業界ニュース
とんぶりに含まれる成分が脂肪吸収を抑制
2026.06.26
近畿大学は24日、同大学大学院薬学研究科薬学専攻博士課程2年の高田隆矢氏、同大学薬学総合研究所教授の森川敏生氏らが、オリザ油化株式会社(以下、オリザ油化)、有限会社イーエステック京都、株式会社京都有機化学研究所、一般財団法人生産開発科学研究所との共同研究により、「とんぶり(マウンテンキャビア)」に含まれる「モモルジンIc」という成分が、胃の内容物を腸に送り出す速度やホルモン分泌の調整を行うことで、食事からの脂肪吸収を抑制し、抗肥満・脂質低下効果をもたらすことを解明したと発表した。
近畿大学らの研究チームが解明
近畿大学は24日、同大学大学院薬学研究科薬学専攻博士課程2年の高田隆矢氏、同大学薬学総合研究所教授の森川敏生氏らが、オリザ油化株式会社(以下、オリザ油化)、有限会社イーエステック京都、株式会社京都有機化学研究所、一般財団法人生産開発科学研究所との共同研究により、「とんぶり(マウンテンキャビア)」に含まれる「モモルジンIc」という成分が、胃の内容物を腸に送り出す速度やホルモン分泌の調整を行うことで、食事からの脂肪吸収を抑制し、抗肥満・脂質低下効果をもたらすことを解明したと発表した。
この研究成果は生薬・天然物化学分野の学術雑誌「Journal of Natural Medicines」にオンライン掲載されている。
伝統食材の「とんぶり」は、ホウキギの果実で、見た目や食感から畑のキャビアとも呼ばれる。古くから滋養強壮などの目的で生薬としても用いられてきたが、近畿大学薬学総合研究所の研究グループでは、長くこのとんぶりの効能に着目し、オリザ油化との先行研究において、新規成分「アシル化フラボノイド配糖体」を発見、インスリン分泌促進効果を見出すなどしてきている。
さらにこのとんぶりには、「モモルジンIc」という独特な成分が多く含まれ、鎮痛・抗炎症、抗アレルギー、胃粘膜保護など多岐にわたる効果をもたらすことも知られてきた。研究グループでは、とんぶり抽出エキスとモモルジンIcに、ブドウ糖の吸収を抑制する機能があることを解明し、血糖コントロールに有用な機能性食品素材であるとすでに確認していた。しかし、その具体的な作用機序などは分かっていなかったという。
そこで今回、研究グループは、とんぶりのエキスやモモルジンIcがどういったメカニズムで抗肥満・脂質低下効果を発揮するのか検証を進めた。
この研究成果は生薬・天然物化学分野の学術雑誌「Journal of Natural Medicines」にオンライン掲載されている。
伝統食材の「とんぶり」は、ホウキギの果実で、見た目や食感から畑のキャビアとも呼ばれる。古くから滋養強壮などの目的で生薬としても用いられてきたが、近畿大学薬学総合研究所の研究グループでは、長くこのとんぶりの効能に着目し、オリザ油化との先行研究において、新規成分「アシル化フラボノイド配糖体」を発見、インスリン分泌促進効果を見出すなどしてきている。
さらにこのとんぶりには、「モモルジンIc」という独特な成分が多く含まれ、鎮痛・抗炎症、抗アレルギー、胃粘膜保護など多岐にわたる効果をもたらすことも知られてきた。研究グループでは、とんぶり抽出エキスとモモルジンIcに、ブドウ糖の吸収を抑制する機能があることを解明し、血糖コントロールに有用な機能性食品素材であるとすでに確認していた。しかし、その具体的な作用機序などは分かっていなかったという。
そこで今回、研究グループは、とんぶりのエキスやモモルジンIcがどういったメカニズムで抗肥満・脂質低下効果を発揮するのか検証を進めた。
新たな機能性食品の素材などとして注目高まる
まず、オリーブオイルを与えたマウスに、とんぶりのエキスを投与したところ、食後の血漿トリグリセリドの上昇が有意に抑制された。また、とんぶりのエキスのうち12.6%を占める主成分のモモルジンIcを投与すると、有意な高脂血症効果が確認できた。
メカニズム研究により、モモルジンIcは、主に脂肪を分解する酵素である膵リパーゼを阻害するのではなく、胃排出を遅延させることが判明した。さらにこのモモルジンIcは、膵臓からのインスリン分泌を促進させ、血糖値を下げる働きをもっているGLP-1というホルモン分泌を促していることが分かり、食欲調節における腸管由来ホルモンシグナル伝達の関与が示唆された。
続いて、高脂肪食を与えたマウスで検証すると、とんぶりエキスの継続投与により、体重増加が抑制された。モモルジンIcでは、内臓脂肪の蓄積と血中LDL/VLDLコレステロールレベルが有意に低下したという。
さらに二重標識水法を用いて総エネルギー消費量を測定したところ、これらの代謝改善には総エネルギー消費量の増加は伴っていなかった。
これらの結果から研究グループでは、とんぶりのエキスとモモルジンIcは、総エネルギー消費量とは無関係に、胃腸機能と満腹感に関与するホルモンの経路を調節することにより、食事誘発性肥満と脂質異常症を改善する力をもっている可能性が高いと結論づけた。
GLP-1を介したシグナル伝達の根底にある詳細な分子メカニズムを解明し、その臨床的意義を評価するにはさらなる研究が必要としつつも、モデル動物を用いた抗肥満素材の研究において総エネルギー消費量まで踏み込んだ例は過去になく、初の成果として大きな意義があるともした。
とんぶりの効果のメカニズムの一端が明らかになったことで、今後は食事を原因とする肥満や脂質異常症に有効な機能性食品素材への応用なども期待される。
(画像はプレスリリースより)
メカニズム研究により、モモルジンIcは、主に脂肪を分解する酵素である膵リパーゼを阻害するのではなく、胃排出を遅延させることが判明した。さらにこのモモルジンIcは、膵臓からのインスリン分泌を促進させ、血糖値を下げる働きをもっているGLP-1というホルモン分泌を促していることが分かり、食欲調節における腸管由来ホルモンシグナル伝達の関与が示唆された。
続いて、高脂肪食を与えたマウスで検証すると、とんぶりエキスの継続投与により、体重増加が抑制された。モモルジンIcでは、内臓脂肪の蓄積と血中LDL/VLDLコレステロールレベルが有意に低下したという。
さらに二重標識水法を用いて総エネルギー消費量を測定したところ、これらの代謝改善には総エネルギー消費量の増加は伴っていなかった。
これらの結果から研究グループでは、とんぶりのエキスとモモルジンIcは、総エネルギー消費量とは無関係に、胃腸機能と満腹感に関与するホルモンの経路を調節することにより、食事誘発性肥満と脂質異常症を改善する力をもっている可能性が高いと結論づけた。
GLP-1を介したシグナル伝達の根底にある詳細な分子メカニズムを解明し、その臨床的意義を評価するにはさらなる研究が必要としつつも、モデル動物を用いた抗肥満素材の研究において総エネルギー消費量まで踏み込んだ例は過去になく、初の成果として大きな意義があるともした。
とんぶりの効果のメカニズムの一端が明らかになったことで、今後は食事を原因とする肥満や脂質異常症に有効な機能性食品素材への応用なども期待される。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
この記事をシェアする
