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脳が全身の脂肪消費をコントロールする仕組みが明らかに
2026.07.06
名古屋大学は7月1日、鳥取大学医学部統合生理学分野の近藤邦生准教授、椙山女学園大学の箕越靖彦教授、名古屋大学の中島健一朗教授らの共同研究グループが、脳が自律神経を介して全身の脂肪消費を調節、体内で脂肪をエネルギーとして利用する仕組みを解明したと発表した。
脳が自律神経を介して全身の脂肪消費を調節、エネルギーとして利用
名古屋大学は7月1日、鳥取大学医学部統合生理学分野の近藤邦生准教授、椙山女学園大学の箕越靖彦教授、名古屋大学の中島健一朗教授らの共同研究グループが、脳が自律神経を介して全身の脂肪消費を調節、体内で脂肪をエネルギーとして利用する仕組みを解明したと発表した。
今回の研究成果は、6月29日付で、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されている。
人間の体は多様な環境の変化に応じ、体内の状態を一定の範囲に保つ、恒常性と呼ばれる仕組みをもっている。エネルギー代謝の恒常性が乱れると、肥満や糖尿病などの発症につながることもある。
かつてエネルギー代謝はどれだけ食べ、どれだけ消費するかという量の問題で語られることも多かったが、実際には、体がエネルギー源として炭水化物を使うのか、脂肪を使うのかというエネルギー基質の選び方もきわめて重要になる。このエネルギー基質の切り替えが上手くいかなくなると、高血糖、脂質異常、脂肪肝などの異所性脂肪蓄積につながるリスクも高まる。
恒常性を一定に保つには、多様な臓器や組織が互いに協調して働く必要があり、その司令塔として働くのは脳だ。このエネルギー基質切り替えにも脳が深く関わっているが、どのように制御し、炭水化物と脂質の使い分けを調節しているのかについては、十分に分かっていなかった。
研究グループは、神経回路を逆行的にたどることができる仮性狂犬病ウイルスを用い、脂肪組織や骨格筋などの末梢組織とつながる視床下部の神経細胞を調べた。その結果、視床下部の中の室傍核と呼ばれる領域にある、Nos1という遺伝子を発現する神経細胞(Nos1 ニューロン)が骨格筋や脂肪組織など、エネルギー代謝に関わる末梢組織と自律神経系を介してつながっていることが明らかになった。
今回の研究成果は、6月29日付で、国際学術誌「Nature Communications」にオンライン掲載されている。
人間の体は多様な環境の変化に応じ、体内の状態を一定の範囲に保つ、恒常性と呼ばれる仕組みをもっている。エネルギー代謝の恒常性が乱れると、肥満や糖尿病などの発症につながることもある。
かつてエネルギー代謝はどれだけ食べ、どれだけ消費するかという量の問題で語られることも多かったが、実際には、体がエネルギー源として炭水化物を使うのか、脂肪を使うのかというエネルギー基質の選び方もきわめて重要になる。このエネルギー基質の切り替えが上手くいかなくなると、高血糖、脂質異常、脂肪肝などの異所性脂肪蓄積につながるリスクも高まる。
恒常性を一定に保つには、多様な臓器や組織が互いに協調して働く必要があり、その司令塔として働くのは脳だ。このエネルギー基質切り替えにも脳が深く関わっているが、どのように制御し、炭水化物と脂質の使い分けを調節しているのかについては、十分に分かっていなかった。
研究グループは、神経回路を逆行的にたどることができる仮性狂犬病ウイルスを用い、脂肪組織や骨格筋などの末梢組織とつながる視床下部の神経細胞を調べた。その結果、視床下部の中の室傍核と呼ばれる領域にある、Nos1という遺伝子を発現する神経細胞(Nos1 ニューロン)が骨格筋や脂肪組織など、エネルギー代謝に関わる末梢組織と自律神経系を介してつながっていることが明らかになった。
脂肪蓄積の抑制や生活習慣病予防・治療戦略に光
次に、マウスのNos1 ニューロンの活動を人工的に高め、その後の代謝状況を調べた。すると、全身の脂肪消費が6時間以上にわたり大きく増加することが確認できた。一方、炭水化物の消費は低下したという。
ここで重要なのはこの変化が総エネルギー消費量の増加がなくなった後でも続き、消費エネルギー全体が増えたために脂肪も多く使われたという単純な現象ではなかったことだ。Nos1 ニューロンは、体内のエネルギー基質を炭水化物から脂肪へと切り替える方向へと働いていた。
ここで重要なのはこの変化が総エネルギー消費量の増加がなくなった後でも続き、消費エネルギー全体が増えたために脂肪も多く使われたという単純な現象ではなかったことだ。Nos1 ニューロンは、体内のエネルギー基質を炭水化物から脂肪へと切り替える方向へと働いていた。
さらにNos1 ニューロンは交感神経を介して脂肪組織での脂肪分解を促し、脂肪酸を供給、筋肉などでの脂肪酸の利用を高めることが示された。Nos1 ニューロンは交感神経を通じ、全身の脂質代謝を協調的に動かしているといえる。
脂質と炭水化物の利用には、1日の中で変化するリズムがあり、夜行性のマウスでは活動期の夜間に炭水化物の利用が、休息期である昼間に脂肪の利用が高まる。研究グループがNos1 ニューロンの働きを抑えたマウスを調べると、この脂肪利用リズムが失われ、脂質消費は常に低い状態になっていた。
一方で夜間に活動量や摂食量が増えるという基本的なリズムは保たれており、Nos1 ニューロン自身の活動は昼間に高まっていた。ここからNos1 ニューロンは休息期に脂肪を使いやすくするための脳内スイッチとして働いていると考えられた。
脂質と炭水化物の利用には、1日の中で変化するリズムがあり、夜行性のマウスでは活動期の夜間に炭水化物の利用が、休息期である昼間に脂肪の利用が高まる。研究グループがNos1 ニューロンの働きを抑えたマウスを調べると、この脂肪利用リズムが失われ、脂質消費は常に低い状態になっていた。
一方で夜間に活動量や摂食量が増えるという基本的なリズムは保たれており、Nos1 ニューロン自身の活動は昼間に高まっていた。ここからNos1 ニューロンは休息期に脂肪を使いやすくするための脳内スイッチとして働いていると考えられた。
参考文献・サイト
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