業界ニュース
岡山大学ら、食肉熟成におけるうま味形成メカニズムの一端を解明
2026.04.08
岡山大学は3月31日、同大学学術研究院環境生命自然科学学域(農)の勝俣沙智助教と、鹿児島大学学術研究院農水産獣医学域の井尻大地准教授の研究グループが、ニワトリの筋肉におけるたんぱく質分解レベルと、熟成後の胸肉のうま味成分含量との関係を明らかにしたと発表した。
ニワトリ筋肉中のたんぱく質分解レベルが胸肉のうま味成分蓄積に関与
岡山大学は3月31日、同大学学術研究院環境生命自然科学学域(農)の勝俣沙智助教と、鹿児島大学学術研究院農水産獣医学域の井尻大地准教授の研究グループが、ニワトリの筋肉におけるたんぱく質分解レベルと、熟成後の胸肉のうま味成分含量との関係を明らかにしたと発表した。
うま味形成メカニズムの一端を明らかにするもので、この研究成果は2月11日に学術誌「Poultry Science」に掲載されている。
食鳥処理場では、消化管内容物による汚染を防ぐため、衛生管理の観点から、ブロイラーを絶食させる。だがこの絶食は、生体内のたんぱく質分解経路を介し、ニワトリの筋肉におけるたんぱく質の分解を促進することが判明している。
研究グループのこれまでの研究では、絶食時間が長くなるほど、食鳥処理前の筋たんぱく質分解レベルが上昇し、その分解レベルが熟成後の胸肉中にあるうま味成分(遊離グルタミン酸)含量や鶏肉スープのうま味、コク値と関連することを明らかにしていた。
一方で食鳥処理直後の胸肉中に含まれる遊離グルタミン酸含量は増加しなかったため、食鳥処理前の筋肉のたんぱく質分解に伴う遊離グルタミン酸の増加は、熟成期間にのみ起こる可能性が示唆された。しかし、そのメカニズムや遊離グルタミン酸含量の増加に貢献する酵素などについてはよく分かっていなかった。
うま味形成メカニズムの一端を明らかにするもので、この研究成果は2月11日に学術誌「Poultry Science」に掲載されている。
食鳥処理場では、消化管内容物による汚染を防ぐため、衛生管理の観点から、ブロイラーを絶食させる。だがこの絶食は、生体内のたんぱく質分解経路を介し、ニワトリの筋肉におけるたんぱく質の分解を促進することが判明している。
研究グループのこれまでの研究では、絶食時間が長くなるほど、食鳥処理前の筋たんぱく質分解レベルが上昇し、その分解レベルが熟成後の胸肉中にあるうま味成分(遊離グルタミン酸)含量や鶏肉スープのうま味、コク値と関連することを明らかにしていた。
一方で食鳥処理直後の胸肉中に含まれる遊離グルタミン酸含量は増加しなかったため、食鳥処理前の筋肉のたんぱく質分解に伴う遊離グルタミン酸の増加は、熟成期間にのみ起こる可能性が示唆された。しかし、そのメカニズムや遊離グルタミン酸含量の増加に貢献する酵素などについてはよく分かっていなかった。
食肉品質・食味向上への研究推進に期待
研究グループでは、絶食時間を一般的な16時間に統一して実験を実施、絶食時間を統一しても、筋肉中のたんぱく質分解レベルが高いニワトリでは、熟成中に増加する遊離グルタミン酸含量が多くなることを確認した。
さらに筋肉中のたんぱく質分解レベルが上昇すると、食鳥処理直後の胸肉において、プロテアソーム系やカルパイン系(Calpain 11)のmRNA発現量が増加していることが判明した。
また、熟成後の胸肉中にある遊離グルタミン酸は、ATP非依存性のカルパイン系(Calpain11、Calpain2)や、カテプシン系(Cathepsin L-like、H)と関連していたが、プロテアソーム系との関連は見られなかったという。
これら一連の結果から、食鳥処理前に生じる筋肉のたんぱく質分解には、主にプロテアソーム系が関与する一方で、Calpain11は食鳥処理前から熟成中にかけ、胸肉中の遊離グルタミン酸蓄積に関与している可能性があると考えられた。
続けて行われた、熟成前後の胸肉を使った電気泳動解析では、約12、約13、約15kDaに位置する3つの未知の筋原線維たんぱく質のバンド強度が熟成の前後で変化し、その変化量は熟成後の遊離グルタミン酸含量やうま味、Calpain11、Calpain2、Cathepsin L-like、Cathepsin HのmRNA発現量、食鳥処理前の筋たんぱく質分解レベルとの関連性があると分かった。
熟成中の遊離グルタミン酸蓄積には、特定の筋原線維たんぱく質の分解が関与している可能性がある。
今回の研究により、鶏肉のうま味形成に関与する分子メカニズムの一端が明らかとなった。家畜が生きている間の生理状態が食肉品質に影響することを示した点でも意義深く、今後、飼育管理や食鳥処理条件の最適化、鶏肉の食味向上などの研究発展に寄与すると期待されている。
(画像はプレスリリースより)
さらに筋肉中のたんぱく質分解レベルが上昇すると、食鳥処理直後の胸肉において、プロテアソーム系やカルパイン系(Calpain 11)のmRNA発現量が増加していることが判明した。
また、熟成後の胸肉中にある遊離グルタミン酸は、ATP非依存性のカルパイン系(Calpain11、Calpain2)や、カテプシン系(Cathepsin L-like、H)と関連していたが、プロテアソーム系との関連は見られなかったという。
これら一連の結果から、食鳥処理前に生じる筋肉のたんぱく質分解には、主にプロテアソーム系が関与する一方で、Calpain11は食鳥処理前から熟成中にかけ、胸肉中の遊離グルタミン酸蓄積に関与している可能性があると考えられた。
続けて行われた、熟成前後の胸肉を使った電気泳動解析では、約12、約13、約15kDaに位置する3つの未知の筋原線維たんぱく質のバンド強度が熟成の前後で変化し、その変化量は熟成後の遊離グルタミン酸含量やうま味、Calpain11、Calpain2、Cathepsin L-like、Cathepsin HのmRNA発現量、食鳥処理前の筋たんぱく質分解レベルとの関連性があると分かった。
熟成中の遊離グルタミン酸蓄積には、特定の筋原線維たんぱく質の分解が関与している可能性がある。
今回の研究により、鶏肉のうま味形成に関与する分子メカニズムの一端が明らかとなった。家畜が生きている間の生理状態が食肉品質に影響することを示した点でも意義深く、今後、飼育管理や食鳥処理条件の最適化、鶏肉の食味向上などの研究発展に寄与すると期待されている。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
この記事をシェアする
