業界ニュース
山梨大学と山梨県、糖尿病重症化予測アルゴリズムの開発と実装へ
2026.06.23
国立大学法人山梨大学(以下、山梨大学)と山梨県は15日、研究成果有体物移転契約を4月6日付で締結、県保有の国民健康保険データベース(KDB)などを活用し、山梨県特有の糖尿病重症化リスク因子を同定し、県オリジナルの「糖尿病重症化予測アルゴリズム」の開発と地域実装を目指す研究に着手したと発表した。
AI解析などから県特有のリスク因子を見出す
国立大学法人山梨大学(以下、山梨大学)と山梨県は15日、研究成果有体物移転契約を4月6日付で締結、県保有の国民健康保険データベース(KDB)などを活用し、山梨県特有の糖尿病重症化リスク因子を同定し、県オリジナルの「糖尿病重症化予測アルゴリズム」の開発と地域実装を目指す研究に着手したと発表した。
研究は、山梨大学医学域内科学講座糖尿病・内分泌内科学教室と社会医学講座が協働で推進する。一般的な一律指標だけでは地域に即した包括的対応をとることに限界があるため、基本検査値に加えて居住地域と医療機関の所在地から算出した医療アクセスレベルや、生活様式などのリアルワールドデータを網羅的に解析していく方針という。
山梨県は、健康寿命の観点では全国トップクラスに位置するが、糖尿病の新規透析導入における糖尿病性腎症の割合が46.7%、糖尿病網膜症による視覚障害認定割合が24.1%となるなど、合併症の重症化が深刻な地域課題となってきている。
この現状に対し、一般的な血糖値や肥満度などの臨床指標にたよるだけでは、県民一人一人の社会生活環境因子を取りこぼし、包括的な重症化予防対応が不十分にしか行えなくなってしまう可能性が高い。そこで今回の研究が持ち上がったというわけだ。
研究は、山梨大学医学域内科学講座糖尿病・内分泌内科学教室と社会医学講座が協働で推進する。一般的な一律指標だけでは地域に即した包括的対応をとることに限界があるため、基本検査値に加えて居住地域と医療機関の所在地から算出した医療アクセスレベルや、生活様式などのリアルワールドデータを網羅的に解析していく方針という。
山梨県は、健康寿命の観点では全国トップクラスに位置するが、糖尿病の新規透析導入における糖尿病性腎症の割合が46.7%、糖尿病網膜症による視覚障害認定割合が24.1%となるなど、合併症の重症化が深刻な地域課題となってきている。
この現状に対し、一般的な血糖値や肥満度などの臨床指標にたよるだけでは、県民一人一人の社会生活環境因子を取りこぼし、包括的な重症化予防対応が不十分にしか行えなくなってしまう可能性が高い。そこで今回の研究が持ち上がったというわけだ。
県固有の事情に医療アクセスを含めたハイブリッド解析で実態に迫る
山梨県では、県固有の生活や文化、遺伝学的背景、環境として、自家用車の普及率が非常に高く超車社会で日常生活における運動機会の減少を招きやすい環境があるほか、果物王国としての豊かな食文化の裏返しとして日常的に果糖の過剰摂取につながりやすい背景があること、盆地や山間部という地形が多いことに由来した居住地域と専門医療機関との物理的な距離やアクセスの格差が存在することが挙げられている。
これらに加え、地域的な遺伝学的背景や、治療中断の行動パターンなど、山梨県ならではの臨床実態を網羅的に解析して初めて、真に効果的な糖尿病の重症化予防が図れるものと期待されている。
研究では、山梨県から提供された、2017年度以降の匿名化済みデータ、のべ数十万件を対象に、社会医学・疫学的アプローチに基づいたドライ解析を行っていく。
患者の居住地域情報と受診医療機関の所在地情報から通院における地理的アクセスの利便性を算出、重症化や治療中断に与える影響を「医療アクセスレベル」の定量化として多角的に評価する。
また、最新のAI技術を用い、治療中断パターン、特定保健指導履歴、医療アクセスレベルなどを複合的に学習させ、高精度な山梨県独自の「糖尿病重症化予測アルゴリズム」を構築することを目指す。
さらにAI解析と並行し、多変量解析など従来の統計学的手法を併用して個別の環境因子、社会的因子が重症化に与える寄与度を定量的に解明していくものともする。
研究成果は学術発表にとどまらず、行政と緊密に連携し、迅速に社会実装を図っていくという。
具体的には、「山梨県糖尿病重症化予防プログラム」の改定における新たな保健指導基準策定や、「山梨県糖尿病連携医制度」における紹介基準の最適化に反映させるほか、県民のヘルスリテラシー向上を目指し、市民公開講座や地域保健活動により研究で得られたエビデンスに基づく健康情報を広く県民へと還元していく。それにより、地域全体のヘルスリテラシー向上と自発的行動変容を促す方針だ。
(画像はプレスリリースより)
これらに加え、地域的な遺伝学的背景や、治療中断の行動パターンなど、山梨県ならではの臨床実態を網羅的に解析して初めて、真に効果的な糖尿病の重症化予防が図れるものと期待されている。
研究では、山梨県から提供された、2017年度以降の匿名化済みデータ、のべ数十万件を対象に、社会医学・疫学的アプローチに基づいたドライ解析を行っていく。
患者の居住地域情報と受診医療機関の所在地情報から通院における地理的アクセスの利便性を算出、重症化や治療中断に与える影響を「医療アクセスレベル」の定量化として多角的に評価する。
また、最新のAI技術を用い、治療中断パターン、特定保健指導履歴、医療アクセスレベルなどを複合的に学習させ、高精度な山梨県独自の「糖尿病重症化予測アルゴリズム」を構築することを目指す。
さらにAI解析と並行し、多変量解析など従来の統計学的手法を併用して個別の環境因子、社会的因子が重症化に与える寄与度を定量的に解明していくものともする。
研究成果は学術発表にとどまらず、行政と緊密に連携し、迅速に社会実装を図っていくという。
具体的には、「山梨県糖尿病重症化予防プログラム」の改定における新たな保健指導基準策定や、「山梨県糖尿病連携医制度」における紹介基準の最適化に反映させるほか、県民のヘルスリテラシー向上を目指し、市民公開講座や地域保健活動により研究で得られたエビデンスに基づく健康情報を広く県民へと還元していく。それにより、地域全体のヘルスリテラシー向上と自発的行動変容を促す方針だ。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
この記事をシェアする
