入居者31人に下痢などの症状
福岡市は3月1日、同市東区の介護福祉施設が提供した食事により、食中毒が発生したことを発表した。ウェルシュ菌による食中毒事例で、入居者の31人に症状が発現した。
福岡市の発表によると、2月23日の午後4時25分頃、東区にある介護老人福祉施設から、福岡市保健所に2月22日~23日にかけ、入居者20人ほどに下痢症状がみられているとの報告があったという。
保健所はこの通報を受けて調査を開始、この介護老人福祉施設で、2月22日午後6時頃から下痢や腹痛の食中毒様症状を31人が呈していると判明した。
詳細調査の結果、この福祉施設の給食事業を担う、福岡市東区の株式会社グリーンヘルスケアサービス(以下、グリーンヘルスケアサービス)の提供した食事を喫食した、利用者116人のうち、31人が症状を発現していること、有症者である31人に共通する食事は、この給食施設で調理した食事のみであったこと、また行政検便の結果、有症者10人のうちの9人の便からウェルシュ菌が検出されたという。
有症者にみられた症状は、ウェルシュ菌による食中毒に特徴的なものと一致していた。これらから保健所はグリーンヘルスケアサービスの提供した食事を原因とするウェルシュ菌食中毒事件と断定、同社の給食施設に1日間の営業停止処分を下した。
福岡市の発表によると、2月23日の午後4時25分頃、東区にある介護老人福祉施設から、福岡市保健所に2月22日~23日にかけ、入居者20人ほどに下痢症状がみられているとの報告があったという。
保健所はこの通報を受けて調査を開始、この介護老人福祉施設で、2月22日午後6時頃から下痢や腹痛の食中毒様症状を31人が呈していると判明した。
詳細調査の結果、この福祉施設の給食事業を担う、福岡市東区の株式会社グリーンヘルスケアサービス(以下、グリーンヘルスケアサービス)の提供した食事を喫食した、利用者116人のうち、31人が症状を発現していること、有症者である31人に共通する食事は、この給食施設で調理した食事のみであったこと、また行政検便の結果、有症者10人のうちの9人の便からウェルシュ菌が検出されたという。
有症者にみられた症状は、ウェルシュ菌による食中毒に特徴的なものと一致していた。これらから保健所はグリーンヘルスケアサービスの提供した食事を原因とするウェルシュ菌食中毒事件と断定、同社の給食施設に1日間の営業停止処分を下した。
大量調理に注意!温度管理をしっかりと
下痢や腹痛などの症状を呈した31人の内訳は、男性が7人、女性が24人、男性は70代~90代、女性は60代~90代で、受診者や入院者はなく、全員が快方に向かっているという。
保健所では、グリーンヘルスケアサービスの給食施設に対し、食材の十分な加熱や食器・器具類の洗浄及び消毒の徹底、施設清掃、手洗いの励行、食材の適切管理、調理従事者の健康管理の徹底、食材の温度管理及び時間管理の徹底といった、基本事項について、改めて指導を実施している。
ウェルシュ菌は、人や動物の腸管・糞便などに広く分布する嫌気性菌。43~47度で最も増殖する。熱に強い芽胞を作る点が最も特徴的で、他の細菌が死滅するような高温下でも生き残る。
とくに食品を大釜などで大量に加熱調理すると、食品中心部が酸素のない状態となり、嫌気性菌のウェルシュ菌には好ましい状態が作られるため、食品の温度が43~47度という発育に適した温度帯となると、発芽して急速に増殖を始める。
こうした大量増殖したウェルシュ菌が食品とともに胃を通過し、小腸内で増殖、菌が芽胞型に移行する際、エンテロトキシンと呼ばれる毒素が産生され、この毒素の作用により下痢などの食中毒様症状が発生する。
潜伏期間は通常6~18時間、平均10時間とされ、喫食後24時間以降に発病することはほとんどない。嘔吐や発熱などの症状は少なく、一般に軽い症状で収まり1~2日で回復する。
芽胞は100度、4時間の加熱でも死滅しないため、同一容器で大量に調理する給食施設などでは十分な注意が必要であり、菌が増殖しやすい温度帯で長く放置しないよう、室温放置などを避けることが重要になる。
福岡市でも、前日調理を避け、加熱調理したものはなるべく早く食べるようにすること、調理後、食べるまでに時間がかかる場合には、速やかに放冷し冷蔵保存すること、食べる前には十分に再加熱し、カレーやシチューなどは鍋の中をよくかき混ぜて温度を均質化していくよう呼びかけた。
(画像はPixabayより)
保健所では、グリーンヘルスケアサービスの給食施設に対し、食材の十分な加熱や食器・器具類の洗浄及び消毒の徹底、施設清掃、手洗いの励行、食材の適切管理、調理従事者の健康管理の徹底、食材の温度管理及び時間管理の徹底といった、基本事項について、改めて指導を実施している。
ウェルシュ菌は、人や動物の腸管・糞便などに広く分布する嫌気性菌。43~47度で最も増殖する。熱に強い芽胞を作る点が最も特徴的で、他の細菌が死滅するような高温下でも生き残る。
とくに食品を大釜などで大量に加熱調理すると、食品中心部が酸素のない状態となり、嫌気性菌のウェルシュ菌には好ましい状態が作られるため、食品の温度が43~47度という発育に適した温度帯となると、発芽して急速に増殖を始める。
こうした大量増殖したウェルシュ菌が食品とともに胃を通過し、小腸内で増殖、菌が芽胞型に移行する際、エンテロトキシンと呼ばれる毒素が産生され、この毒素の作用により下痢などの食中毒様症状が発生する。
潜伏期間は通常6~18時間、平均10時間とされ、喫食後24時間以降に発病することはほとんどない。嘔吐や発熱などの症状は少なく、一般に軽い症状で収まり1~2日で回復する。
芽胞は100度、4時間の加熱でも死滅しないため、同一容器で大量に調理する給食施設などでは十分な注意が必要であり、菌が増殖しやすい温度帯で長く放置しないよう、室温放置などを避けることが重要になる。
福岡市でも、前日調理を避け、加熱調理したものはなるべく早く食べるようにすること、調理後、食べるまでに時間がかかる場合には、速やかに放冷し冷蔵保存すること、食べる前には十分に再加熱し、カレーやシチューなどは鍋の中をよくかき混ぜて温度を均質化していくよう呼びかけた。
(画像はPixabayより)