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2022.02.04

食育とは?食育にまつわる資格おすすめ3選と取得メリットも紹介

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こんにちは、管理栄養士のなつめももこです。

キャリアアップのため、もしくは就職活動で活かすために食育に関する資格取得をお考えではないでしょうか?

「食育」は保育園や幼稚園、小学校などで子どもたちに食への関心を推進するだけでなく、大人にとっても重要な知識です。

管理栄養士・栄養士としてのキャリアに食育の資格をプラスして、さまざまな分野で活躍していきましょう。

今回は食育について詳しく解説し、おすすめの食育の資格をご紹介します。

1.食育とは?

食育とは、生きる上で基礎となる「食」に関して正しい知識を持ち、適切に選択する力を身につけることです。食育を進めることで、生涯にわたり心身ともに健やかな人生を送ることを目指しています。

食育で身につけたい力は具体的に
・バランスよく食べること
・食事のマナー
・地域の特産物や食べ物の歴史を理解すること などです。

2005年に「食育基本法」が施行され、農林水産省・文部科学省・厚生労働省も食育を推進しています。

「食育」と聞くと「子どもたちへの教育」と考えがちですが、実は食育とは大人も含めてすべての方へ推進すべき教育です。農林水産省の食育に関するサイトでも食育は「大人にとっても子どもにとっても重要」と伝えています。

管理栄養士・栄養士としてすべての人に食育を推進していく重要性を感じますね。

2.食育が大切な理由とは?

現代の日本では「こ食(孤食・個食・固食など)」といった食事に関する問題が深刻になっています。

一人きりで食事をする「孤食」、家族で食事をしていても各々好きなものを食べている「個食」、また、自分の好きなものだけを食べる「固食」……。

「こ食」によりバランスが悪く、寂しい食事をすることで心や身体が不健全になることが問題です。

食育で食事に関する知識を増やし理解を深められます。さらに食育の知識を活かして食事に関する問題を解決し、健全な食生活を送ることを目指しています。

食育を推進することで得られる効果は以下の通りです。

正しい栄養バランスの知識が身に付く

食べ物に含まれる栄養素や栄養バランスの良い食事とはどんなものか、といった知識が身に付きます。

また、知識を得るだけでなく、どのようにしたら家庭料理を理想的な食事にできるのか考え実現する力も付きます。

学力や体力の向上が期待できる

朝食をしっかり食べる、バランスの良い食事を摂ることが習慣化すると、脳や身体に良い影響を与えます。

食育を通して、バランスの良い食事とは何か?三食しっかり食べる効果とは何か?を習い理解することで実生活にも取り入れられますよ。

子どもへ指導できる

食育の知識がないまま大人になると、自分の生活だけでなく自分の子どもへも正しい食生活を伝えられません。

子どもだけでなく、大人もしっかりと食育の知識を身につけ、実践することで良い食習慣が受け継がれていきます。

食事のマナーが身に付く

食事のマナーは習うことで正しく身に付き、習慣化できます。フォーマルシーンやビジネスシーンで周りの方と上手にコミュニケーションが取るためには、正しい食事マナーが必要です。

他人と楽しく食卓を囲むために欠かせないスキルとして、食育を通して食事マナーを身に付けられます。

3.食育の資格を取得する3つのメリット

管理栄養士・栄養士が食育の資格を取得するメリットをご紹介します。

就職活動で専門性をアピールできる

管理栄養士・栄養士として就職活動をする場合、「特に深く学んだ分野」があるとより自分の良さをアピールできます。

管理栄養士・栄養士に限定された職種の求人は、周りの応募者ももちろん全員「管理栄養士・栄養士」です。その中であなたの魅力をアピールするために食育に特化した資格があることで、専門的知識があることを伝えられますよ。

講習会、セミナーでの信頼感アップ

講習会やセミナーで登壇する場合、資格があることで出席者からの信頼感がアップします。もちろん「管理栄養士・栄養士」という肩書きは食に関することを伝える上で十分な資格です。

しかし、それに加えて専門的な資格があることで、あなたの伝えることにより納得感が出て信頼してもらえますよ。

専門的な知識を増やせる

食育に関する資格を取得することでより専門的な知識を増やせます。管理栄養士・栄養士の資格を取得することで食に関する知識は習得できますが、「食育」という分野に特化しているわけではありません。

食育に関する資格を取得することで、より専門的な学びができ、職場やあなた自身の生活に活かせます。


食育の専門的な資格によりあなたの管理栄養士・栄養士としてのキャリアを磨けることが魅力ですね。次の章で食育に関するおすすめの3つをご紹介します。

4. 食育アドバイザー

食育アドバイザーとは、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定する資格で「食に関する基礎知識を備え、食育活動が行えること」を証明します。

食育アドバイザー資格 | 日本能力開発推進協会 (JADP)

認定講座を受講後に受験できます。資格階級はなく認定講座、試験ともに1種類のみです。資格取得までの時間の目安は、1日1〜2時間の学習で3〜6ヶ月程度です。

・費用(税込)
認定講座 38,600円
受験料 5,600円

・学習範囲
食育の基礎知識
食品の安全性についての基礎知識
食育活動について
上記に付帯する基礎知識

・食育アドバイザーにおすすめの方
仕事に活かしたい方
アドバイザーとしての実践力を身につけたい方

5.食育インストラクター

食育インストラクターは特定非営利活動法人NPO日本食育インストラクター協会が認定する資格です。資格取得を通して食育を基礎から学び社会で活躍できる「食育の指導者」の証となります。

食育インストラクターとは | NPO日本食育インストラクター協会

資格の階級は「プライマリー」から「1級」までの5段階制です。資格取得までの時間の目安は1日1〜2時間の学習で3ヶ月〜です。

・費用(税込)
プライマリー受講料 39,900円
1級会員の場合
 ⇒受講料13,000円、受験料11,000円
1級非会員の場合
 ⇒受講料25,000円、受験料11,000円
※階級によりかかる費用が異なります。詳しくは公式ホームページでご確認ください。

・学習範囲
プライマリー
 ⇒食育の三本柱、食育の基礎知識
1級
 ⇒ 「料理・栄養・健康・衛生等」に関する専門知識、レシピ考案
※階級により学習範囲が異なります。詳しくは公式ホームページでご確認ください。

・食育インスタラクターがおすすめの方
仕事に活かしたい方
より高度な食育に関する資格を取得したい方
提案をしながらレシピの考案ができる方

6.食生活アドバイザー

食生活アドバイザーは一般財団法人FLAネットワーク協会が認定する資格です。「栄養と健康」「食文化」だけではなく「食マーケット」「社会生活」といった広い視野に立って食生活をとらえるスペシャリストの知識を証明できます。

【公式】食の資格、食生活アドバイザー、|FLAネットワーク協会

資格の階級は3級と2級の2段階で、どちらも筆記試験のみです。資格取得までの時間の目安は1日1~2時間の学習で2ヶ月~3ヶ月です。

・費用(税込)
3級 5,000円
2級 7,500円
3級・2級併願 12,500円

・学習範囲
栄養と健康
食文化と食習慣
食品学
衛生管理
食マーケット
社会生活

・食生活アドバイザーがおすすめの方
仕事に活かしたい方
食育だけでなく幅広い分野への就職を考えている方
比較的早く資格を取得したい方

7.まとめ

飽食や核家族化が当たり前になっている日本では、食育のニーズが今後も高まっていくと考えられます。そのため、食のスペシャリストである管理栄養士・栄養士が中心となり食育を推進していくことが重要です。

私自身は、学生時代に食生活アドバイザーの資格を取得しました。管理栄養士の勉強だけでは得ることができない「食マーケット」「社会生活」の科目を学ぶことで、新たな視点から「食」を捉えられるようになりましたよ。

正しく食育を推進するためには、専門的な知識が必要になります。管理栄養士・栄養士の資格に食育の資格をプラスして活躍してみませんか。

子どもの食育に関心のある方は、保育園のお仕事がおすすめです。

本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では保育園の求人を扱っていますので、ぜひご相談くださいね。



参考文献・サイト

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なつめ ももこ

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