信州大学と東洋ライスの共同研究
東洋ライス株式会社(以下、東洋ライス)は8日、国立大学法人信州大学農学部食品免疫機能学研究室・田中沙智准教授、信州大学大学院総合理工学研究科山口司恩氏らによる研究グループと、米糠画分摂取による腸内細菌の影響を解明するための共同研究を実施、マウスを用いた実験でその有用性を明らかにしたと発表した。
玄米食は腸内細菌叢の多様性を作り、腸内環境をより良く整えることに寄与するとされてきたが、特徴の異なる複数の層構造をもった玄米粒において、各米糠画分摂取がどう腸内細菌叢に影響を及ぼすのか、詳細は不明で明らかになっていなかった。
東洋ライスらは、これにより、主食であるごはんの選択肢として、白米や玄米だけでなく、亜糊粉層を残したタイプの米など、消費者の嗜好に合わせた栄養と食味を両立する米の普及拡大や、消費者の健康増進に新たな可能性を見出していけるとしている。
今回の研究成果は、12月2日、3日に開催された「日本食品免疫学会設立20周年記念学術大会」でも発表されている。
東洋ライスらは、これにより、主食であるごはんの選択肢として、白米や玄米だけでなく、亜糊粉層を残したタイプの米など、消費者の嗜好に合わせた栄養と食味を両立する米の普及拡大や、消費者の健康増進に新たな可能性を見出していけるとしている。
今回の研究成果は、12月2日、3日に開催された「日本食品免疫学会設立20周年記念学術大会」でも発表されている。
健康を作る新たな米消費の形に注目
東洋ライスと研究グループでは、まず玄米の組織である糠層、亜糊粉層に含有される食物繊維やオリゴ糖が腸内の有益な細菌を増加させ、腸内環境を向上させるプレバイオティクスとして機能するのではないかとの仮説を立てた。
この仮説のもと、マウスに米画分をそれぞれ摂取させ、糠層、亜糊粉層、胚乳の腸内細菌に対する各影響を明らかにすることを目指した。
C57BL/6マウスを、比較群としてのコントロール群、糠層摂取群、亜糊粉層摂取群、胚乳摂取群の4群に分けて実験を開始、長野県産コシヒカリの各米画分を90分浸漬した後に炊飯し、乾燥させたものを飼料としたという。
コントロール群には通常飼料のみ、糠層群、亜糊粉層群、胚乳摂取群には、通常飼料にそれぞれの画分を5%配合した飼料を、1日マウス1匹あたり5g摂取させていった。摂取開始から8週間後、マウスから盲腸内容物を採取し、次世代シーケンサーによってα多様性と腸内細菌叢組成の解析を実施している。
この仮説のもと、マウスに米画分をそれぞれ摂取させ、糠層、亜糊粉層、胚乳の腸内細菌に対する各影響を明らかにすることを目指した。
C57BL/6マウスを、比較群としてのコントロール群、糠層摂取群、亜糊粉層摂取群、胚乳摂取群の4群に分けて実験を開始、長野県産コシヒカリの各米画分を90分浸漬した後に炊飯し、乾燥させたものを飼料としたという。
コントロール群には通常飼料のみ、糠層群、亜糊粉層群、胚乳摂取群には、通常飼料にそれぞれの画分を5%配合した飼料を、1日マウス1匹あたり5g摂取させていった。摂取開始から8週間後、マウスから盲腸内容物を採取し、次世代シーケンサーによってα多様性と腸内細菌叢組成の解析を実施している。
その結果、腸内細菌のα多様性に関しては、亜糊粉層摂取群で、多様性を示す指標のOTU、ACE、Chao1がコントロール群に比べ、有意な増加傾向を示すことが判明し、糠層摂取群と比べても高い値を示すことが確認された。
また、腸内細菌叢の組成を解析した結果では、科レベルにおいて糠層摂取群でBacillaceaeの割合が、亜糊粉層摂取群ではLactobacillaceaeの割合が、それぞれコントロール群と比較して増加していると分かった。
種レベルでは、糠層摂取群でBacillus licheniformisが、亜糊粉層摂取群ではLactobacillus gasseriが顕著に増加していることも判明した。
これらから糠層および亜糊粉層で増加した菌種は、いずれもプロバイオティクスとして用いられるものであり、米糠画分がプレバイオティクスとして機能するものと考えられた。
東洋ライスでは、独自の加工技術により、亜糊粉層を含む糠成分を美味しく摂取できる、米粒表面に亜糊粉層を残したタイプの白米である「金芽米」、玄米粒表面の硬く防水性の高いロウ層を除去した玄米の「金芽ロウカット玄米」といったものを開発、「医食同源米」として広く提供を進めてきている。
これらの米の継続摂取により、体調が良くなった、お通じが改善したといった主観的感想は多く得られていたが、今回の研究により、腸内細菌叢へのアプローチという観点から、その健康機能性を実証できる可能性があると考えているとした。
同社では今後も医療費の増大、食糧自給率低下、米生産者不足など、米と食、健康をめぐる問題の改善へ向けた一助となるよう、研究と製品提供を推進していくとしている。
(画像はプレスリリースより)
種レベルでは、糠層摂取群でBacillus licheniformisが、亜糊粉層摂取群ではLactobacillus gasseriが顕著に増加していることも判明した。
これらから糠層および亜糊粉層で増加した菌種は、いずれもプロバイオティクスとして用いられるものであり、米糠画分がプレバイオティクスとして機能するものと考えられた。
東洋ライスでは、独自の加工技術により、亜糊粉層を含む糠成分を美味しく摂取できる、米粒表面に亜糊粉層を残したタイプの白米である「金芽米」、玄米粒表面の硬く防水性の高いロウ層を除去した玄米の「金芽ロウカット玄米」といったものを開発、「医食同源米」として広く提供を進めてきている。
これらの米の継続摂取により、体調が良くなった、お通じが改善したといった主観的感想は多く得られていたが、今回の研究により、腸内細菌叢へのアプローチという観点から、その健康機能性を実証できる可能性があると考えているとした。
同社では今後も医療費の増大、食糧自給率低下、米生産者不足など、米と食、健康をめぐる問題の改善へ向けた一助となるよう、研究と製品提供を推進していくとしている。
(画像はプレスリリースより)