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メタボ由来の脂肪肝、血液中IgA高値で肝がん・肝硬変合併症予測に
2026.08.05
信州大学は7月30日、同大学医学部内科学第二教室の木村岳史講師、若林俊一診療助教、同大学医学部国際医学研究推進学教室の田中直樹教授らを中心とする研究グループが、信州大学医学部附属病院臨床検査部、大垣市民病院、岐阜協立大学、大分大学などとの共同研究により、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:肥満や糖尿病等の代謝異常を背景とする「メタボ由来の脂肪肝」)において、血清IgA高値を特徴とする新たな高リスク病型を同定したと発表した。
一般診療で測定可能な血清IgAで高リスク病型を同定
信州大学は7月30日、同大学医学部内科学第二教室の木村岳史講師、若林俊一診療助教、同大学医学部国際医学研究推進学教室の田中直樹教授らを中心とする研究グループが、信州大学医学部附属病院臨床検査部、大垣市民病院、岐阜協立大学、大分大学などとの共同研究により、代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:肥満や糖尿病等の代謝異常を背景とする「メタボ由来の脂肪肝」)において、血清IgA高値を特徴とする新たな高リスク病型を同定したと発表した。
この病型では、肝がん、治療を要する静脈瘤、入院を要する腹水、肝性脳症などの肝関連イベントが将来起こりやすく、そのリスクは肝線維化の重症度だけでは説明できないものだった。
一般診療で測定できる血清IgAを、従来の線維化評価に加えることにより、MASLD患者のリスク評価をより精密に行えるようになる可能性を示すものだ。この研究成果は7月15日付で、国際学術誌「Journal of Hepatology」にオンライン先行掲載されている。
MASLDは、肥満や2型糖尿病、脂質異常症などの代謝異常を背景に肝臓へと脂肪が蓄積する疾患で、慢性肝疾患の主要原因となっている。進行すると肝硬変や肝がん、腹水、静脈瘤、肝性脳症などを生じることがある。
これまでは肝線維化の程度が将来の肝関連イベントを予測する最も重要な指標と考えられてきたが、同じ線維化段階でも経過の異なる患者が存在し、線維化以外の免疫・代謝・腸管由来因子を含む病態の多様性を捉える必要性があった。
今回の研究では、先入観を置かずに患者を分類する機械学習と、組織内の遺伝子発現位置を調べる空間解析を統合し、高リスク病型とその生物学的背景を検討している。
この病型では、肝がん、治療を要する静脈瘤、入院を要する腹水、肝性脳症などの肝関連イベントが将来起こりやすく、そのリスクは肝線維化の重症度だけでは説明できないものだった。
一般診療で測定できる血清IgAを、従来の線維化評価に加えることにより、MASLD患者のリスク評価をより精密に行えるようになる可能性を示すものだ。この研究成果は7月15日付で、国際学術誌「Journal of Hepatology」にオンライン先行掲載されている。
MASLDは、肥満や2型糖尿病、脂質異常症などの代謝異常を背景に肝臓へと脂肪が蓄積する疾患で、慢性肝疾患の主要原因となっている。進行すると肝硬変や肝がん、腹水、静脈瘤、肝性脳症などを生じることがある。
これまでは肝線維化の程度が将来の肝関連イベントを予測する最も重要な指標と考えられてきたが、同じ線維化段階でも経過の異なる患者が存在し、線維化以外の免疫・代謝・腸管由来因子を含む病態の多様性を捉える必要性があった。
今回の研究では、先入観を置かずに患者を分類する機械学習と、組織内の遺伝子発現位置を調べる空間解析を統合し、高リスク病型とその生物学的背景を検討している。
腸から肝の免疫活性化がMASLD進展に関与か
研究グループではまず、信州大学医学部附属病院で、肝生検によりMASLDと診断された349例を対象に、年齢、性別、併存疾患、肝機能、代謝指標、免疫グロブリンなど51項目を用いて変分ベイズガウス混合モデルによる教師なしクラスタリングを実施した。分類には肝組織所見や肝関連イベントの情報を含めず、データの特徴だけから4群を抽出・同定した。
この4群のうち、血清IgAとヒアルロン酸が高く血小板が低い群(Cluster2、72例)は、糖尿病や高血圧を伴うことが多く、進行肝線維化の割合も高い病型だった。
追跡期間中央値6.8年の間に20件の肝関連イベントが発生し、この群の5年累積発生率は24.0%だった。進行肝線維化などを調整した解析でも、同群は強いリスク因子となっていたという。
続いて血清IgAの最適カットオフ値を318mg/dLとした場合、肝関連イベントに対する感度は60.0%、特異度は80.4%、ROC曲線下面積は0.73だった。進行肝線維化を同時に含めた多変量解析でも、IgA高値は独立した予測因子であることが示されている。
さらにIgA高値と進行肝線維化の両方を有する患者では、10年累積発生率が48%に達し、それ以外の患者では5%未満と大きく差が開いた。
肝生検を行わずVCTEで評価した信州大学の別コホート287例では、肝関連イベントを発症した患者の血清IgAが有意に高値となっていた。また大垣市民病院と大分大学医学部附属病院の外部多施設コホート272例においても、IgA高値を特徴とする高リスク群が再現され、IgA318mg/dL以上の患者で肝関連イベントが多いと確認できた。
また肝組織のIGHA1(IgA1をコードする遺伝子)の発現は線維化の進行と共に増加、血清IgA値とも相関した。空間トランスクリプトミクスでは、高度線維化肝でIGHA1発現が増加し、主に門脈域に局在したという。
単一細胞RNA解析では、IGHA1は形質細胞を含むB細胞系細胞に強く発現していた。IGHA1高発現領域では、B細胞受容体シグナル、細胞外マトリックス再構築、TGF-β応答、血管リモデリング関連経路が活性化していることも確認された。
進行肝線維化を有するMASLD患者の場合、対照群と比べて大腸粘膜・粘膜下層のIgA陽性細胞が増加していた。また、腸管由来抗原への曝露を反映するEndoCAb IgGは、血清IgA、肝内IGHA1発現と正の相関を示していた。
これらの結果から、腸管透過性の亢進に伴う抗原刺激が、全身及び肝内のIgA関連免疫活性化につながった可能性が考えられた。
(画像はプレスリリースより)
この4群のうち、血清IgAとヒアルロン酸が高く血小板が低い群(Cluster2、72例)は、糖尿病や高血圧を伴うことが多く、進行肝線維化の割合も高い病型だった。
追跡期間中央値6.8年の間に20件の肝関連イベントが発生し、この群の5年累積発生率は24.0%だった。進行肝線維化などを調整した解析でも、同群は強いリスク因子となっていたという。
続いて血清IgAの最適カットオフ値を318mg/dLとした場合、肝関連イベントに対する感度は60.0%、特異度は80.4%、ROC曲線下面積は0.73だった。進行肝線維化を同時に含めた多変量解析でも、IgA高値は独立した予測因子であることが示されている。
さらにIgA高値と進行肝線維化の両方を有する患者では、10年累積発生率が48%に達し、それ以外の患者では5%未満と大きく差が開いた。
肝生検を行わずVCTEで評価した信州大学の別コホート287例では、肝関連イベントを発症した患者の血清IgAが有意に高値となっていた。また大垣市民病院と大分大学医学部附属病院の外部多施設コホート272例においても、IgA高値を特徴とする高リスク群が再現され、IgA318mg/dL以上の患者で肝関連イベントが多いと確認できた。
また肝組織のIGHA1(IgA1をコードする遺伝子)の発現は線維化の進行と共に増加、血清IgA値とも相関した。空間トランスクリプトミクスでは、高度線維化肝でIGHA1発現が増加し、主に門脈域に局在したという。
単一細胞RNA解析では、IGHA1は形質細胞を含むB細胞系細胞に強く発現していた。IGHA1高発現領域では、B細胞受容体シグナル、細胞外マトリックス再構築、TGF-β応答、血管リモデリング関連経路が活性化していることも確認された。
進行肝線維化を有するMASLD患者の場合、対照群と比べて大腸粘膜・粘膜下層のIgA陽性細胞が増加していた。また、腸管由来抗原への曝露を反映するEndoCAb IgGは、血清IgA、肝内IGHA1発現と正の相関を示していた。
これらの結果から、腸管透過性の亢進に伴う抗原刺激が、全身及び肝内のIgA関連免疫活性化につながった可能性が考えられた。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
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