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2024.09.12

管理栄養士・栄養士の自己PRの書き方を解説!転職に有利なアピールポイントの作り方

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こんにちは、管理栄養士の渡部 早紗です。

転職活動において、苦手でも避けて通れないものが自己PR。

正直、「自己PRが得意です!」という人は少ないのではないでしょうか?
「経験が少ないし実績もないから自己PRできることがない…」とペンが止まってしまう人も多いのでは…?

新卒の就職と異なり、仕事におけるアピールポイントが求められる転職の自己PRは難易度が高く、ネットで調べても「例文のレベル、高すぎ…」と尻込みしてしまいますよね。

そこで今回は管理栄養士・栄養士の方向けに、履歴書や職務経歴書だけでなく、面接でも使える自己PRの作り方についてお伝えします!

私自身、前職で面接補佐の経験があり、たくさんの自己PRに触れてきた中で「この経験もアピールポイントになるんだ!」という気づきがありましたので、例を交えながら解説していきますね。

1.管理栄養士・栄養士が自己PRを作るたった2つの前準備

では、自己PRを作る前に、事前に2つの準備をしておきましょう。

多くのサイトで「まずは自己分析!」と書かれていますが、その自己分析の方法でつまづく方もいるのでは…?

でも安心してください!そんな方のために、ここではたった2ステップの自己分析について解説していきます。

自分を分析するとはいえ、やってみるとそこまで難しくないので、ノートとペンを用意して書いていきましょう!

1)自己分析 自分の強みと弱みを書き出す

まずは自分の長所と短所、つまり強みと弱みを書き出していきます。

…とはいっても、「いやいや、ナルシストじゃないし、強みとかないし~」 と思う人が多いのではないでしょうか?

ここでの強みは、ちょっと頑張っていることや、仕事において心がけているものなど、思いついたものをどんどん書いていくだけでOKです。

例えばこんな強みがあります。
真面目/責任感がある/明るい/誰とでも仲良くできる/慎重/前向き/気配りができる/協調性がある/負けず嫌い/勉強熱心
このように、普段の仕事での状況を思い出しながら書いてみます。

「本当にない!短所しか思い浮かばない!」と思う人は、その短所を長所に変換してみましょう。
例えば
・「せっかち」⇒「時間内にやり遂げる」
・「何でも悩みがち」⇒「責任感が強く、深く考える」
となりますよ。

「自分の長所を考えるのは恥ずかしい…」と思った場合は、「友達の長所を探す」といった感覚で見つけてみましょう。自分のことを客観的に考えてみると、気づきやすくなりますよ。

2)成功体験や創意工夫したこと

次に、仕事で評価されたことやうまくいったこと、創意工夫したことを挙げていきます。

職場内で具体的に評価された、役職についた、何か賞をもらった、という場合は、実績として書けますが、勤務年数が少ない場合は特に、実績がある人って少ないですよね。

そういう時は、仕事で人から褒められたことや、工夫した点など、少しでも上手くいったことを挙げてみましょう。どんなに小さなことでもOKです!

「思いつかない…」と悩んだ場合は、自分の1日の仕事内容を順に書き出してみると気づきやすいですよ。

1つ1つの仕事において、意識していることや、ミスやアクシデントを起こさないように工夫して上手くいったことを思い出していきます。

例えば
「調理師さんに野菜の切り方が分かるような掲示物を作った」
「感染対策として、こんな工夫を提案した」
「盛り付けのときは山高に美しく盛るようにする」
「配膳チェックでミスがないようにこんな確認をしている」

などです。

これくらいなら、出来そうな気がしませんか?

2.管理栄養士・栄養士が自己PRを作るときのポイント

では、自分の長所と成功体験を挙げたところで、自己PRを作っていきましょう!

1)自己PRの構成

まずは先ほど挙げた長所の中から、応募先で活かせるものを選びます。次に、応募先のサイトで理念や取り組み、仕事内容をチェックして、自分の強みと成功体験に、応募先の特徴を絡めた自己PRを作成します。

自己PRの構成は、
1.自分の強み
2.裏付けとなるエピソード
3.応募先の特徴や理念に沿った貢献ができる

といった順で書いていきます。

エピソードや応募先の特徴が先にくると、自己PRがぼやけてしまうので、まず自分の強みを書くことがポイントです。

自分の強みは、一つまたは二つに絞ることで、「○○さんはこんな強みがある人!」と印象深くなりますよ。

次に、裏付けとなるエピソードを書いて、自分のアピールポイントが事実であると説得。実際の言葉を入れると、より具体性が増します

そして、アピールポイントを応募先でどのように活かせるのかお伝えすることで、採用後をイメージされやすくなります。

自己PRとは、応募先で役に立つことをアピールする場。強みや成功体験を踏まえて「自分はこんなことでお役に立てます」とアピールしましょう!

2)自己PRの例文

前述を元にして、例文をみていきましょう。

1:【例文】協調性

私の強みは、状況を把握し、常に相手のことを考えて行動できるところです。

前職では、調理員の悩みや要望を積極的に引き出し、解決に努めることで業務が円滑に進むよう心がけました。その結果、「辞めようと思ったが相談に乗ってもらえたので続けようと思った」と感謝の言葉をいただきました。また、初心者にも分かりやすいように切り方を説明する掲示物を作成し、調理員が作業しやすい環境づくりにも取り組みました。

この経験を活かして、貴院では、患者様のことを考えて、悩みに寄り添った栄養指導ができる管理栄養士/栄養士として貢献してまいります。

2:【例文】計画性

私の強みは計画性です。前職では、調理員が慢性的に不足していました。そのため、期日の3日前には余裕を持って献立作成と発注を完了させ、調理や盛り付けも対応していました。

前職で培った計画性を活かして、貴院では栄養指導やミールラウンドなど、幅広い業務で貢献してまいります。

3:【例文】課題解決力

私の強みは課題解決力です。前職で給食の献立作成を担当していた際、納品ミスにより食材が不足するトラブルが発生しました。急遽、代替食材を提案し、献立を修正することで、時間内に提供することができました。

貴社の業務においても、柔軟な対応力で貢献してまいります。

4:【例文】創造力

私の強みは創造力です。前職の保育園では、豆ごはんが苦手な子供が多かったため、園児と一緒にグリンピースのさや取りを行う工夫をしました。その結果、残飯量が70%から15%に減少しました。

貴院でも、創造力を活かして効果的な栄養指導を提案してまいります。

3)自己PRに使える意外な経験

新卒の場合、あまり経験がなくてPRするものがない…と気後れしがちですよね。

ですが、自分にとっては強みと思っていないことも、立派なアピールポイントになることが他にもあります。ここでは、よくあるシフト管理盛り付け業務の経験を例に自己PRに活かす方法をご紹介します。
*シフト管理
協調性
休みの希望など、複数の意見をまとめる

状況把握能力
調理員それぞれのスキルを加味してシフトを管理した

計画性
時間内に給食が提供できるようにシフトを考えた


*盛り付け業務
向上心
食欲が湧くように盛り付けの美しさを工夫した

責任感
時間内に必ず盛り付けができるように心がけている

慎重
盛り付けで異物混入が起こらないように工夫している
このように、さまざまな切り口でみていくと、実はPRできる点がたくさんありますよね。

「こんな経験を書いてもいいのかな…」と遠慮するのはもったいないです!採用側から見ると、「小さな仕事も大切に取り組んできた人」というプラスな印象になるんですよ。

3.管理栄養士の自己PRに関するQ&A

自分の経験を自己PRに変換するときに、困ってしまうのが、委託給食会社から病院へ転職する場合など別の領域の転職。

ここでは、困ってしまいがちな事例への解決策を提案していきます。
Q1. 委託で病院/業務は事務作業のみ(発注検品、献立作成、書類作成など)。調理現場に関わっていません。何をどのようにアピールしたらよいでしょうか…?
A.大枠の強みは、献立作成と発注ができる、事務作業ができる点ですね。事務作業の効率化のために、工夫したことや、勉強したことなどがあれば、それも強みです!パソコンでの事務作業はお任せください! と伝えると即戦力として重宝されます。

応募先で調理作業がある場合は、体力があることや、協調性があることをアピールするといいですね。

ほかにも、希望業界によっても自己PRは以下の通りさまざまです。
■病院
献立作成をしているので、特別食も対応できることが強み。献立の組み合わせや量が分かっているので、具体的な栄養指導ができることもアピールポイントになります!

■介護施設
献立作成から発注、事務作業ができる点が強み。高齢者向けの献立作成の経験がある場合は、工夫した点を盛り込みましょう!

■保育園
保育園では、1人~2人で仕事をすることが多いので、人に頼らずに自分で考えて行動する場合がほとんどではないでしょうか?そのため、責任感を持って業務ができる ことも立派なアピールポイントです!
参考にしてみてくださいね!
Q2. 新卒で学校の栄養教諭に就きました。介護施設や病院で働きたいのですが、役立てられる経験が思いつきません…。
A.栄養教諭として、役立てられる経験は沢山あります!
献立作成や発注
責任感を持って一人で行うことができる

調理師さんとのコミュニケーション
コミュニケーション力とリーダーシップがある

アレルギー食への対応
責任感を持って慎重に仕事ができる

野菜の傷みや納品のミスによる急な献立変更への対応
臨機応変に対応できる

食育の授業
利用者様や患者様に分かりやすく指導ができる

先生たちと連携して授業を行う
他職種で協調性を持って仕事ができる
見方を変えると、栄養教諭の仕事で介護施設や病院で役立てられるものが沢山ありますよ!

毎日の仕事内容を振り返ってみましょう。
Q3.新卒で 調剤薬局/歯科医院/無床クリニック に就職しました。事務や雑務メイン、たまに栄養相談(加算とってない)だと未経験扱いされると聞きますが、何をアピールしたら良いでしょうか…?
A.私自身、一度事務職に転職後、管理栄養士として再度転職しました。そこでアピールしたことが「事務職ができる管理栄養士」であること。

例えば、書類が見やすいと褒められた、Excel関数を勉強して事務作業の効率化を図ったなど、仕事の丁寧さや効率化をアピールしました。

ほかにも、雑務をする人は自然と「気配りする力」が芽生えているはず。自主的に行った掃除や書類の整理などで心がけていることをアピールしましょう。

栄養指導は、加算の有無や件数は気にせず、工夫したことをアピールするといいですよ!

4. まとめ ~先輩管理栄養士からのアドバイス~

今回は、管理栄養士・栄養士の自己PRについて紹介しました。

お伝えしたように、自分の強みや褒められたことを書き出す前準備をすることで、自己PRが書きやすくなりますし、PRに深みが出ます。

私自身、自己PRがとても苦手だったので、まずは自分の強みを考える作業を大切にしていました。また、仕事において「このエピソードは自己PRに使えそうだな」と考えながら取り組んだことも良かったと思います。(すると、不思議と現職が楽しくなってくることも…!)

採用補佐の経験から、自己PRに具体性があり、しっかりと書かれていると、「この人を採用するとこんな感じかな」とイメージしやすくなり、採用が有利に進むと体感しました。

履歴書や職務経歴書においてメインの部分となる自己PR。じっくりと考えることで、面接においても自信を持って自分をアピールすることができますよ。

▼履歴書と職務経歴書の書き方はコチラ

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参考文献・サイト

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渡部 早紗

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