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2023.08.17

パワハラが辛すぎる!ハラスメントで悩む管理栄養士・栄養士さんへ ~体験談と対処法~

カバー画像:パワハラが辛すぎる!ハラスメントで悩む管理栄養士・栄養士さんへ ~体験談と対処法~

管理栄養士・栄養士の退職や転職を考える理由の上位に入ってくる「パワハラ問題」。

パワハラは、退職に繋がるだけでなく、心身を壊す原因になりかねない深刻な問題です。

私も、この業界で10年程度仕事をしていますが、パワハラを見聞きしたこと、経験したことは少なくありません。

さらに、「委託と施設・病院側」という、他の業界ではあまりない関係性で働いている栄養士は、カスハラ(カスタマーハラスメント)問題を抱えていることもあります。

今回の記事では、私が経験したパワハラ話や、ハラスメントへの対策法についてお伝えします。

パワハラで悩んでいる方や不安に思っている方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

1.職場におけるパワハラ(パワーハラスメント)とは?

まず初めに、パワーハラスメントの定義をお伝えします。
*パワーハラスメント(パワハラ)とは?
「優越的な関係を背景とした言動」で「業務上必要かつ相当な範囲を超えた」ものにより「労働者の就業勧業が害されるもの」を言います。
つまり、「職場内の力関係を使って、嫌がらせやいじめを行うこと」です。

2.雇用主はパワハラを防止・対策する義務がある

日本には、パワハラ防止に関する法律(改正労働施策総合推進法)が存在します。

この法律により、2020年6月から大企業にのみ適用されていたパワハラ防止義務が、2022年4月からは中小企業にも適用されました。更に、対象者は正社員のみに限らず、パートや契約社員など非正規労働者や派遣労働者も含まれます。

すべての企業に義務付けられているパワハラ防止義務の内容は、次の4つです  

①事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発

法人(雇用主)は、社内のハラスメントに対する方針を明確にし、それを周知・啓発する義務を負っています。

病院や施設であればハラスメントについてのポスターが貼り出されていたり、給食委託会社であれば、本部からリーフレットが配布されていたりするのではないでしょうか。

私の勤務先でも、パワハラやマタハラ、カスハラ等を防止する教育を目的としたポスターや、相談窓口が書いたリーフレットの配布が行われています。

②相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

法人は、ハラスメントを相談する窓口を設置し、組織として対応できる体制を作らなくてはなりません。

③職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応

②の設置先に相談された内容について、法人は迅速に対応しなければなりません。

④相談者・行為者等のプライバシーを保護すること、パワハラの相談を理由とする不利益取扱いの禁止

法人は、パワハラを告発した従業員の不利益になるような対応をしてはいけません。また、パワハラ問題は非常にセンシティブなものですから、プライバシーに十分に配慮する義務が課されています。

3.10年目管理栄養士がこれまで見てきたハラスメント5選

次に、これまで私が見たり体験したりしたハラスメントを5つお伝えします。

ハラスメント対策はここ10年で法整備が進んできたい印象ですが、人数が少なく、閉鎖的になりやすい栄養科では、なかなか撲滅も難しいようです…。

①「委託栄養士の癖に私より休みが多い」と怒ってきたクライアント

被害者は私(委託栄養士)、加害者は病院側管理栄養士のケースです。

当時、年間休日105日の給食委託会社に勤務していた私と、いわゆる半ドン(土曜日は半日外来があるため、午前中は出勤)だった病院側管理栄養士。休日の数では委託栄養士の私の方が多かったのです。

それが気に入らない病院側管理栄養士が、私と私の上司に「委託側栄養士のくせに病院管理栄養士より休みが多いのはおかしい」とクレームを入れたことがありました。

委託栄養士と病院管理栄養士では雇用元が違うので、当然労働条件が異なります。このようなケースはパワーハラスメントであり、カスタマーハラスメントでもあります。

②「妊娠は病気じゃない」と納品作業を免除しなかった栄養科長

給食現場の栄養士には、力仕事がつきものです。当時妊娠していた先輩が「妊娠期間中は納品作業を免除してほしい」と科長に申し出ました。

そのとき、科長は「妊娠は病気じゃない。納品作業をする人数が確保できないので免除はしない」と妊婦に配慮しなかったのです。

これは、パワーハラスメントはもちろん、マタニティハラスメントにも該当します。

③「勤務時間、前後30分の残業は常識」と言った栄養科長

私が早出遅出のある病院で勤務していたときの話です。自分が担当している委員会が勤務開始30分前にあったため、同僚と勤務変更をしようとしたときに栄養科長から放たれた言葉です。

「前後30分の残業は常識」という時代があったのかもしれませんが、現代では労働基準法違反で、当然パワハラに該当します。

④注意されて逆切れする「逆パワハラ」

私の勤務先で起きた出来事です。委託栄養士さんが調理員さんから

・「栄養士なのにそんなことも知らないの?」と上司(栄養士)軽視な発言を浴びせられる
・厨房を手伝わないのに指示をするのはパワハラだ!と不当な訴えを受ける


という場面を見たことがあります。

栄養士や現場責任者は調理員の上司にあたりますから、軽視したり不当なパワハラ告発をしたりすると、逆パワハラに該当します。

逆パワハラは、部下の方が強い態度に出やすい環境で起こる傾向にあります 。若い栄養士が管理職をしている現場では、悲しいことによくある光景かもしれませんね…。

⑤先輩の昼食準備、お茶汲みなどの雑用を強制させる職場

私の過去の勤務先では、先輩の昼食を後輩が用意したり、先輩のお茶を淹れたりという行為を無言の圧力で強制していました。

先輩の昼食準備のために、ミールラウンドを短縮したり、自分の休憩時間を使うことになるので、本人が苦痛に感じていれば、これも立派なパワハラです。

4.職場でパワハラにあったときの対策・相談先

次に、職場でパワハラにあったときの対策や相談先についてお伝えします。

①パワハラの証拠を残す

パワハラを受けた際にまずやっておくことは、被害を受けた証拠を残すことです。証拠があると、相談するときに周囲の理解を得やすくなります。

特に被害が大きいときは、損害賠償請求を行うこともあります。ICレコーダーやメール、動画などがあれば最も良いのですが、録画・録音ができない場合は、被害の内容を日記のようにつけておきましょう。

相手、場所、時間、具体的な内容、目撃者など詳細が記録されていれば、より相談しやすくなります。

②直属の上司や相談窓口、人事部門など社内の対策ができる人に相談する

パワハラを早期解決するために、直属の上司や人事部門、相談窓口などを活用しましょう。特に、労働基準法違反と絡むようなパワハラは人事・労務管理部門も適切な相談先となるでしょう。

③外部機関に相談する

パワハラ対策には国も力を入れていて、労働局にある「総合労働相談センター」や厚生労働省の委託を受けた「労働条件相談ホットライン」なども相談先として活用できます。

あくまでも相談先なので、直接的に解決をしてくれる機関ではありませんが、その後の対応に対して、助言や指導をしてくれます。また、個別の労働紛争になるようなケースでは、専門家の紹介もしてもらえます。

5.先輩たちは気を付けて!気づかないうちに加害者になっているかも?

今の30代半ば以上の世代が新人のときは、今よりもハラスメント対策がされていない時代でしたよね。

例えば…
・新人は30分前に出勤して掃除をする
・雑用は後輩の仕事
・電話は絶対に下から順番にとる
・先輩のお茶汲みをする
・新人は仕事を教えてもらっているのだから残業をつけられない
このような内容を見たときに、自分が若い時の感覚では「当たり前」と受け入れられるものもあるのではないでしょうか。

平成半ばごろまで「常識」とされていたような内容は、今では非常識、パワハラ、法律違反などに該当します。自分が先輩たちに対して尽くしてきたことを後輩に求めると、知らぬ間にパワハラ加害者になっているかもしれません。

特に栄養科のような人数の少ない組織は、毎年新人が入ってくる組織よりも、風土が変わりにくい傾向にあります。

看護部やリハビリテーション部のように人数が多いところでは「パワハラ」と認識されていても、人数が少ない栄養科では気づく人がおらず、少人数のため告発もしづらい。そして、気づけば新人が続かない職場に…なんてことにならないよう、意識改革、組織改革をしていく必要があるかもしれません。

先輩世代は、気づかないうちにパワハラ加害者にならないように努めましょう。

6.ハラスメントがクライアントだったら…?

ここまでお伝えしてきたハラスメント対策は、主に「被害者も加害者も同じ雇用主」の場合の内容です。

私たち管理栄養士・栄養士の世界では「委託栄養士とクライアント管理栄養士」が同じ職場で働いていることが多く、他の業界とは違う独特の関係性の中で働く人も少なくないでしょう。

給食委託会社にとって、クライアントはお客様。

パワハラを受けて上司に相談しても、上司にとってもお客様であるがために、対策をとってもらえないというエピソードは後を絶たないのではないでしょうか。

実は、取引先や顧客など「他者の社員」からパワハラ被害を受けることについても問題視されており、先に説明したパワハラ防止に関する法律でも考え方が示されています。
取引先等から自社社員が被害を受けた場合について
(1)相談体制の整備(例として上司や職場内の担当者といった相談先を決めて周知しておく)
(2)被害者への配慮の取組(例として迷惑行為をする者に一人で対応させないようにする)を行うことが望ましいとされ
(3)被害防止の取組(例として迷惑事案に対する対応マニュアルの作成や研修の実施)が有効である。
これらは法律上の「義務」とはされていないのですが、担当を変える、管理職同席の上で話し合いの場を設けるなどの措置を検討すべきとされています。

委託栄養士がクライアントからパワハラを受けたら、まずは上司に相談しましょう。その上司も、会社で対応を協議した上で、カスタマーハラスメントの対応を取る必要があります。

クライアント側管理栄養士がモンスタークライアントであれば、その管理栄養士の上司に訴えて対応を求めることが正しい対策です。

また、委託栄養士は自分の身を守るために、業務委託契約で決められた内容や業務の線引きを正確に把握して業務を行いましょう。

クライアントの越権行為は決して許されるものではありません。越権行為やハラスメントなのか、受け止めるべき要望なのか判断するために、契約内容を理解しておく必要があります。

7.さいごに

ハラスメントには、パワーハラスメント、カスタマーハラスメント、マタニティハラスメント、セクシャルハラスメントと複数あり、どれも起きてはいけないことです。

今は法令が整備され、規制も厳しくなっているので、被害にあったら然るべき部門や組織、外部機関に相談してください。

栄養士の業界は閉鎖的で人員が少ないため、相談してもなかなか状況が変わらなかったり、大企業のように配置転換ができないこともあるでしょう。

しかしそれは本来、社会的に正しいことではありません。まかり通ってはいけないのです。

そのような職場で消耗する時間は勿体ないですし、上層部に相談しても問題が解決しないなら「この組織はあまり良い場所とは言えない」と、見切りをつけても良いと思います。

壊れるまで耐えてしまうと、「職場が悪いだけなのに栄養士も嫌い」になってしまうかもしれません。

自分なりに戦っても解決されないときや、心身共に壊れてしまいそうになったときは、転職も視野に入れてみましょう。

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参考文献・サイト

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