注目高まる発酵性食物繊維で腸内環境改善
株式会社日清製粉グループ本社(以下、日清製粉)は3月3日、学校法人大妻学院大妻女子大学とともに、高食物繊維小麦粉に含まれる多様な発酵性食物繊維の組成を明らかにし、この発酵性食物繊維による腸内環境改善効果の科学的可能性を培養試験で示すことに成功したと発表した。
研究の成果は3月4日~8日に開催される「日本農芸化学会2025年度札幌大会」でも発表される。
食物繊維は、人の消化酵素で消化できない物質だが、これを摂取することにより、多くの生活習慣病における発症率を低下させられるなど、身体の中で非常に重要かつ有用な働きをする、第6の栄養素として注目されている。
世界保健機関(WHO)も、1日に摂取すべき食物繊維量を25g以上と定め、積極的な摂取を呼びかけているが、日本国内では摂取量が不足しており、とくに穀物からの食物繊維摂取は減少傾向にあるという。
また、食物繊維であれば何でもよいわけではなく、その質も重要な要因で、食品形態での摂取が望ましいともされている。
そうした中、日清製粉によると、とくに発酵性食物繊維の健康機能性が近年は高い関心を集める対象になってきているという。この発酵性食物繊維は、腸内細菌によって利用されることで、短鎖脂肪酸などの有益代謝物質の腸内産生を促せ、腸内環境を良好にし、健康促進に寄与するとみられている。
通常よりも豊富な食物繊維を含む、高食物繊維小麦粉は、一般的な小麦と同様、多様な食品に利活用可能なため、普段の食事で不足しがちな食物繊維を手軽に多く摂取するのに役立つと考えられる。
この高食物繊維小麦粉は、先行研究により、豊富に含むレジスタントスターチ(人の消化酵素で分解されずに大腸まで届くでんぷん)は発酵性食物繊維であり、食物繊維の中でも高い腸内環境改善効果が期待されるという。
そこで今回研究を実施し、高食物繊維小麦粉に含まれる食物繊維の組成解析と、腸内環境改善効果の可能性を培養試験で科学的に検証することとした。
研究の成果は3月4日~8日に開催される「日本農芸化学会2025年度札幌大会」でも発表される。
食物繊維は、人の消化酵素で消化できない物質だが、これを摂取することにより、多くの生活習慣病における発症率を低下させられるなど、身体の中で非常に重要かつ有用な働きをする、第6の栄養素として注目されている。
世界保健機関(WHO)も、1日に摂取すべき食物繊維量を25g以上と定め、積極的な摂取を呼びかけているが、日本国内では摂取量が不足しており、とくに穀物からの食物繊維摂取は減少傾向にあるという。
また、食物繊維であれば何でもよいわけではなく、その質も重要な要因で、食品形態での摂取が望ましいともされている。
そうした中、日清製粉によると、とくに発酵性食物繊維の健康機能性が近年は高い関心を集める対象になってきているという。この発酵性食物繊維は、腸内細菌によって利用されることで、短鎖脂肪酸などの有益代謝物質の腸内産生を促せ、腸内環境を良好にし、健康促進に寄与するとみられている。
通常よりも豊富な食物繊維を含む、高食物繊維小麦粉は、一般的な小麦と同様、多様な食品に利活用可能なため、普段の食事で不足しがちな食物繊維を手軽に多く摂取するのに役立つと考えられる。
この高食物繊維小麦粉は、先行研究により、豊富に含むレジスタントスターチ(人の消化酵素で分解されずに大腸まで届くでんぷん)は発酵性食物繊維であり、食物繊維の中でも高い腸内環境改善効果が期待されるという。
そこで今回研究を実施し、高食物繊維小麦粉に含まれる食物繊維の組成解析と、腸内環境改善効果の可能性を培養試験で科学的に検証することとした。
多様な発酵性食物繊維を含有、今後のさらなる活用で健康効果に期待
研究グループは、まず小麦粉の加工を想定し、水を添加後に加熱した高食物繊維小麦粉に含まれるレジスタントスターチの腸内環境改善効果を、難消化性デキストリン、大麦由来β-グルカン、小麦ふすま由来アラビノキシランと培養試験で比較した。
すると、高食物繊維小麦粉のレジスタントスターチ添加による酢酸産生量は、難消化性デキストリンと同等で、大麦由来β-グルカンや小麦ふすま由来アラビノキシランよりも高いことが判明した。
有用菌とされるBifidobacterium属の増加も確認され、高食物繊維小麦粉のレジスタントスターチは、他の食物繊維と比べて酢酸産生基質としての効果が同等もしくはそれ以上に望めること、さらに腸内環境改善効果を持っている可能性が高いことが明らかとなった。
続いて、高食物繊維小麦粉から製造したパンを用い、実際の喫食時の食品に含まれる状態として、その食物繊維組成はどうか、解析を実施している。
すると、高食物繊維小麦粉のレジスタントスターチ添加による酢酸産生量は、難消化性デキストリンと同等で、大麦由来β-グルカンや小麦ふすま由来アラビノキシランよりも高いことが判明した。
有用菌とされるBifidobacterium属の増加も確認され、高食物繊維小麦粉のレジスタントスターチは、他の食物繊維と比べて酢酸産生基質としての効果が同等もしくはそれ以上に望めること、さらに腸内環境改善効果を持っている可能性が高いことが明らかとなった。
続いて、高食物繊維小麦粉から製造したパンを用い、実際の喫食時の食品に含まれる状態として、その食物繊維組成はどうか、解析を実施している。

すると、このパン由来の食物繊維には、レジスタントスターチはもちろん、それ以外にも発酵性食物繊維として知られるフルクタンやアラビノキシラン、アラビノガラクタン、β-グルカンが含まれることが分かった。割合としても、高食物繊維小麦粉に含まれる全食物繊維のうちの約84%が発酵性食物繊維だと判明したという。
研究グループは、さらに株式会社メタジェンへ委託し、小麦粉の加工を想定した水の添加後に加熱処理した高食物繊維小麦粉由来の食物繊維について、種類と性質ごとに分けて培養試験による発酵性評価も実施した。
その結果、高食物繊維小麦粉に含まれるレジスタントスターチやその他の食物繊維は、いずれも腸内発酵性を有し、短鎖脂肪酸産生菌であるBifidobacterium属の存在比率を増加させることが培養試験によって確認できた。
レジスタントスターチと複数の発酵性食物繊維が含まれることにより、その効果が一層向上することも明らかとなり、これによって腸内環境改善効果が高い水準で期待できると考えられた。
研究グループは、さらに株式会社メタジェンへ委託し、小麦粉の加工を想定した水の添加後に加熱処理した高食物繊維小麦粉由来の食物繊維について、種類と性質ごとに分けて培養試験による発酵性評価も実施した。
その結果、高食物繊維小麦粉に含まれるレジスタントスターチやその他の食物繊維は、いずれも腸内発酵性を有し、短鎖脂肪酸産生菌であるBifidobacterium属の存在比率を増加させることが培養試験によって確認できた。
レジスタントスターチと複数の発酵性食物繊維が含まれることにより、その効果が一層向上することも明らかとなり、これによって腸内環境改善効果が高い水準で期待できると考えられた。

日清製粉では、今回の研究結果を受け、高食物繊維小麦粉が腸内環境改善効果を有する可能性が示されたとし、日常の食事における食物繊維の質と量を向上、健康促進に寄与する新たな食材としての可能性を見出せるとする。
今後は培養試験だけでなく、実際のヒト臨床試験により、さらなるエビデンスを蓄積、身近な食品への応用も進めていきたいとした。
また、研究成果として、高食物繊維小麦粉の健康増進に対する寄与可能性を示せたことから、食品業界全体における新たな製品開発や健康に資する食品の創出にも広がっていく可能性があるとし、今後も科学的根拠に基づく研究及び研究開発を推進していきたいともしている。
(画像はプレスリリースより)
今後は培養試験だけでなく、実際のヒト臨床試験により、さらなるエビデンスを蓄積、身近な食品への応用も進めていきたいとした。
また、研究成果として、高食物繊維小麦粉の健康増進に対する寄与可能性を示せたことから、食品業界全体における新たな製品開発や健康に資する食品の創出にも広がっていく可能性があるとし、今後も科学的根拠に基づく研究及び研究開発を推進していきたいともしている。
(画像はプレスリリースより)