環境に配慮した食生活、バランスの取れた食、健康経営等の推進を通じ、国民の栄養状況を更に改善していく決意です。
 各国政府のみならず、国際機関、民間企業、市民社会、学術界など、全ての関係者の力を結集する必要があります。本日の東京栄養サミットを通じて、全ての関係者が資金と政策の双方に関する野心的なコミットメントを発表することを強く期待いたします。
 我々が栄養問題に向き合うとき、誰一人取り残してはなりません。日本は、栄養問題に全力で取り組み、人類の未来に貢献していきます。
 そのためにも、まずは新型コロナの克服が重要です。日本は、COVAX(コバックス)に対し、合計10億ドルの財政拠出を表明しています。オミクロン株の発生も踏まえ、特に喫緊のワクチン需要があるアフリカに対し、国際機関などと調整の上、日本として1,000万回分をめどとしてワクチン供与を行います。
 今こそ、この東京から、世界中の皆さんの英知と決意を結集し、栄養改善に向け、大きく踏み出しましょう。ありがとうございました。

【追記:2021/12/08 18:55】
Excellencies, Distinguished guests, dear colleagues and friends,

I would like to extend a warm welcome to all of you to this Tokyo Nutrition for Growth Summit 2021 today. I am honored that Japan hosts this Summit with your participation from all over the world.

The world has been facing a complex issue of undernutrition and overnutrition. More than 140 million children suffer from stunt, and undernutrition is considered as an underlying cause of nearly half of deaths of children under five years old.

At the same time, obesity is at record levels not only in high income countries, but also in low-income countries. Around 2 billion people in the world suffer from diet-related diseases including diabetes mellitus.

This “double burden of malnutrition” has become a common global challenge.
Moreover, the COVID19 has casted a significant impact on nutrition. The pandemic will likely cause 13.6 million more children to suffer from wasting, which is severe nutritional deficiency.

【追記:2021/12/08 18:56】
Japan was also racked with malnutrition in the wake of World War II. Japan, however, has implemented nutritional policies based on scientific evidence, such as nutrition surveys, dietitian systems, school meals, and nutritional guidance. We have improved
nutritional status of every citizen, and thus achieved a healthy and long-lived society.

Excellencies, Distinguished guests, dear colleagues and friends,

【追記:2021/12/08 18:57】
Let me recall the Goal of the SDGs “End hunger, achieve food security and improved nutrition, and promote sustainable agriculture” by 2030. Now is the time for us to take action.
I would like to announce that Japan will provide nutrition-related assistance to the world, which will amount to over 300 billion yen, equivalent to around 2.8 billion U.S. dollars, over the next three years. We will also share with the world our knowledge learned from our own experiences. Under the principle of human security, we will contribute to the achievement of Universal Health Coverage and the establishment of sustainable food systems supported by science and technology among others.

"Nutrition makes people healthy and happy.” These are the words from Dr. Nakamura Teiji, president of the Japan Dietetic Association. Japan will disseminate this message to the world.

【追記:2021/12/08 18:57】
Japan is also determined to further improve the nutritional status of its people by promoting nutritional and environment-friendly dietary life, balanced diets, and health and productivity management, while also taking advantage of innovation, digitalization, and science and technology.

We need to bring together efforts of all stakeholders such as governments, international organizations, businesses, civil society and academia. I highly look forward to announcement of ambitious commitments for both financing and policy from all relevant stakeholders at the Tokyo Summit.

When tackling nutrition challenge, no one should be left behind. Japan will do its utmost to tackle nutrition challenges and contribute to the future of humankind.

【追記:2021/12/08 18:57】
To that end, overcoming COVID-19 pandemic is a pressing issue. Japan has announced financial contribution to the COVAX Facility that amounts to 1 billion US dollars. Also following the emergence of a new variant, omicron, Japan will donate approximately 10 million doses of COVID-19 vaccines to Africa given its urgent needs, upon coordination with international organizations and relevant partners.

Now is the time to bring together all the wisdom and determination of everyone in the world and to take a giant step toward improving nutrition from here Tokyo.

Thank you.
https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/statement/2021/1207eiyou.html

【追記:2021/12/08 19:05】
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栄養の力で人々を健康に、幸せにする。これは、日本栄養士会会長の中村丁次(ていじ)氏の言葉です。日本は、この思いを世界に広げます。


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【追記:2021/12/09 00:10】
栄養サミット、270億ドル拠出
2021/12/08 23:36

る「東京栄養サミット」は8日、持続可能な食料システム構築などを掲げた成果文書を発表して閉幕した。7日時点で、各国政府や国際機関、民間企業などから栄養関連の資金拠出の表明が相次ぎ、総額が約270億ドル(約2兆9000億円)に達した。

 サミットは、7、8両日開催。岸田文雄首相も途上国向けに今後3年間で28億ドル(3000億円)の支援を表明。「2030年までに飢餓を終わらせ、食料安全保障と栄養改善を実現する」と訴えた。 
https://www.msn.com/ja-jp/news/politics/栄養サミット-270億ドル拠出/ar-AARBFUH

【追記:2021/12/09 01:14】
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「栄養サミット」が閉幕 “栄養不良終了へさらなる行動を”
2021年12月9日 0時03分

東京で2日間開かれた「栄養サミット」は、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を終わらせるため、さらなる行動を取るなどとした「東京栄養宣言」を取りまとめて閉幕しました。

世界の栄養不良の改善策を議論する「栄養サミット」は、岸田総理大臣や林外務大臣が出席したほか、各国の閣僚などがオンラインで参加して東京で2日間開かれ、最終日の8日「東京栄養宣言」を取りまとめて閉幕しました。

宣言では、世界の子どもたちの死因のおよそ半数が栄養不良に起因する一方、成人や若者、子どもの肥満などが記録的なレベルで増加して全体で20億人に上っていると指摘し、多くの国が低栄養と肥満などが混在する「二重負荷」に苦しんでいるとしています。

さらに、新型コロナの感染拡大の影響で家計の収入が減少したり、医療サービスの提供が中断されたりして、低栄養となった推定360万人の子どもの発育が阻害され、生涯にわたって可能性を制限されることになると懸念を示しています。

こうした状況を踏まえ、サミットの参加者は、政府や国際機関、民間企業、学術界などに対して幅広く行動を加速させるよう促し、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を終わらせるため、さらなる行動を取るとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20211209/k10013381011000.html

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【追記:2021/12/09 11:50】
東京栄養サミット2021の結果概要
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ghp/page6_000636_00001.html
12月7日午後8時(日本時間)から約3時間、及び8日午後7時(日本時間)から約4時間30分、日本政府の主催により、国内の参加者は対面、海外からは全面的にオンライン参加とするハイブリッド形式で東京栄養サミット2021が開催されました。我が国からは、初日のハイレベル・セッションにおいて、岸田文雄内閣総理大臣が、我が国の栄養関連の取組を述べつつ、今後3年間で3,000億円、28億ドル以上の栄養に関する支援を行い、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成等に貢献していくことを表明するとともに、林芳正外務大臣が歓迎及び閉会の挨拶を行いました。加えて、鈴木貴子外務副大臣が第1セッション及び第2セッションの総括を行いました。
 また、2日目のテーマ別セッションでは、金子原二郎農林水産大臣及び後藤茂之厚生労働大臣が冒頭挨拶(佐藤英道厚生労働副大臣代読)を行いました。
 2日間の東京栄養サミットにおいて発表され議論された成果をとりまとめ、東京栄養宣言(グローバルな成長のための栄養に関する東京コンパクト)が発出されました。次回の栄養サミットは2024年にフランスで開催される予定です。

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【追記:2021/12/09 21:02】
日本栄養士会のコミットメント

持続可能な栄養改善基盤構築のための食・栄養の専門職の養成と配置

アジアを中心とした1 か国以上において、栄養教育の礎となる学校給食への取り組みをスタートラインとして、管理栄養士・栄養士等の教育養成、さらに栄養士制度の創設や持続可能な栄養改善基盤の構築を支援します。
すでに栄養士を養成し配置している国1 か国以上に対しては、人材のスキルアップの支援などを通じて栄養改善を促進します。

日本栄養士会会長の、中村丁次です。

 誰一人取り残すことなく、すべての人々が健康の増進、疾病の予防、治療、さらに機能回復のサービスを享受できる社会の創造に、栄養改善は不可欠です。また、栄養は、SDGs全体を底辺から支える役割を担っています。このような栄養改善の実践的リーダーが、管理栄養士・栄養士です。

 日本人は、近代化が進み、栄養学が導入される以前は、多くの栄養欠病症に悩まされていました。第二次世界大戦時による飢餓状態の中で、日本の栄養士は誕生しました。栄養士は、行政機関、福祉施設、学校、病院等で栄養の指導を行い、全ての国民が普段の生活の中で健康な食事と栄養教育にアクセスできる社会の創造に貢献してきたのです。日本栄養士会は、政府と連携し、管理栄養士・栄養士の育成と質の向上を図り、国民の栄養改善に貢献してきました。

 この経験を活かして国際的な栄養改善に貢献すべく、東京栄養サミット2021においてコミットメントを発表します。

 2030年を目標に、アジアを中心とした国に、管理栄養士・栄養士等の教育、養成、さらに栄養士制度の創設や、持続可能な栄養改善の基盤を構築することを支援します。
既に栄養士制度が存在する国には、研修、留学等による人材のスキルアップを支援して、世界の栄養不良の撲滅に貢献します。

 栄養の力で、人々を健康に幸せにしましょう。
 ありがとうございました。

https://www.dietitian.or.jp/commitment/#Commitment

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