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推定原尿中リン濃度の上昇が加齢に伴う腎機能低下を促進
2026.04.13
国立大学法人筑波大学と学校法人自治医科大学は3日、推定原尿中リン濃度が高い人は、加齢に伴う腎機能低下の程度が大きいことを確認する結果を得たと発表した。
慢性腎臓病の重症化予測における新指標へ
国立大学法人筑波大学と学校法人自治医科大学は3日、推定原尿中リン濃度が高い人は、加齢に伴う腎機能低下の程度が大きいことを確認する結果を得たと発表した。研究の成果は3月16日付で、「Clinical Kidney Journal」に掲載されている。
慢性腎臓病は世界人口の約14%が罹患している疾患で、とくに日本など高齢化の進んだ社会では、その患者数の急激な増加が懸念されている。よって慢性腎臓病の発症や重症化を早期から予測し、適切な予防対策を広く講じていくことが重要だ。
慢性腎臓病では、加齢に伴うネフロン(腎臓の機能単位)の減少が基盤病態となり、そこに高血圧や糖尿病等が加わって発症、重症化していくことが知られている。だが、高血圧や糖尿病の予防、治療戦略開発が進む一方、加齢に伴う腎機能低下への予防や治療戦略はいまだ十分に確立されていない。
昨今、慢性腎臓病の発症や重症化に関する新たなメカニズムとして、「CPP病原体説」が提唱され注目を集めている。この説に関する細胞、動物実験では、腎臓の近位尿細管腔中(原尿中)のリン濃度が上昇し、一定の閾値を超えると微小なリン酸カルシウム結晶が形成され、尿細管間質障害を引き起こす可能性が示唆されている。
これらの基礎研究知見から、原尿中リン濃度の上昇が加齢に伴う腎機能の低下を加速させることが予測されるものの、CPP病原体説がヒトにおいて確かに成立するかどうかは解明されていなかった。
そこで研究グループは、細胞が高濃度のリンにさらされると傷害をうける事実に着目、原尿中のリン濃度推定値の高い人は加齢に伴う腎機能の低下が速いとの仮説を検討することとした。
慢性腎臓病は世界人口の約14%が罹患している疾患で、とくに日本など高齢化の進んだ社会では、その患者数の急激な増加が懸念されている。よって慢性腎臓病の発症や重症化を早期から予測し、適切な予防対策を広く講じていくことが重要だ。
慢性腎臓病では、加齢に伴うネフロン(腎臓の機能単位)の減少が基盤病態となり、そこに高血圧や糖尿病等が加わって発症、重症化していくことが知られている。だが、高血圧や糖尿病の予防、治療戦略開発が進む一方、加齢に伴う腎機能低下への予防や治療戦略はいまだ十分に確立されていない。
昨今、慢性腎臓病の発症や重症化に関する新たなメカニズムとして、「CPP病原体説」が提唱され注目を集めている。この説に関する細胞、動物実験では、腎臓の近位尿細管腔中(原尿中)のリン濃度が上昇し、一定の閾値を超えると微小なリン酸カルシウム結晶が形成され、尿細管間質障害を引き起こす可能性が示唆されている。
これらの基礎研究知見から、原尿中リン濃度の上昇が加齢に伴う腎機能の低下を加速させることが予測されるものの、CPP病原体説がヒトにおいて確かに成立するかどうかは解明されていなかった。
そこで研究グループは、細胞が高濃度のリンにさらされると傷害をうける事実に着目、原尿中のリン濃度推定値の高い人は加齢に伴う腎機能の低下が速いとの仮説を検討することとした。
食事介入などのさらなる研究で発症・重症化予防を
研究グループは、茨城県県南地区の地域情報誌と筑波大学附属病院の腎臓内科を通じて研究対象者を募集、適格基準に合致した308人を解析対象者とした。平均年齢は62歳、女性割合が63%、慢性腎臓病患者の割合は36%だった。
これらの対象者に血液及び随時尿検査を実施し、血中・尿中のクレアチニン濃度と尿中のリン濃度から、先行研究による推定原尿中リン濃度の算出式に基づいて、近位尿細管腔中における推定原尿中リン濃度を測定、5年間にわたる追跡調査を実施して、その間の推算糸球体濾過量の低下速度から加齢に伴う腎機能の低下レベルを評価した。
そのほか、血中リン濃度や生体内のミネラル代謝に関連する主要ホルモンの線維芽細胞増殖因子23の血中濃度なども測定している。
研究の対象者における追跡開始時の血中リン濃度は正常範囲内だった。一方、追跡開始時に推定原尿中リン濃度が高い人では、その後の推算糸球体濾過量の低下速度が大きいことが判明した。
この関連性は、追跡開始時における年齢や性別、基礎疾患の有無、腎機能関連指標の推算糸球体濾過量や尿中アルブミン値などの影響を考慮した場合でも有意に認められている。
一方で、追跡開始時の血中線維芽細胞増殖因子23濃度は、推算糸球体濾過量の低下速度との独立した関連性は認められなかった。
これらの結果から研究グループでは、血中のリン濃度が正常範囲内であっても、推定原尿中リン酸濃度が高い人では、加齢に伴う腎機能低下が加速していることが示唆されたとしている。これはこれまでの「CPP病原体説」に関する細胞や動物実験の基礎的知見とも一致していた。
今後の展開としては、食事などから摂取されるリンの量を調整する介入研究などを進め、原尿中のリン過剰負荷を低減することにより、加齢に伴った腎機能低下の抑制が可能かどうかを調べて慢性腎臓病の発症や重症化予防にかかる新たな知見創出を目指すとされた。
(画像はプレスリリースより)
これらの対象者に血液及び随時尿検査を実施し、血中・尿中のクレアチニン濃度と尿中のリン濃度から、先行研究による推定原尿中リン濃度の算出式に基づいて、近位尿細管腔中における推定原尿中リン濃度を測定、5年間にわたる追跡調査を実施して、その間の推算糸球体濾過量の低下速度から加齢に伴う腎機能の低下レベルを評価した。
そのほか、血中リン濃度や生体内のミネラル代謝に関連する主要ホルモンの線維芽細胞増殖因子23の血中濃度なども測定している。
研究の対象者における追跡開始時の血中リン濃度は正常範囲内だった。一方、追跡開始時に推定原尿中リン濃度が高い人では、その後の推算糸球体濾過量の低下速度が大きいことが判明した。
この関連性は、追跡開始時における年齢や性別、基礎疾患の有無、腎機能関連指標の推算糸球体濾過量や尿中アルブミン値などの影響を考慮した場合でも有意に認められている。
一方で、追跡開始時の血中線維芽細胞増殖因子23濃度は、推算糸球体濾過量の低下速度との独立した関連性は認められなかった。
これらの結果から研究グループでは、血中のリン濃度が正常範囲内であっても、推定原尿中リン酸濃度が高い人では、加齢に伴う腎機能低下が加速していることが示唆されたとしている。これはこれまでの「CPP病原体説」に関する細胞や動物実験の基礎的知見とも一致していた。
今後の展開としては、食事などから摂取されるリンの量を調整する介入研究などを進め、原尿中のリン過剰負荷を低減することにより、加齢に伴った腎機能低下の抑制が可能かどうかを調べて慢性腎臓病の発症や重症化予防にかかる新たな知見創出を目指すとされた。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
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