食品原料メーカーの太陽化学株式会社（以下、太陽化学）は20日、三重県四日市市と相互の連携を強化する包括連携協定を締結したことを明らかにした。地域社会全体のウェルビーイング実現に向け、食を通じた健康づくりや健康寿命延伸をはじめとする施策などに連携して取り組み、産業振興から地域経済活性化にもつなげていきたいとする。

太陽化学は研究開発型企業として、食を通じた生活文化の発展と健康の増進に幅広く多角的に取り組んできた実績がある。近年は健康寿命延伸を目指す社会的動きが活発となる中で、強みとする食と健康・栄養の知見をもとに健康啓発活動にも力を入れてきた。

とくに全身への影響が大きい腸の健康に着目した「快腸ビジネスプロジェクト」では、研究エビデンスにそった健康勉強会や社員食堂での腸活メニューフェアの開催などで広く健康への働きかけを進めている。

四日市市は、太陽化学が本社を置く地であり、また市民が心身ともに健康で地域社会とのつながりを持ち、充実した生活を送れるような「健康・生活充実都市」の実現を目指した取り組みを推進している自治体でもある。

具体的には生活習慣病予防事業や運動・スポーツの習慣化による健康増進事業等の取り組みを進めているという。こうした相性の良い両者が連携を図ることにより、さらなる健康エビデンスの取得と健康施策の効果的推進が叶い、地域社会全体における健康寿命延伸やQOL向上を実現できると見込まれたことから、今回の協定締結となった。

連携事項には、健康づくりや健康寿命延伸に関することのほか、健康経営関連や災害時対応、地域経済や産業振興関連なども含まれている。

具体的取り組みとして両者はまず、ヘルステック機器による業務パフォーマンスの検証を開始する。生涯にわたる健康づくりには、働く世代の健康意識向上と健康増進アプローチは重要な施策のひとつとなるが、国内有数の産業都市でもある四日市市でも、就業人口が県内最多の自治体ということもあり、働く世代の健康増進には大いに注目しているという。

一方の太陽化学では、長年、食物繊維と腸の研究を進めてきた。この知見から、食物繊維の適正摂取が働く世代の健康にも貢献するものとなると考え、「業務パフォーマンスに関わる心身状態と食物繊維摂取との関係性」について、四日市市職員に参加してもらう検証事業の実施を予定している。この検証では、健康関連分野で注目されるヘルステック機器を用いた評価も行う。

検証では、太陽化学が研究対象としてきた食物繊維「グアー豆食物繊維（サンファイバー）」を使用する。これはインゲン豆の一種であるインド産のグアー豆に由来する水溶性食物繊維で、発酵性が高く腸内の善玉菌の良い餌になりやすいという特徴を持つ。「グアーガム分解物」の名称で医療・介護分野から幅広い世代の健康ケア食品に用いられているものも、このグアー豆食物繊維だ。

グアー豆食物繊維では、便通改善や下痢の改善、腸内環境改善、食後血糖値の上昇抑制など多様な健康効果が確認されており、さらに腸内環境改善を介し睡眠やメンタルヘルスにも有益である可能性が示唆されている。

食物繊維は健康寿命にも大きく影響するもので、栄養素としての認知度や理解度は高い一方、普段の食事で不足している人が多いものでもある。

両者は長期的な健康増進はもちろん、労働への短期的影響も検証することにより、効果的な健康啓発や施策のヒントを得られ、さらに四日市市が目指す「健康・生活充実都市」の実現に向けた施策にもつながっていくことを期待するとした。

（画像はプレスリリースより）