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転職ノウハウ

2022.06.23

【完全版】管理栄養士・栄養士の自己PR・アピールポイントの作り方!

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こんにちは、管理栄養士の渡部 早紗です。

転職活動において、苦手でも避けて通れないものが自己PR。

正直、「自己PRが得意です!」という人は少ないのではないでしょうか?
「経験が少ないし実績もないから自己PRできることがない…」とペンが止まってしまう人も多いのでは…?

新卒の就職と異なり、仕事におけるアピールポイントが求められる転職の自己PRは難易度が高く、ネットで調べても「例文のレベル、高すぎ…」と尻込みしてしまいますよね。

そこで今回は管理栄養士・栄養士の方向けに、履歴書や職務経歴書だけでなく、面接でも使える自己PRの作り方についてお伝えします!

私自身、前職で面接補佐の経験があり、たくさんの自己PRに触れてきた中で「この経験もアピールポイントになるんだ!」という気づきがありましたので、例を交えながら解説していきますね。

1.管理栄養士・栄養士が自己PRを作るたった2つの前準備

では、自己PRを作る前に、事前に2つの準備をしておきましょう。

多くのサイトで「まずは自己分析!」と書かれていますが、その自己分析の方法でつまづく方もいるのでは…?

でも安心してください!そんな方のために、ここではたった2ステップの自己分析について解説していきます。

自分を分析するとはいえ、やってみるとそこまで難しくないので、ノートとペンを用意して書いていきましょう!

自分の強み(長所)と弱み(短所)を書き出す

まずは自分の長所と短所、つまり強みと弱みを書き出していきます。

…とはいっても、「いやいや、ナルシストじゃないし、強みとかないし~」 と思う人が多いのではないでしょうか?

ここでの強みは、ちょっと頑張っていることや、仕事において心がけているものなど、思いついたものをどんどん書いていくだけでOKです。

例えばこんな強みがあります。
真面目/責任感がある/明るい/誰とでも仲良くできる/慎重/前向き/気配りができる/協調性がある/負けず嫌い/勉強熱心
このように、普段の仕事での状況を思い出しながら書いてみます。

「本当にない!短所しか思い浮かばない!」と思う人は、その短所を長所に変換してみましょう。
例えば
・「せっかち」⇒「時間内にやり遂げる」
・「何でも悩みがち」⇒「責任感が強く、深く考える」
となりますよ。

「自分の長所を考えるのは恥ずかしい…」と思った場合は、「友達の長所を探す」といった感覚で見つけてみましょう。自分のことを客観的に考えてみると、気づきやすくなりますよ。

仕事での成功体験や創意工夫したこと

次に、仕事で評価されたことやうまくいったこと、創意工夫したことを挙げていきます。

職場内で具体的に評価された、役職についた、何か賞をもらった、という場合は、実績として書けますが、勤務年数が少ない場合は特に、実績がある人って少ないですよね。

そういう時は、仕事で人から褒められたことや、工夫した点など、少しでも上手くいったことを挙げてみましょう。どんなに小さなことでもOKです!

「思いつかない…」と悩んだ場合は、自分の1日の仕事内容を順に書き出してみると気づきやすいですよ。

1つ1つの仕事において、意識していることや、ミスやアクシデントを起こさないように工夫して上手くいったことを思い出していきます。

例えば
「調理師さんに野菜の切り方が分かるような掲示物を作った」
「感染対策として、こんな工夫を提案した」
「盛り付けのときは山高に美しく盛るようにする」
「配膳チェックでミスがないようにこんな確認をしている」

などです。

これくらいなら、出来そうな気がしませんか?

2.強みと成功体験を絡めて応募先への自己PRを作る

では、自分の長所と成功体験を挙げたところで、自己PRを作っていきましょう!

まずは先ほど挙げた長所の中から、応募先で活かせるものを選びます。次に、応募先のサイトで理念や取り組み、仕事内容をチェックして、自分の強みと成功体験に、応募先の特徴を絡めた自己PRを作成します。

自己PRの構成は、
1.自分の強み
2.裏付けとなるエピソード
3.応募先の特徴や理念に沿った貢献ができる

といった順で書いていきます。

エピソードや応募先の特徴が先にくると、自己PRがぼやけてしまうので、まず自分の強みを書くことがポイントです。

自分の強みは、一つまたは二つに絞ることで、「○○さんはこんな強みがある人!」と印象深くなりますよ。

次に、裏付けとなるエピソードを書いて、自分のアピールポイントが事実であると説得。実際の言葉を入れると、より具体性が増します

そして、アピールポイントを応募先でどのように活かせるのかお伝えすることで、採用後をイメージされやすくなります。

自己PRとは、応募先で役に立つことをアピールする場。強みや成功体験を踏まえて「自分はこんなことでお役に立てます」とアピールしましょう!

では、例文をみていきましょう。
*自己PRの例文
私の強みは、状況を把握し、常に相手のことを考えて行動できるところです。

前職では、調理員の方と積極的に話し、悩みや要望を引き出して解決することで、円滑に業務が行えるように心がけました。
その結果、「辞めようと思ったけど相談に乗ってくれたから続けようと思った」と調理員の方から感謝の言葉をいただきました。
ほかにも、調理初心者の方にも分かりやすいように、切り方の掲示物を作って説明するなど、常に調理員の方が作業しやすい環境づくりに努めました。

この経験を活かして、貴院では、患者様のことを考えて、悩みに寄り添った栄養指導ができる管理栄養士/栄養士として貢献してまいります。



3.経験を自己PRに変換するのに困る事例と解決策

自分の経験を自己PRに変換するときに、困ってしまうのが、委託給食会社から病院へ転職する場合など別の領域の転職。

ここでは、困ってしまいがちな事例への解決策を提案していきます。
Q1. 委託で病院/業務は事務作業のみ(発注検品、献立作成、書類作成など)。調理現場に関わっていません。何をどのようにアピールしたらよいでしょうか…?
A.大枠の強みは、献立作成と発注ができる、事務作業ができる点ですね。事務作業の効率化のために、工夫したことや、勉強したことなどがあれば、それも強みです!パソコンでの事務作業はお任せください! と伝えると即戦力として重宝されます。

応募先で調理作業がある場合は、体力があることや、協調性があることをアピールするといいですね。

ほかにも、希望業界によっても自己PRは以下の通りさまざまです。
■病院
献立作成をしているので、特別食も対応できることが強み。献立の組み合わせや量が分かっているので、具体的な栄養指導ができることもアピールポイントになります!

■介護施設
献立作成から発注、事務作業ができる点が強み。高齢者向けの献立作成の経験がある場合は、工夫した点を盛り込みましょう!

■保育園
保育園では、1人~2人で仕事をすることが多いので、人に頼らずに自分で考えて行動する場合がほとんどではないでしょうか?そのため、責任感を持って業務ができる ことも立派なアピールポイントです!
参考にしてみてくださいね!
Q2. 新卒で学校の栄養教諭に就きました。介護施設や病院で働きたいのですが、役立てられる経験が思いつきません…。
A.栄養教諭として、役立てられる経験は沢山あります!
献立作成や発注
責任感を持って一人で行うことができる

調理師さんとのコミュニケーション
コミュニケーション力とリーダーシップがある

アレルギー食への対応
責任感を持って慎重に仕事ができる

野菜の傷みや納品のミスによる急な献立変更への対応
臨機応変に対応できる

食育の授業
利用者様や患者様に分かりやすく指導ができる

先生たちと連携して授業を行う
他職種で協調性を持って仕事ができる
見方を変えると、栄養教諭の仕事で介護施設や病院で役立てられるものが沢山ありますよ!

毎日の仕事内容を振り返ってみましょう。
Q3.新卒で 調剤薬局/歯科医院/無床クリニック に就職しました。事務や雑務メイン、たまに栄養相談(加算とってない)だと未経験扱いされると聞きますが、何をアピールしたら良いでしょうか…?
A.私自身、一度事務職に転職後、管理栄養士として再度転職しました。そこでアピールしたことが「事務職ができる管理栄養士」であること。

例えば、書類が見やすいと褒められた、Excel関数を勉強して事務作業の効率化を図ったなど、仕事の丁寧さや効率化をアピールしました。

ほかにも、雑務をする人は自然と「気配りする力」が芽生えているはず。自主的に行った掃除や書類の整理などで心がけていることをアピールしましょう。

栄養指導は、加算の有無や件数は気にせず、工夫したことをアピールするといいですよ!

4.意外な経験が自己PRに使える!

新卒の場合、あまり経験がなくてPRするものがない…と気後れしがちですよね。

ですが、自分にとっては強みと思っていないことも、立派なアピールポイントになることが他にもあります。ここでは、よくあるシフト管理盛り付け業務の経験を例に自己PRに活かす方法をご紹介します。
*シフト管理
協調性
休みの希望など、複数の意見をまとめる

状況把握能力
調理員それぞれのスキルを加味してシフトを管理した

計画性
時間内に給食が提供できるようにシフトを考えた


*盛り付け業務
向上心
食欲が湧くように盛り付けの美しさを工夫した

責任感
時間内に必ず盛り付けができるように心がけている

慎重
盛り付けで異物混入が起こらないように工夫している
このように、さまざまな切り口でみていくと、実はPRできる点がたくさんありますよね。

「こんな経験を書いてもいいのかな…」と遠慮するのはもったいないです!採用側から見ると、「小さな仕事も大切に取り組んできた人」というプラスな印象になるんですよ。

5. まとめ ~先輩管理栄養士からのアドバイス~

今回は、管理栄養士・栄養士の自己PRについて紹介しました。

お伝えしたように、自分の強みや褒められたことを書き出す前準備をすることで、自己PRが書きやすくなりますし、PRに深みが出ます。

私自身、自己PRがとても苦手だったので、まずは自分の強みを考える作業を大切にしていました。また、仕事において「このエピソードは自己PRに使えそうだな」と考えながら取り組んだことも良かったと思います。(すると、不思議と現職が楽しくなってくることも…!)

採用補佐の経験から、自己PRに具体性があり、しっかりと書かれていると、「この人を採用するとこんな感じかな」とイメージしやすくなり、採用が有利に進むと体感しました。

履歴書や職務経歴書においてメインの部分となる自己PR。じっくりと考えることで、面接においても自信を持って自分をアピールすることができますよ。

▼履歴書と職務経歴書の書き方はコチラ

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管理栄養士・栄養士×職務経歴書~魅力的な職歴書を作成するコツ~

とはいえ、自分の書いた自己PRで本当に良いのか悩んでしまうこともありますよね。

本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では、自己PRのサポートやアドバイスもできますので、筆が進まず困ったときはぜひ頼ってくださいね。

一緒にアピールポイントを考えて内定を勝ち取っていきましょう!


参考文献・サイト

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渡部 早紗

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