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肥満で強まるインスリン分泌のブレーキ機構が判明
2026.06.01
国立大学法人徳島大学(以下、徳島大学)は28日、同大学先端酵素額研究所の井上啓教授、金沢大学新学術創成研究機構の橋内咲実特任助教、稲葉有香准教授、東京大学大学院理学系研究科の黒田真也教授、杉本光客員研究員らの共同研究グループが、インスリン分泌を調節する仕組みの中に、ブレーキ機能が存在することを明らかにしたと発表した。
徳島大学らの研究グループが自律神経によるブレーキ機構を解明
国立大学法人徳島大学(以下、徳島大学)は28日、同大学先端酵素額研究所の井上啓教授、金沢大学新学術創成研究機構の橋内咲実特任助教、稲葉有香准教授、東京大学大学院理学系研究科の黒田真也教授、杉本光客員研究員らの共同研究グループが、インスリン分泌を調節する仕組みの中に、ブレーキ機能が存在することを明らかにしたと発表した。
研究の成果は5月26日付で米国科学振興協会刊行の科学誌「Science Signaling」に掲載されている。
人間の体内では、食事の際に血糖値が上昇するが、膵臓からインスリンが分泌されることにより、血糖値が一定に保たれるようになっている。このインスリン分泌調節において、脳と膵臓をつなぐ自律神経である迷走神経は重要な役割を果たしている。
とくに迷走神経の代表的神経伝達物質であるアセチルコリンは、インスリン分泌を促進することが知られてきた。一方で、肥満や2型糖尿病患者の場合、こうした迷走神経性のインスリン分泌調節が障害され、耐糖能異常につながると指摘されている。しかし、肥満でなぜ迷走神経によるインスリン分泌調節の障害が起きるのか、その詳細な仕組みは不明のままだった。
研究の成果は5月26日付で米国科学振興協会刊行の科学誌「Science Signaling」に掲載されている。
人間の体内では、食事の際に血糖値が上昇するが、膵臓からインスリンが分泌されることにより、血糖値が一定に保たれるようになっている。このインスリン分泌調節において、脳と膵臓をつなぐ自律神経である迷走神経は重要な役割を果たしている。
とくに迷走神経の代表的神経伝達物質であるアセチルコリンは、インスリン分泌を促進することが知られてきた。一方で、肥満や2型糖尿病患者の場合、こうした迷走神経性のインスリン分泌調節が障害され、耐糖能異常につながると指摘されている。しかし、肥満でなぜ迷走神経によるインスリン分泌調節の障害が起きるのか、その詳細な仕組みは不明のままだった。
アクセルとブレーキの両面でインスリン分泌を制御
研究グループは、薬剤依存的に神経活動を制御できるDREADD技術によって作出した迷走神経活性化マウスを用い、検証を進めている。
健常マウスの場合、迷走神経を活性化すると、インスリン分泌が促進されたが、肥満マウスでは逆にインスリン分泌が抑制されることが判明した。そこで、肥満マウスで認められる迷走神経性インスリン分泌抑制の仕組みを詳しく解析していくこととした。
迷走神経は神経伝達物質であるアセチルコリンを介し、インスリン分泌を促進する。そこで、薬剤によりアセチルコリン作用を阻害した状態で迷走神経を活性化したところ、健常マウスで認められたインスリン分泌促進作用は消失し、逆にインスリン分泌が抑制された。
ここから迷走神経には、アセチルコリンとは別にインスリン分泌を抑制する神経伝達物質が存在する可能性が考えられた。
迷走神経は、アセチルコリンのほかに、NOや神経ペプチドなどを神経伝達物質として脳から膵臓へ情報を伝えるものとして運んでいる。そこで、それぞれの作用を阻害した状態で解析を進めたところ、迷走神経NOを合成する神経型NO合成酵素(nNOS)を阻害した際に、肥満マウスで認められたインスリン分泌抑制が消失することが分かった。
また、迷走神経特異的なnNOS欠損マウスにおいても、nNOS阻害時と同じように、肥満マウスによる迷走神経性インスリン分泌抑制が消失する結果となった。
さらに数理モデルを用いた解析で、この迷走神経性インスリン分泌抑制作用が、肥満状態では強まることを明らかにした。これらから、肥満状態では食事の際に生じる、迷走神経を介したインスリン分泌が抑えられ、インスリンが分泌されにくい状態になっていることが示唆された。
健常マウスの場合、迷走神経を活性化すると、インスリン分泌が促進されたが、肥満マウスでは逆にインスリン分泌が抑制されることが判明した。そこで、肥満マウスで認められる迷走神経性インスリン分泌抑制の仕組みを詳しく解析していくこととした。
迷走神経は神経伝達物質であるアセチルコリンを介し、インスリン分泌を促進する。そこで、薬剤によりアセチルコリン作用を阻害した状態で迷走神経を活性化したところ、健常マウスで認められたインスリン分泌促進作用は消失し、逆にインスリン分泌が抑制された。
ここから迷走神経には、アセチルコリンとは別にインスリン分泌を抑制する神経伝達物質が存在する可能性が考えられた。
迷走神経は、アセチルコリンのほかに、NOや神経ペプチドなどを神経伝達物質として脳から膵臓へ情報を伝えるものとして運んでいる。そこで、それぞれの作用を阻害した状態で解析を進めたところ、迷走神経NOを合成する神経型NO合成酵素(nNOS)を阻害した際に、肥満マウスで認められたインスリン分泌抑制が消失することが分かった。
また、迷走神経特異的なnNOS欠損マウスにおいても、nNOS阻害時と同じように、肥満マウスによる迷走神経性インスリン分泌抑制が消失する結果となった。
さらに数理モデルを用いた解析で、この迷走神経性インスリン分泌抑制作用が、肥満状態では強まることを明らかにした。これらから、肥満状態では食事の際に生じる、迷走神経を介したインスリン分泌が抑えられ、インスリンが分泌されにくい状態になっていることが示唆された。
迷走神経は血糖値を一定に保つために重要な役割を果たしており、これまでの研究でインスリン分泌を促進するアクセルの機能を有することが分かっていた。だが今回の研究により、このアクセル作用に加え、抑制するブレーキ作用を有し、その抑制作用が肥満で増強されることが明らかになった。
今後は発見された迷走神経のNOを介するインスリン分泌のブレーキ作用から、肥満・2型糖尿病の病態理解を深めるとともに、予防法の開拓や新規治療標的とすることが期待される。
(画像はプレスリリースより)
今後は発見された迷走神経のNOを介するインスリン分泌のブレーキ作用から、肥満・2型糖尿病の病態理解を深めるとともに、予防法の開拓や新規治療標的とすることが期待される。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
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