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2024.05.07

【まとめ】糖尿病療養指導士(CDE)とは -管理栄養士が取得するには?

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こんにちは、管理栄養士のなつめももこです。

管理栄養士の仕事や勉強をしていると様々な病気と関わりがありますね。特に食事との関わりが大きい糖尿病は、管理栄養士の知識や経験を予防に活かせる病気の一つです。

そのため管理栄養士の資格だけでなく、糖尿病に関わるプロフェッショナルな資格、糖尿病療養指導士を所有することでより活躍の場が広がります。

今回は糖尿病療養指導士とはなにかを詳しく、そして資格の取得方法、メリットについてお伝えします。

糖尿病療養指導士の資格認定を受けるには、認定機関の条件を満たした医療施設での経験が必要です。

就職先によっては受験資格が得られませんので、少しでも興味のある方は転職前にぜひ本記事をご覧ください。

1.糖尿病療養指導士(CDE)とは?

糖尿病療養指導士(CDE)とは、糖尿病治療にもっとも大切な自己管理(療養)を患者に指導する医療スタッフのことです。日本糖尿病療養指導士(CDEJ)は一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構により認定されています。

海外では、1970年代初頭より米国、カナダ、オーストラリアなどで糖尿病療養指導従事者の専門性と認定について検討され1986年には資格としてCDE(Certified Diabetes Educator)制度が発足しました。

日本では15年後の2001年3月に第1回認定試験が行われています。

糖尿病療養指導士は高度で専門的な知識を必要とし、患者様のセルフケアを支援しなければなりません。そのため糖尿病療養指導士として認定された後も5年毎に認定を更新する必要があります

2. 糖尿病療養指導士の重要性

現在の日本において、生活習慣病の予防は国の課題の一つです。特定保健指導が義務化され、国をあげて糖尿病を予防する方針が打ち出されています。

糖尿病療養指導士はその予防・治療のスペシャリストとして非常に重要な役割を担う認定資格と言えるでしょう。

管理栄養士の資格のみでも特定保健指導で活かせますが、より専門的で的確な指導を行うためには糖尿病療養指導士の知識が求められます。

糖尿病の予防・治療には様々な医療スタッフの力が必要です。糖尿病療養指導士になるには「看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士」のいずれかの資格が必要であり、これらの専門職でチームを組んで予防に取り組みます。

それぞれ専門の資格が違っても、同じ「糖尿病療養指導士」の認定資格を所有することでチーム一丸となってより効果的に予防と治療を行えます。

3.CDEの種類 - CDEJとLCDE

糖尿病療養指導士(CDE)は、日本糖尿病療養指導士(CDEJ)と地域糖尿病療養指導士(LCDE)の2種類の認定制度があります。違いやメリットを見ていきましょう。

1)CDEJとLCDEの違い

*日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
一般社団法人日本糖尿病療養指導士認定機構により認定される全国水準の資格

*地域糖尿病療養指導士(LCDE)
各都道府県、各地域により独自に認定される資格

CDEJは全国水準で認定されるため資格保有者のレベルが一定となります。

一方、LCDEは地域により認定方法がバラバラなため、資格保有者のレベルにも差がみられます。

就職先によって糖尿病療養指導士の手当がつくこともあります。しかしその際に保有している資格がCDEJかLCDEかの違いにより手当に差がある場合もあり 、それは資格のレベルの差からくるものと考えられます。

2)CDEJとLCDEのメリット

CDEJとLCDEそれぞれのメリットを見ていきましょう。

日本糖尿病療養指導士(JCDE)は、認定までの研修や認定後にも更新が必要など一定の基準が設けられている分、日本全国どこでも通用する資格です。

そのため認知度と信頼度は日本糖尿病療養指導士の方が高く、より専門的に糖尿病の予防と治療に関わる場合には日本糖尿病療養指導士の認定を受けておくと良いでしょう。

地域糖尿病療養指導士(LCDE)は、各地域で認定が行われるため、資格所有までの費用や移動の手間がかかりにくく、認定までの勉強に時間を割きやすいメリットがあります。

また、地域に根差した糖尿病の予防と治療に取り組みたい時におすすめの資格です。

4.CDEJの資格取得までの流れ

今回は、全国水準の日本糖尿病療養指導士の認定資格の取り方についてご説明します。

1)資格認定までの流れ

日本糖尿病療養指導士の資格認定は初夏に申し込みが始まり、翌年春に合格・認定となります。資格取得までに約1年かかると考えておきましょう。

2)講習会について

日本糖尿病療養指導士の認定を受けるには、まず受験者用講習会を受ける必要があります。

講習会はインターネット(eラーニング)を使う受講方式です。そのため、パソコンがあれば、好きな時間に講習を受けられます。

受講期限までに講習を終了し受講後のアンケートに答える必要がありますので、スケジュール管理は必須ですよ。

eラーニング受講が初めてで不安な方は、日本糖尿病療養指導士認定機構のサイトにeラーニングのデモ画面を利用できますので、まずはアクセスしてみてくださいね。

受験者用eラーニング講習-デモ画面

3)認定試験について

試験は「客観試験(CBT方式)」の受験と「糖尿病療養指導自験例の記録」の提出により行われます。

両方の試験が合格水準に達していることが合格の条件です。

客観試験の出題範囲は原則「糖尿病療養指導ガイドブック」に沿っています。また、指導自験例の記録は評価マニュアルに則り複数の委員により評価されます。

CBT方式の試験については認定機構のサイトに詳しく情報が記載されていますので、ぜひそちらもご覧ください。

認定試験概要 - 日本糖尿病療養指導士認定機構

4)受験資格

受験資格は以下のとおりです。
1.看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの有資格者
2.認定機関の条件を満たした医療施設において、過去10年以内に2年以上(通算1000 時間以上)継続して療養指導業務に従事した方
3.(2)の医療機関において受験者が携わった糖尿病療養指導の自験例が10例以上あること
4.認定機構が開催する講習(eラーニング)の受講を修了していること
受験資格要件認定の「基準日」に1〜4全ての項目が満たされていることが条件となります。基準日は公式ホームページで確認できますので、確認するようにしておきましょう。

また、栄養士ではなく「管理栄養士」が受験資格となりますのでその点もご注意ください。

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5.CDEJの合格率と難易度

日本糖尿病療養指導士の合格率と難易度について見ていきましょう。

全体的に70〜80%以上という高い合格率で、その中でも管理栄養士の合格水準が高い傾向にあります。

全体的に合格率が高い理由は、元々受験資格のハードルが高いため、その時点でふるい分けがされているからと考えられます。

受験者のレベルが高く自ずと合格率も高くなっているため、試験自体の難易度が低いとは言えません。

日頃から糖尿病患者の方の療養指導に真摯に取り組んでいることが、合格への鍵となりますね。

6.取得のメリットとまとめ

保険料の削減のため、今後特定保健指導の需要はさらに増加していくことが想定されます。糖尿病療養指導士の資格を活かすことで管理栄養士として活躍の場が広がり、さらに信頼につながるという点がメリットです。

更に、糖尿病療養指導士は資格手当に反映されやすいことも嬉しいポイントですよね。特定保健指導を生業にしている方はぜひ糖尿病療養指指導士の認定資格取得を検討してみましょう。

そして糖尿病療養指導士の実務経験を積みたい、また資格を活かせる転職を探したい場合は、ぜひエイチエが運営する人材紹介サービス『栄養士人材バンク』に登録してお気軽にご相談くださいね。

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なつめ ももこ

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