業界ニュース
東京農大ら、遺伝子組換え不使用で鉄を多く含む米の開発に成功
2026.04.01
東京農業大学は25日、同大学応用生物科学部の齋藤彰宏助教らの研究グループが、九州大学、千葉大学、東京大学との共同研究により、遺伝子組換えを用いることなく鉄含量を高めたイネ系統の開発に成功したことを発表した
白米・玄米のいずれでも鉄含量が大幅にアップ
東京農業大学は25日、同大学応用生物科学部の齋藤彰宏助教らの研究グループが、九州大学、千葉大学、東京大学との共同研究により、遺伝子組換えを用いることなく鉄含量を高めたイネ系統の開発に成功したことを発表した。鉄を多く含む実用的育種系統を確立している。この研究成果は国際学術誌「Rice」に掲載された。
鉄分は生命活動に不可欠だが、世界では約20億人の人々が鉄欠乏に苦しんでいるとされる。とくに主食作物からの鉄摂取量の不足は、鉄欠乏性貧血の主要因とされてきた。
米類は世界人口の半数以上の主食であるため、その鉄含量を高めた栄養強化育種の開発は重要な課題といえる。しかし、従来の遺伝子組換え技術による品種は、社会受容性や制度面で普及に課題があり実用化が限定されていた。そこで今回、遺伝子組換えを用いない方法による、鉄強化イネの開発を目指したという。
鉄分は生命活動に不可欠だが、世界では約20億人の人々が鉄欠乏に苦しんでいるとされる。とくに主食作物からの鉄摂取量の不足は、鉄欠乏性貧血の主要因とされてきた。
米類は世界人口の半数以上の主食であるため、その鉄含量を高めた栄養強化育種の開発は重要な課題といえる。しかし、従来の遺伝子組換え技術による品種は、社会受容性や制度面で普及に課題があり実用化が限定されていた。そこで今回、遺伝子組換えを用いない方法による、鉄強化イネの開発を目指したという。
鉄欠乏応答制御の変異体遺伝子に着目
研究グループは、まず突然変異誘発処理を施したイネ集団から、鉄を大量に蓄積するtetsu変異体を発見した。この変異体では、鉄欠乏応答を負に制御するHRZ1遺伝子に新たな機能変化をもたらす変異が生じていることが明らかになった。
HRZ1は、植物が鉄欠乏状態になっていることを感知し、鉄吸収関連遺伝子の働きを調節する役割を担うたんぱく質。今回の研究では、この遺伝子変異により鉄吸収が強化され、イネ体内への鉄蓄積が増加したとみられる。
HRZ1は、植物が鉄欠乏状態になっていることを感知し、鉄吸収関連遺伝子の働きを調節する役割を担うたんぱく質。今回の研究では、この遺伝子変異により鉄吸収が強化され、イネ体内への鉄蓄積が増加したとみられる。
鉄吸収関連遺伝子の発現が強く誘導された種では、葉及び籾での鉄蓄積量が大幅に増加しており、さらにその鉄の蓄積は外層だけでなく白米部分にも及んでいたという。
そして調査を進めると、この変異体はカドミウムなどの有害重金属の過剰蓄積はみられず、鉄の取り込みが強化されているために鉄欠乏が生じやすいアルカリ土壌条件でも生育が維持されることが確認できた。
さらにこのtetsu変異体は育種利用も可能で、研究においては黒米品種との交配により、鉄含量の増加だけでなく、高い抗酸化効果が報告されている複数のポリフェノール類を玄米中で同時に増加させることにも成功している。
そして調査を進めると、この変異体はカドミウムなどの有害重金属の過剰蓄積はみられず、鉄の取り込みが強化されているために鉄欠乏が生じやすいアルカリ土壌条件でも生育が維持されることが確認できた。
さらにこのtetsu変異体は育種利用も可能で、研究においては黒米品種との交配により、鉄含量の増加だけでなく、高い抗酸化効果が報告されている複数のポリフェノール類を玄米中で同時に増加させることにも成功している。
研究グループでは、今回の結果に関し、非遺伝子組換えによる主食作物の栄養改善、食品として利用可能な実用品種の開発、栄養改善と農業生産性の両立の3点で注目されるものとした。
中でも主食作物の栄養改善は、医療やサプリメントの摂取などに依存しない持続的な健康改善手法として注目される。
研究グループは現在、動物試験による有効性の検証を進めており、今後は多様な品種への導入や品種改良を推進、実用的な鉄強化イネの開発・普及を目指していくとした。
(画像はプレスリリースより)
中でも主食作物の栄養改善は、医療やサプリメントの摂取などに依存しない持続的な健康改善手法として注目される。
研究グループは現在、動物試験による有効性の検証を進めており、今後は多様な品種への導入や品種改良を推進、実用的な鉄強化イネの開発・普及を目指していくとした。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
この記事をシェアする
