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ADHDと肥満・糖尿病をつなぐ新生物学的関連を発見
2026.08.25
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)知的・発達障害研究部の高橋長秀部長、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター土屋賢治特任教授(兼大阪大学連合小児発達学研究科特任教授)らの研究グループは19日、出生時の臍帯血中アディポネクチン濃度が低い子どもほど、その後のADHD(注意欠如・多動症)症状が強くなることを明らかにしたと発表した。
出生時のアディポネクチンが関与
国立精神・神経医療研究センター(NCNP)知的・発達障害研究部の高橋長秀部長、浜松医科大学子どものこころの発達研究センター土屋賢治特任教授(兼大阪大学連合小児発達学研究科特任教授)らの研究グループは19日、出生時の臍帯血中アディポネクチン濃度が低い子どもほど、その後のADHD(注意欠如・多動症)症状が強くなることを明らかにしたと発表した。
この研究成果は児童精神医学分野の国際学術誌「European Child&Adolescent Psychiatry」に7月14日付で掲載されている。
ADHDは、小児の約5%にみられる神経発達症で、不注意や多動・衝動性を特徴とする。近年、ADHDのある人では、肥満や2型糖尿病、心血管疾患などの身体疾患を合併するケースが多く、肥満の場合は薬1.2~1.6倍、2型糖尿病や心血管疾患は約2倍通常の人よりも多いことが報告されている。しかし、なぜADHDと代謝異常が関連するのかについては十分な解明が進んでいない。
一方、アディポネクチンは脂肪組織から分泌されるホルモンで、炎症を抑制し、インスリン感受性を高める働きをもっている。肥満や糖尿病では、アディポネクチン濃度が低下することが知られているが、ADHDとの関連については十分な検討が行われていなかった。
この研究成果は児童精神医学分野の国際学術誌「European Child&Adolescent Psychiatry」に7月14日付で掲載されている。
ADHDは、小児の約5%にみられる神経発達症で、不注意や多動・衝動性を特徴とする。近年、ADHDのある人では、肥満や2型糖尿病、心血管疾患などの身体疾患を合併するケースが多く、肥満の場合は薬1.2~1.6倍、2型糖尿病や心血管疾患は約2倍通常の人よりも多いことが報告されている。しかし、なぜADHDと代謝異常が関連するのかについては十分な解明が進んでいない。
一方、アディポネクチンは脂肪組織から分泌されるホルモンで、炎症を抑制し、インスリン感受性を高める働きをもっている。肥満や糖尿病では、アディポネクチン濃度が低下することが知られているが、ADHDとの関連については十分な検討が行われていなかった。
大規模解析で確認、ADHD治療と身体健康の両立へ
研究グループでは、浜松母と子の出生コホート(HBC Study)に参加した531組の母子を対象に解析を実施、出生時の臍帯血中アディポネクチン濃度を測定して、その後のADHD症状との関連を検討した。すると、出生時のアディポネクチン濃度が低いほど、6~7歳および8~9歳時点のADHD症状が強いことが明らかとなった。
さらに症状の経時的変化を解析したところ、出生時アディポネクチンが低い子どもは年齢と共にADHD症状が増悪する群に属しやすかった。加えて国際共同研究によるADHD(55,374人)とアディポネクチン(46,434人)のゲノム解析データを検討し、2つのことを突き止めた。
第1には、ADHDとアディポネクチン濃度には強い遺伝的相関が存在すること、第2には、ADHDの発症リスクを高める遺伝子の変化を多く有するほどアディポネクチン濃度が低くなりやすいことが判明している。
加えてアディポネクチン濃度は、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-1β)や炎症指標であるCRPと関連することも確認された。
ADHDでは、肥満や糖尿病、脂質異常症などの身体疾患が多いことが知られているが、その理由はこれまで明らかではなかった。今回の研究成果により、代謝調節ホルモンのアディポネクチンがADHDと関連すると分かり、神経発達症と身体疾患をつなぐ生物学的基盤の一端が明らかにされたといえる。
アディポネクチンには炎症を抑制する作用があるが、今回の研究ではアディポネクチン低下が出生時の炎症マーカー上昇と関連していた。近年注目されている、ADHDの炎症仮説を支持する結果で、炎症と代謝異常が相互に関連しながらADHDの病態へと関与している可能性が示された。
ADHD治療薬には、アディポネクチン濃度を高める作用がある可能性が指摘されている。また、運動や睡眠改善、メラトニンの投与もアディポネクチンを増加させることが知られている。
今回の研究結果は、ADHDの適切な治療や生活習慣への介入が、症状改善だけでなく、将来的な肥満や糖尿病等の身体疾患予防にもつながる可能性があることを示している。
研究グループでは今後、出生コホートと度物モデルを用いたアディポネクチンのADHD病態生理における役割の解明や、アディポネクチンのADHD症状、肥満・糖尿病などの身体合併症に対するバイオマーカーとしての有用性の検討、アディポネクチンを標的とした新規予防・治療法の開発などについて、研究を進めていきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
さらに症状の経時的変化を解析したところ、出生時アディポネクチンが低い子どもは年齢と共にADHD症状が増悪する群に属しやすかった。加えて国際共同研究によるADHD(55,374人)とアディポネクチン(46,434人)のゲノム解析データを検討し、2つのことを突き止めた。
第1には、ADHDとアディポネクチン濃度には強い遺伝的相関が存在すること、第2には、ADHDの発症リスクを高める遺伝子の変化を多く有するほどアディポネクチン濃度が低くなりやすいことが判明している。
加えてアディポネクチン濃度は、炎症性サイトカイン(IL-6、IL-1β)や炎症指標であるCRPと関連することも確認された。
ADHDでは、肥満や糖尿病、脂質異常症などの身体疾患が多いことが知られているが、その理由はこれまで明らかではなかった。今回の研究成果により、代謝調節ホルモンのアディポネクチンがADHDと関連すると分かり、神経発達症と身体疾患をつなぐ生物学的基盤の一端が明らかにされたといえる。
アディポネクチンには炎症を抑制する作用があるが、今回の研究ではアディポネクチン低下が出生時の炎症マーカー上昇と関連していた。近年注目されている、ADHDの炎症仮説を支持する結果で、炎症と代謝異常が相互に関連しながらADHDの病態へと関与している可能性が示された。
ADHD治療薬には、アディポネクチン濃度を高める作用がある可能性が指摘されている。また、運動や睡眠改善、メラトニンの投与もアディポネクチンを増加させることが知られている。
今回の研究結果は、ADHDの適切な治療や生活習慣への介入が、症状改善だけでなく、将来的な肥満や糖尿病等の身体疾患予防にもつながる可能性があることを示している。
研究グループでは今後、出生コホートと度物モデルを用いたアディポネクチンのADHD病態生理における役割の解明や、アディポネクチンのADHD症状、肥満・糖尿病などの身体合併症に対するバイオマーカーとしての有用性の検討、アディポネクチンを標的とした新規予防・治療法の開発などについて、研究を進めていきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
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