セカンドサイトアナリティカ株式会社（以下、セカンドサイトアナリティカ）、エクシオグループ株式会社、大和電設工業株式会社は10月31日、病院や介護施設などの医療現場向けに開発した「摂食量自動判定AI」について、特許を共同で取得したことを明らかにした。

食前・食後の画像をAIが解析し、患者の摂食量を自動推定するもので、食事摂取記録の負担を軽減し、栄養管理の質向上と業務効率化を同時に実現する。

病院や介護施設では、患者の食事摂取量を正確に把握し、関係者で情報として共有することが重要であり、疾病予防や治療を支える栄養管理において不可欠なこととなる。

しかし、実際の現場では看護師が病棟を巡回し、患者へのヒアリングや目測で摂食量を記録する方法が一般的で、あまり正確な記録がとれていない。一方で、より正確な記録作業をと思えば、大きな作業負担が生じることとなる。

そうした現場課題を解決するため、生み出されたのが「摂食量自動判定AI」だ。食前の画像と食後の画像の2枚を比較し、残量をAIが自動で推定、摂取量・栄養素などの解析を実行する。盛り付け方や食べ方の変化、バラツキなども考慮した高精度な推定が可能な点がとくにポイントとなっている。

セカンドサイトアナリティカでは、この特許技術により、医療・介護現場の業務効率化のみならず、「食事データを核とした栄養マネジメントの高度化」を図れると見込んでいる。

今後は摂食量データを電子カルテや栄養管理システムと連携させ、患者一人ひとりの栄養状態を時系列で可視化、疾病予防やリハビリ支援への応用も目指していきたいという。

摂食量の推定結果と体重・血糖・活動量などの生体データを組み合わせることにより、在宅療養者や高齢者施設における健康モニタリングにも活用できる見通しだ。

このようなデータ駆動型の栄養管理が進めば、再入院リスクの早期把握や改善指導、フレイル予防など、地域包括ケア全体での栄養支援体制強化も叶うものとなる。

3社は今後も、AI・画像解析・データ統合技術を活かし、医療や介護、生活支援領域における業務改革と社会的価値の創出を推進していきたいとした。

（画像はプレスリリースより）