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希少糖でインスリン感受性を高め高血糖を効率良く改善
2026.05.07
京都府立大学と科学技術振興機構(JST)は5月1日、希少糖D-アルロースが腸ホルモングルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を促進することで、全身のインスリン感受性を高め、少ないインスリン量でも効率良く高血糖を改善できることを確認したと発表した。
京都府立大学とJSTが発表
京都府立大学と科学技術振興機構(JST)は5月1日、希少糖D-アルロースが腸ホルモングルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を促進することで、全身のインスリン感受性を高め、少ないインスリン量でも効率良く高血糖を改善できることを確認したと発表した。
この研究成果は、国際学術誌「Diabetes」に掲載予定で、先行して5月1日の13時にはオンライン掲載されるところとなった。
世界中で増加傾向にある2型糖尿病では、インスリンの効きが低下するインスリン抵抗性が主要原因に挙げられる。しかしこのインスリン抵抗性を標的とした治療法の選択肢は少なく、新しい安全で有効な治療戦略の確立が強く求められている。
今回、京都府立大学大学院生命環境科学研究科動物機能学研究室の岩﨑有作教授、大林健人共同研究員、関西電力医学研究所統合生理学センターの矢田俊彦センター長らの研究グループは、希少糖の一種である「D-アルロース」が、インスリン感受性を高めることで、少ないインスリン量でも高血糖を改善できる効果を発見した。
D-アルロースのもつ、食後などに上昇した血糖値を速やかに正常域へ戻す力は、これまでにも確認されていたが、どのようなメカニズムがあるのか、食後や糖尿病状態など、どういった条件下でその効果が強く発揮されるのかについては、よく分かっていなかった。
この研究成果は、国際学術誌「Diabetes」に掲載予定で、先行して5月1日の13時にはオンライン掲載されるところとなった。
世界中で増加傾向にある2型糖尿病では、インスリンの効きが低下するインスリン抵抗性が主要原因に挙げられる。しかしこのインスリン抵抗性を標的とした治療法の選択肢は少なく、新しい安全で有効な治療戦略の確立が強く求められている。
今回、京都府立大学大学院生命環境科学研究科動物機能学研究室の岩﨑有作教授、大林健人共同研究員、関西電力医学研究所統合生理学センターの矢田俊彦センター長らの研究グループは、希少糖の一種である「D-アルロース」が、インスリン感受性を高めることで、少ないインスリン量でも高血糖を改善できる効果を発見した。
D-アルロースのもつ、食後などに上昇した血糖値を速やかに正常域へ戻す力は、これまでにも確認されていたが、どのようなメカニズムがあるのか、食後や糖尿病状態など、どういった条件下でその効果が強く発揮されるのかについては、よく分かっていなかった。
迷走感覚神経経路の新規糖代謝制御経路を発見
研究グループは、まず高血糖を示す2型糖尿病モデルのマウスにD-アルロースを経口投与すると、腸からGLP-1が分泌され、その作用によって短期的にインスリン感受性が高まり、高血糖が改善することを確認した。
しかし正常血糖値を示すマウスでは、D-アルロースを経口投与しても、血糖値に明らかな影響は見られなかった。よってD-アルロースによるGLP-1分泌は、正常な血糖を過度に低下させず、高血糖状態を選択的に改善する可能性があると考えられた。
腸から分泌されたGLP-1について調べを進めると、高血糖時に膵臓から分泌されるインスリンと協働することにより、腸と脳をつなぐ内臓感覚神経である迷走感覚神経を強く活性化し、結果として全身のインスリン感受性を高めるように働いていることが明らかになった。
このインスリン感受性亢進作用には、肝臓や肝門脈周辺を支配する迷走感覚神経が重要で、そこに発現するGLP-1受容体とインスリン受容体基質(IRS2)を介したシグナル伝達が必須であることも判明した。
さらに、迷走感覚神経の機能を抑制すると、D-アルロースによるインスリン感受性亢進作用が消失することも分かった。
そして、重度の2型糖尿病モデルにおける治療有効性を確認すべく、同モデルのマウスに、D-アルロース単回投与を行ったところ、マウスの高血糖が強力に改善された。
しかし正常血糖値を示すマウスでは、D-アルロースを経口投与しても、血糖値に明らかな影響は見られなかった。よってD-アルロースによるGLP-1分泌は、正常な血糖を過度に低下させず、高血糖状態を選択的に改善する可能性があると考えられた。
腸から分泌されたGLP-1について調べを進めると、高血糖時に膵臓から分泌されるインスリンと協働することにより、腸と脳をつなぐ内臓感覚神経である迷走感覚神経を強く活性化し、結果として全身のインスリン感受性を高めるように働いていることが明らかになった。
このインスリン感受性亢進作用には、肝臓や肝門脈周辺を支配する迷走感覚神経が重要で、そこに発現するGLP-1受容体とインスリン受容体基質(IRS2)を介したシグナル伝達が必須であることも判明した。
さらに、迷走感覚神経の機能を抑制すると、D-アルロースによるインスリン感受性亢進作用が消失することも分かった。
そして、重度の2型糖尿病モデルにおける治療有効性を確認すべく、同モデルのマウスに、D-アルロース単回投与を行ったところ、マウスの高血糖が強力に改善された。
その効果は既存の2型糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬であるExendin-4単回投与による効果と比較しても、より優れた治療効果を示すもので、D-アルロースを起点とした新たな高血糖改善戦略の可能性を見出すことができている。
研究グループでは、今回の研究を通じ、D-アルロースについて、食後に分泌される2種類のホルモンであるGLP-1とインスリンが協働して神経系に作用し、インスリン感受性を高めることで、インスリン分泌を過度に増やすことなく高血糖を改善する効果と、その作用機序の一端が明らかになったとした。
この新しい発見は、膵臓への負担を抑えた新たな糖尿病の治療戦略につながると見込まれ、今後はこの腸から神経、代謝連関へとつながる流れに着目した食品機能や治療戦略の開発を通じ、インスリン抵抗性改善による2型糖尿病の予防や治療に寄与することが期待されるとしている。
(画像はプレスリリースより)
研究グループでは、今回の研究を通じ、D-アルロースについて、食後に分泌される2種類のホルモンであるGLP-1とインスリンが協働して神経系に作用し、インスリン感受性を高めることで、インスリン分泌を過度に増やすことなく高血糖を改善する効果と、その作用機序の一端が明らかになったとした。
この新しい発見は、膵臓への負担を抑えた新たな糖尿病の治療戦略につながると見込まれ、今後はこの腸から神経、代謝連関へとつながる流れに着目した食品機能や治療戦略の開発を通じ、インスリン抵抗性改善による2型糖尿病の予防や治療に寄与することが期待されるとしている。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
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