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2024.01.11

栄養ケア・マネジメント ~基本をおさらいしよう~

カバー画像:栄養ケア・マネジメント ~基本をおさらいしよう~

医療・介護業界に従事する管理栄養士のコア業務ともいえる『栄養ケア・マネジメント』。役割に就いたばかりで戸惑う方や、ひとり職場で不安をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

そこで今回は、①スクリーニング②アセスメント③栄養ケア計画④モニタリング・評価・修正に分けて、栄養ケア・マネジメントの基本を解説していきます。

はじめに

近年、医療・介護の分野では栄養関連の仕事に対する診療報酬の新規導入・改訂が目まぐるしく、疾病構造の変化、治療技術の進歩とともに、効率化や効果(アウトカム)を求められています。

さらに対象者ニーズの多様化もあり、各々の専門性を集約したチーム医療が進められています。

栄養ケア・マネジメント(Nutrition Care Management:NCM)の定義はヘルスケアの一環として、個々人に最適な栄養ケアを行い、業務遂行での機能や方法・手順を効率的に行うシステムです。

そして栄養状態を改善し対象者のQOL(quality of life)向上をゴール(目標)としています。このNCM構造は栄養スクリーニング・栄養アセスメント・栄養ケア計画・実施・チェック・モニタリング・評価・品質改善の修正で構成されます。
そのためには栄養アセスメントの手法を学び、健康者・患者・高齢者・幼児など、各世代や疾患ごとの栄養状態を的確に評価・判定する能力が必要であり、その指標や方法を用いて栄養ケア・マネジメントが展開され、栄養治療へと繋がっていきます。そのためには、初期介入にスクリーニング(SGA)は欠かせません。

1.栄養スクリーニング

栄養スクリーニングは主観的包括的評価(Subjective Global Assessment:SGA)を用います。

医療・介護施設でSGAは、入院・入所者に速やかに介入する栄養評価法であり、評価者(管理栄養士など)が、患者(家族)の申告情報や、主観的に患者の皮膚・外見状況などから栄養状態を判定します。

このSGA活用方法では
1)栄養に関して治療を必要とするかを決定する。(低栄養状態かその恐れがあるか?)
2)急性の栄養障害か,慢性的な栄養不良かを判断する。 

スクリーニング手法として医療施設ではSGAが広く一般的な患者(成人、高齢者)に用いられ、高齢者施設ではMNA-SF(Mini Nutrition Assessment-Short Form)が判定ツールとして用いられています。 

実際に介入した重度栄養障害ありとSGAした、初期スクリーニリング(SGA)の介入例を表1.に示しました。

2.栄養アセスメント

栄養アセスメントはODA:客観的データ評価(Objective Data Assessment)を用いて評価します。一般的には患者さんの栄養状態を評価し、栄養に関する問題点をあきらかにすることを目的としています。

また、高齢者でMNA‐SFを使った場合は、栄養アセスメントとして、MNAフルバージョン(16項目、16ポイント)を使用します。Nestle Nutrition InstituteなどにMNA用紙が記載されていますので、参考にして下さい。

栄養管理の一環としての栄養アセスメントは、栄養状態の問診・食事調査・身体計測・臨床検査・栄養補給法などから評価するもので、栄養アセスメントの指標として客観的な根拠に基づく指標として、表3.に示した方法の一覧を参考して評価します。

具体的には次のようになります。

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エイチエ編集部

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