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日本人の健康関連QOL、7年間で一貫して低下傾向
2026.05.08
広島大学は4月30日、同大学大学院医系科学研究科の疫学・疾病制御学平子哲夫客員教授、秋田智之講師、杉山文講師、田中純子特任教授、福間真悟教授らの研究グループが、2017年度、2020年度、2024年度に実施された全国ランダムサンプリング調査を用い、日本人成人の健康関連QOLにおける時系列変化を分析したと発表した。
全国大規模調査で判明
広島大学は4月30日、同大学大学院医系科学研究科の疫学・疾病制御学平子哲夫客員教授、秋田智之講師、杉山文講師、田中純子特任教授、福間真悟教授らの研究グループが、2017年度、2020年度、2024年度に実施された全国ランダムサンプリング調査を用い、日本人成人の健康関連QOLにおける時系列変化を分析したと発表した。
COVID-19の流行中を含む全国大規模調査の解析で、こうした分析研究が国レベルで実施されたものは国内外を見ても例がなく、世界的にも貴重な知見を提供するものになるとされている。
研究の成果は国際学術誌、「Scientific Reports」に4月9日付で掲載された。
日本では、高齢化の進行や労働環境の変化、慢性疾患の増加に加え、COVID-19の影響など、国民の健康状態に影響を及ぼす要因が複雑化してきている。
健康関連QOL(HRQoL)は、疾病負担や生活の質を標準化した総合的評価指標として広く用いられており、統合的な健康・医療政策や地域施策などにおいて、参照の重要性が高まっている。
一方で、全国規模のランダムサンプリングに基づいた時系列データはきわめて限られ、小標本を含む都道府県別の変化を高い精度で把握した研究などはほとんど例がない。
今回の研究では、2017年度、2020年度、2024年度に実施された、一般住民対象の肝炎ウイルス検査受検状況調査に含まれるHRQoL項目をもとに解析を実施している。対象は20~85歳の日本人成人で、層化二段抽出法による全国ランダムサンプリングで調査を進めた。
有効回答数は2017年度が10,204人、2020年度が8,810人、2024年度が4,428人となっている。HRQoLについては、標準化された国際的な健康関連QOL指標とされるEQ-5D-3Lの日本語版を用いた。性・年齢調整のほか、経験的ベイズ法による小標本の不安定性補正がなされている。
COVID-19の流行中を含む全国大規模調査の解析で、こうした分析研究が国レベルで実施されたものは国内外を見ても例がなく、世界的にも貴重な知見を提供するものになるとされている。
研究の成果は国際学術誌、「Scientific Reports」に4月9日付で掲載された。
日本では、高齢化の進行や労働環境の変化、慢性疾患の増加に加え、COVID-19の影響など、国民の健康状態に影響を及ぼす要因が複雑化してきている。
健康関連QOL(HRQoL)は、疾病負担や生活の質を標準化した総合的評価指標として広く用いられており、統合的な健康・医療政策や地域施策などにおいて、参照の重要性が高まっている。
一方で、全国規模のランダムサンプリングに基づいた時系列データはきわめて限られ、小標本を含む都道府県別の変化を高い精度で把握した研究などはほとんど例がない。
今回の研究では、2017年度、2020年度、2024年度に実施された、一般住民対象の肝炎ウイルス検査受検状況調査に含まれるHRQoL項目をもとに解析を実施している。対象は20~85歳の日本人成人で、層化二段抽出法による全国ランダムサンプリングで調査を進めた。
有効回答数は2017年度が10,204人、2020年度が8,810人、2024年度が4,428人となっている。HRQoLについては、標準化された国際的な健康関連QOL指標とされるEQ-5D-3Lの日本語版を用いた。性・年齢調整のほか、経験的ベイズ法による小標本の不安定性補正がなされている。
低下傾向は就労世代に顕著
全国平均で見たHRQoLの値の推移は、2017年度が0.9133、2020年度で0.8977、2024年度では0.8834と、この7年間で緩やかながら一貫して低下傾向にあった。
性別・世代別で分析を重ねると、とくに男性の40~69歳、女性の30~59歳で統計的に有意な低下が認められ、就労世代でのQOLの低下が顕著と判明している。
何らかの問題がある回答者において、どのような要素がとくに強く機能しているか調べたところ、「移動の程度」や「身の回りの管理」、「普段の活動」といった要素に比べ、「痛み/不快感」、「不安/ふさぎ込み」の影響が大きかった。
都道府県別の傾向について、経験的ベイズ法による推定で比較検討を行ったところ、推計値では2017年度のトップが沖縄県、2020年度はトップが兵庫県、2024年度では鹿児島県がトップとなった。反対に下位では、2017年度で宮城県、2020年度で秋田県、2024年度で岡山県が47位になった。
多少の値の差は見られたものの、ほぼ全ての都道府県で7年間のHRQoL値は低下傾向となっており、これは地域差を含めた全国的な傾向であることが確認されている。
研究グループでは、今回の成果について、世界的にも貴重な国レベルでのCOVID-19流行前中後を含む7年間のHRQoL値を比較した初の大規模研究として意義が大きいとし、結果も注目すべきものがあるとした。
COVID-19流行時には、医療サービス利用の減少や身体活動量の低下、食事の摂取を含む日常生活の変化、メンタルヘルスの悪化など、通常とは異なる多くの要素が生まれ、それらの間接的影響が報告されている。
今回の研究結果はその因果関係を直接検証するものではないが、就労世代での顕著なHRQoLの低下は、こうした行動や社会的変化の累積的影響を反映している可能性があり、またそれが緩やかな低下傾向として継続されていることに注意が必要だとまとめた。
さらに都道府県別の状況把握は、今後、自治体の健康・医療政策立案に有用なものになると考えられ、継続的に健康関連QOLのモニタリングを行うための手法が開発されたことについても、意義深いとしている。さらなるモニタリングと低下原因についての深い分析の必要性も示された。
(画像はプレスリリースより)
都道府県別の傾向について、経験的ベイズ法による推定で比較検討を行ったところ、推計値では2017年度のトップが沖縄県、2020年度はトップが兵庫県、2024年度では鹿児島県がトップとなった。反対に下位では、2017年度で宮城県、2020年度で秋田県、2024年度で岡山県が47位になった。
多少の値の差は見られたものの、ほぼ全ての都道府県で7年間のHRQoL値は低下傾向となっており、これは地域差を含めた全国的な傾向であることが確認されている。
研究グループでは、今回の成果について、世界的にも貴重な国レベルでのCOVID-19流行前中後を含む7年間のHRQoL値を比較した初の大規模研究として意義が大きいとし、結果も注目すべきものがあるとした。
COVID-19流行時には、医療サービス利用の減少や身体活動量の低下、食事の摂取を含む日常生活の変化、メンタルヘルスの悪化など、通常とは異なる多くの要素が生まれ、それらの間接的影響が報告されている。
今回の研究結果はその因果関係を直接検証するものではないが、就労世代での顕著なHRQoLの低下は、こうした行動や社会的変化の累積的影響を反映している可能性があり、またそれが緩やかな低下傾向として継続されていることに注意が必要だとまとめた。
さらに都道府県別の状況把握は、今後、自治体の健康・医療政策立案に有用なものになると考えられ、継続的に健康関連QOLのモニタリングを行うための手法が開発されたことについても、意義深いとしている。さらなるモニタリングと低下原因についての深い分析の必要性も示された。
(画像はプレスリリースより)
参考文献・サイト
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