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転職ノウハウ

2022.06.23

産婦人科・レディースクリニックで働く管理栄養士・栄養士のお仕事!

カバー画像:産婦人科・レディースクリニックで働く管理栄養士・栄養士のお仕事!

こんにちは!管理栄養士の渡部 早紗です。

妊娠・出産を経て新しい命が誕生したり、女性特有の疾患に対応する産婦人科。近年はレディースクリニック・ウィメンズクリニックなどと表現することもありますが、転職先として気になっている人もいるのではないでしょうか?

産婦人科といえば、お祝い膳のイメージが強いですが、他にはどのような仕事をしているのか気になりますよね。

そこで今回は、産婦人科で働く管理栄養士・栄養士のお仕事内容について解説していきます!

勤務時間や待遇についても詳しく説明しますので、産婦人科が気になる方や、転職を検討されている方はぜひ参考にしてくださいね。

1.産婦人科で働く管理栄養士の役割と仕事内容とは?

役割

産婦人科で働く管理栄養士の役割は、妊産婦さんや赤ちゃん、女性特有の疾患がある方のために、適切な栄養サポートを行うことです。

産婦人科系は大きく3種類に分けられます。

・産科

妊娠、出産、産後をメインに診療

・婦人科
女性特有の疾患や不妊などに関わる診療

・産婦人科
産科と婦人科の両方を兼ね備えた診療

最近では、分娩を行っていないものの、妊婦健診や産後の管理は行っている婦人科もあるため、業務内容は医療機関によってさまざまです。  

妊娠・出産は病気では ありませんが、つわりにより食事が十分にできない人や、反対に体重増加に悩む方も多いので、母体と赤ちゃんのために食や栄養への関与が不可欠です。

ほかにも、妊娠高血圧や妊娠糖尿病などの疾患を抱えた方の栄養サポートや、切迫早産や妊娠悪阻により長期入院する方一人ひとりに合わせた給食の提供も求められます。

そして、近年の産婦人科の食事で注目されている「お祝い膳」。出産する病院を選ぶ決め手の一つにもなりますので、予算の範囲内で病院のイメージアップができる献立を提案することも、大切な役割の1つです。

仕事内容

産婦人科の仕事内容は、大きく分けて「栄養管理」「栄養指導」「献立作成」の3つがあります。
*栄養管理
食物アレルギーがある方や、妊娠高血圧症、妊娠糖尿病などの疾患がある方、切迫早産や妊娠悪阻で長期入院している方など、妊娠期特有の知識を用いた栄養管理を行います。

*栄養指導
疾患がある妊婦さんに個別指導を行ったり、体重コントロールに悩んでいる妊婦さんには、食生活の改善に向けた指導も行います。婦人科においては、例えば不妊治療をされているご夫婦に対して、健康的な体づくりのための個別指導を行うこともあります。

また、病院で母親学級や両親学級がある場合には、集団指導を行うこともあります。集団指導では、妊娠中に積極的に摂りたい栄養素や、反対に控えたい食事など、全体に関わる内容を伝えることが多いです。

*献立作成
入院されている方の状態に合わせた献立作成に加え、お祝い膳に力を入れているところでは、料亭やフレンチのフルコースのような豪華で華やかなメニュー作成を行います。

また、病院によっては調理業務も任せられることもありますし、病床数が少ない病院やクリニックでは、買い出しから配膳、後片付けまで給食業務全般を任せられる場合もあります。

産科のないクリニックでは、受付業務や事務作業も行うなど、仕事の範囲は病院によってさまざまです。

2.産婦人科における栄養士の給与やお休みなどの待遇面

転職活動において気になることが、給与やお休みなどの待遇面ですよね!ここでは平均的な給与や勤務時間、お休みについて解説します。

給与

歯科医院で働く管理栄養士・栄養士の給与の平均は以下のとおりです。
・正社員
月収:18万~25万
年収:250万~320万
一都三県や大阪、名古屋など物価が高い地域になると20万円以上となる場合が多い傾向です。

勤務時間

勤務時間は、厨房業務の有無によって異なる場合が多いです。

厨房を委託に任せているところは8:30~17:30、9:00~18:00の勤務が一般的。

直営で厨房に入る場合はシフト制になることも多いので、求人でしっかりと確認しましょう。

シフト制の場合、早番の日の出勤時間は朝の6:30~となる場合が一般的です。遅番の時間帯は病院によってさまざま。19:00までの職場がある一方、妊産婦さんに夜食を出す病院などでは、勤務が21:00までになることもあります。夜勤はないところがほとんどです。

お休み

お休みは、シフト制のところが多い傾向です。4週8休、年間休日は110日以上の求人が多く見受けられます。

3.産婦人科で特に求められる知識とスキルとは?

産婦人科で求められるものは、主に3つです。

栄養バランスと見た目にこだわった献立スキル

入院中の楽しみの1つにある食事。最近は、SNSで「こんなお祝い膳でした!」と食事内容がアップされることも増えたので、妊産婦さんの関心も高まっています。

お祝い膳では、美味しそうな盛り付けや特別感など、ホテルや料亭の雰囲気を出すテクニックも求められますね。

妊娠期・授乳期・女性特有の疾患の知識

妊娠高血圧症や妊娠糖尿病の知識はもちろん、妊娠悪阻や切迫早産の理解も必要です。女性特有の疾患は、たとえば乳がん、子宮がん、卵巣がん、乳腺症、子宮内膜症、子宮筋腫などが挙げられます。

いずれも学校では細かく習う機会が少ない分野ですので、自ら学習し習得することが求められます。

傾聴力・共感力

特に初めての妊娠・出産は不安ですし、自分の健康だけでなく、赤ちゃんへの影響を気にしてしまうもの。

ほかにも、ホルモンの変化によって落ち込みやすくなるなど精神面にも変化が起こることも多く、つわりによって思うように食べられない、体重のコントロールがうまくいかないなど、食に関わる悩みやモヤモヤが起こりやすい場合もあります。

そのため、妊産婦さんは「これは食べてもいいの?」「食べる量を増やすべき?」など、普段に増して食や栄養について注意を払っている場合がほとんどです。

また、婦人科では、女性特有の疾患からナイーブになり「なんとか良くなりたい…」と切実に思っている患者さんが多いため、想いを理解し、寄り添うことも大切です。

産婦人科や婦人科の管理栄養士・栄養士として、単に食事指導をするだけでなく、妊産婦さんや患者さんの心の状態を把握して、不安を感じている相手の気持ちに寄り添ったサポートをするスキルが必要です。

4.産婦人科でのやりがい・メリット とは?

産婦人科で働くやりがいは、新しい生命の誕生を栄養とメンタルの両方からサポートできること。

妊娠・出産という大切なステージを迎える女性と、その赤ちゃんのために栄養管理をするのは、産まれた赤ちゃんに対する、最初の食生活のサポートにも関われるということ。出産時から、健康的な食生活の土台ができると、将来の健康につながりますよね。

また、工夫して作ったお祝い膳で、多くの新しい命の誕生をお祝いできるのは、産婦人科ならではですね。さらに、病院を選ぶ基準の一つに食事が含まれるということは、それだけ管理栄養士・栄養士に期待されている部分が大きいことの表れでもあります。

分娩がないクリニックでは、女性に特化した栄養ケアができます。不妊治療や婦人科系疾患などの専門性を極めることで、特定の悩みを抱えた患者さんのお役に立つことが可能です。

「婦人科系のプロ」という強みを持つことで、まだ栄養士・管理栄養士の介入が少ない分野で活躍することができますね!

5.まとめ

女性の新しいステージとお腹に宿った新しい命を、食とメンタルからサポートできる産婦人科の管理栄養士・栄養士。

まだまだ人員が少ないので、転職の求人では、即戦力になるよう「病院での経験」もしくは「産科経験」を求められることが多いです。もし産婦人科での経験を積みたくて未経験OKの募集があれば、積極的に動いていきましょう!

とはいえ、産婦人科やレディースクリニックの求人は元々多いわけではありません。

求人が出たらすぐに案内が届くように、本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』に登録しておくとスムーズです!

転職は情報集めとスピード感がカギ。ぜひ栄養人材バンクを活用してくださいね。


参考文献・サイト

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渡部 早紗

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