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2022.04.20

2022.07.12

児童福祉施設で働く管理栄養士・栄養士とは?~児童養護施設での役割と働き方~

カバー画像:児童福祉施設で働く管理栄養士・栄養士とは?~児童養護施設での役割と働き方~

こんにちは。管理栄養士のなつめももこです。

この記事にたどり着いたあなたは、「児童福祉施設で過ごす子どもたちへ家庭的な料理やあたたかさを届けたい」と転職を検討されているのではないでしょうか。

しかし、児童福祉施設で管理栄養士・栄養士が具体的にどのような仕事をしているのか…イメージがわかない点も多いですよね。

今回は、児童福祉施設で働く管理栄養士・栄養士の仕事についてご紹介します。栄養、食育のプロとして施設の子どもたちへ何ができるのか、考える機会にしてみましょう。

1.児童福祉施設とは?

児童福祉法第七条によると「児童福祉施設」とは、以下のように定義されています。
児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センターとする。
「児童福祉施設」にはこのように施設ごとに役割が異なり、多数の種類があります。

今回はこの中で「児童養護施設」についてご説明します。

2.児童養護施設とは?

児童福祉法第四十一条によると「児童養護施設」とは、以下のように定義されています。
児童養護施設は、保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、乳児を含む。以下この条において同じ。)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設とする。
このように児童養護施設とは保護者のいない子ども、虐待や育児放棄を受けている子どもを保護し、擁護する施設です。

入所者は1歳以上18歳未満の幼児・少年が主で、入所理由の65%が虐待によるものと発表されています。

また、児童福祉法の職員配置基準により「栄養士」の配置が必須と決められています。子どもが育つ施設においてやはり食事・食育の面で管理栄養士・栄養士の力が必要です。

3.児童養護施設における管理栄養士・栄養士の役割は?

役割

児童養護施設における管理栄養士・栄養士は「養育者」としての役割があります。ただ単においしくて健康的な食事を提供するのではなく、施設のスタッフ全員で子どもたちの心と身体の成長・発育を支えていくことが重要です。

養育をしていく上で、管理栄養士・栄養士が中心となり進めていくことの一つが「食育」です。

まず、施設内での成長過程ごとに目標を立て「施設の食育の計画」を職員全員で共有します。そして子どもたちが将来施設を退所し、自立して生活していくことを考慮して「食生活の自立支援」を進めていく必要があります。

実際に食事をとり、適切な健康状態を維持するために「食事提供の計画」も重要です。

「食育の計画」「食生活の自立支援」「食事提供の計画」の三つの柱をもって食育を推進し「自立した健康な食生活」をサポートします。

仕事内容

「児童一人ひとりに栄養アセスメントを行い、適切な食事提供と食育を推進すること」が、児童養護施設で働く管理栄養士・栄養士の仕事です。

具体的な仕事内容は以下の通りです。
・食事計画の作成
・栄養管理
・献立作成
・調理
・食材の発注
・衛生管理
他には、子どもたちに食事マナーについて教えたり、料理や買い出しを一緒に行ったりするなど、食に関すること全般を率先して行います。

施設の規模や方針により仕事内容は異なりますが、子どもたちとコミュニケーションをとり会話や遊びを通して信頼関係を築くことも重要です。

待遇

児童養護施設で働く管理栄養士・栄養士の待遇の一例をご紹介します。
・正社員
月給
 ⇒17万〜22万
年収
 ⇒250万〜400万
勤務時間
 ⇒6:00〜19:00の間に8時間労働(休憩60分)
お休み
 ⇒週休2日、夏季休暇、冬季休暇

・パート、アルバイト
時給
 ⇒1,000〜1,500円
施設により待遇が異なりますので、求人情報や面接時に詳しく確認することをおすすめします。

4.児童養護施設のやりがい、大変なこと

やりがい

児童養護施設は施設で暮らす子どもたちにとって生活する家であり、そこで働く管理栄養士・栄養士は子どもたちの養育者です。

一人ひとりの成長を見届け、巣立っていくまで愛情を持って毎日一緒に過ごせることにあなたもやりがいを感じるでしょう。

また、入所までに「あたたかい家庭のご飯」を食べたことがない子どもたちも「ほっとする食事の時間」を知らない子どもたちもいます。

管理栄養士・栄養士が中心となり「心も身体も満たされる食事」を子どもたちに楽しんでもらいましょう。日々のあたたかな食卓が子どもたちにとって大切な時間になります。

「こんな食事なら喜んでくれるかな」「これなら一緒に作れるかな」など、子どもたちの笑顔ためにアイディアを出し、成功したときの感動はひとしおですね。

そして、子どもたちが成長し、施設を退所したあとに「育ってきた味」として食事を思い出してもらえることも「管理栄養士・栄養士の仕事ならでは」のやりがいですよ。

大変なこと

児童養護施設に入所する子どもたちの背景はさまざまです。

保護者からの虐待を受けて入所する子どもたちも少なくないため、子どもたちの気持ちを受け止める責任感が問われます。

また、子どもたちが施設を巣立っていくまでの自立支援をするには「子どもが好きだから」という気持ちだけでは務まらない面もあります。他職種との連携も重要なため、良好な関係を築くためのコミュニケーション能力も必要です。

責任を持って働くために、あらかじめ施設を見学することもおすすめです。施設で過ごす子どもたちの様子やスタッフの姿を見て、自分に務まるか、何ができるかを考えておくとよいでしょう。

先輩管理栄養士・栄養士さんのご意見もぜひ参考にしてみてくださいね。

児童養護施設&乳児院の栄養士

5.まとめ

児童養護施設で働く管理栄養士・栄養士は「養育者」として、入所する子どもたちの成長過程を見守り、支える使命があります。

入所に至った背景、年齢、性格もバラバラな子どもたちを育てることは決して容易ではありません。しかし、心を通わせて働く分、やりがいを感じられます。

児童養護施設は全国的にみても施設数が多くなく、求人数も少ない傾向にあります。こまめにチェックして、求人を見逃さないようにしておきましょう。

栄養士人材バンクでも取り扱いがありますので、児童養護施設への転職をお考えの方は、まずはご相談くださいね。



参考文献・サイト

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なつめ ももこ

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