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ウコン由来化合物が脂肪の細胞形成を抑制
2026.05.22
大阪公立大学は15日、同大学大学院生活科学研究科の荒木涼菜大学院生、金東浩准教授らの研究グループが、ウコン由来の化合物について、脂肪細胞の形成を抑制することを明らかにしたと発表した。
脂肪細胞の形成を初期段階から抑制する新機構を解明
大阪公立大学は15日、同大学大学院生活科学研究科の荒木涼菜大学院生、金東浩准教授らの研究グループが、ウコン由来の化合物について、脂肪細胞の形成を抑制することを明らかにしたと発表した。食品成分を用いた代謝制御の新戦略として期待される。
この研究成果は、2026年4月18日付で国際学術誌「Nutrients」にオンライン掲載された。
肥満は糖尿病や心血管疾患などとの関わりも深い重要な健康課題であり、食生活や運動習慣の強い影響がある。原因の一つには脂肪細胞の増加が挙げられ、脂肪は既存の脂肪細胞が大きくなるだけでなく、新たに脂肪細胞が作られる「脂肪細胞分化(アディポジェネシス)」によっても増加することが分かっている。
この脂肪細胞分化は、複数の転写因子が段階的に働くことで進行し、なかでもPPARγやC/EBPαといった因子が中心的役割を担うと見られてきている。一方で、これらの因子が働く前のごく初期段階では、どのような仕組みが分化の開始を決めているのか、何が契機を担うのかは明らかになっていない。
また、ウコン由来成分であるクルクミンは脂肪細胞分化を抑える作用をもつとして報告されてきているが、その詳細な作用機序や構造との関係などについては不明な点が多く残っている。
こうしたことを踏まえ、研究グループでは、脂肪細胞分化がどの段階で決まるのか、食品由来成分がいかにその過程を制御しているのかを明らかにすることを目指した。
この研究成果は、2026年4月18日付で国際学術誌「Nutrients」にオンライン掲載された。
肥満は糖尿病や心血管疾患などとの関わりも深い重要な健康課題であり、食生活や運動習慣の強い影響がある。原因の一つには脂肪細胞の増加が挙げられ、脂肪は既存の脂肪細胞が大きくなるだけでなく、新たに脂肪細胞が作られる「脂肪細胞分化(アディポジェネシス)」によっても増加することが分かっている。
この脂肪細胞分化は、複数の転写因子が段階的に働くことで進行し、なかでもPPARγやC/EBPαといった因子が中心的役割を担うと見られてきている。一方で、これらの因子が働く前のごく初期段階では、どのような仕組みが分化の開始を決めているのか、何が契機を担うのかは明らかになっていない。
また、ウコン由来成分であるクルクミンは脂肪細胞分化を抑える作用をもつとして報告されてきているが、その詳細な作用機序や構造との関係などについては不明な点が多く残っている。
こうしたことを踏まえ、研究グループでは、脂肪細胞分化がどの段階で決まるのか、食品由来成分がいかにその過程を制御しているのかを明らかにすることを目指した。
脂肪細胞分化は単なる連続的過程ではない!
研究グループでは、ウコン由来のクルクミンの構造を改変した複数の誘導体を用い、脂肪細胞分化モデルにおいて、その作用を時間ごとに詳細解析を行っていった。
すると、脂肪細胞分化のごく初期段階にあたる開始約0.5時間のところで、特定の構造を持つクルクミノイドIIIが脂肪細胞分化を抑制する働きを持つ転写因子KLF2の発現を上昇させていることが分かった。
この変化により、その後に続くPPARγやC/EBPαなどの分化促進因子の発現が抑制されることも確認できたという。さらに分化中期では、脂肪分化の中心的因子群が広く抑制され、後期においては脂肪細胞の成熟指標であるaP2の発現が低下、最終的に脂肪細胞の形成自体が抑制されることが判明した。
これらの結果から、脂肪細胞分化は単なる連続的過程ではなく、初期段階の制御により全体の進行が決まる仕組みで動いており、そこにクルクミンが影響を与えることが示唆された。
すると、脂肪細胞分化のごく初期段階にあたる開始約0.5時間のところで、特定の構造を持つクルクミノイドIIIが脂肪細胞分化を抑制する働きを持つ転写因子KLF2の発現を上昇させていることが分かった。
この変化により、その後に続くPPARγやC/EBPαなどの分化促進因子の発現が抑制されることも確認できたという。さらに分化中期では、脂肪分化の中心的因子群が広く抑制され、後期においては脂肪細胞の成熟指標であるaP2の発現が低下、最終的に脂肪細胞の形成自体が抑制されることが判明した。
これらの結果から、脂肪細胞分化は単なる連続的過程ではなく、初期段階の制御により全体の進行が決まる仕組みで動いており、そこにクルクミンが影響を与えることが示唆された。
研究グループでは、今回の成果について、細胞を用いた基礎研究ではあるものの、食品に含まれる成分が体内でどのように細胞の運命を調節するのかを理解する上で、貴重な知見をもたらすものだとしている。
とくに脂肪細胞分化の初期段階に注目したものとして、従来のように分化が進んだ後ではなく、始まる前から制御するという新たな考え方につながる可能性がある点がポイントだという。
今後は動物モデルやヒトにおける検証を進めることで、肥満や生活習慣病の予防に向けた新たなアプローチとしての応用を検討していく。生体内でも同様の作用が起こるかどうかをまず検証し、クルクミノイドIIIの体内安定性、代謝、吸収性などを評価して、生体内でも脂肪細胞分化制御に関与するかを確認していきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
とくに脂肪細胞分化の初期段階に注目したものとして、従来のように分化が進んだ後ではなく、始まる前から制御するという新たな考え方につながる可能性がある点がポイントだという。
今後は動物モデルやヒトにおける検証を進めることで、肥満や生活習慣病の予防に向けた新たなアプローチとしての応用を検討していく。生体内でも同様の作用が起こるかどうかをまず検証し、クルクミノイドIIIの体内安定性、代謝、吸収性などを評価して、生体内でも脂肪細胞分化制御に関与するかを確認していきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
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