調査で意識と実態のズレが明らかに
株式会社Nwithは8日、60歳以上の男女100人を対象に行った「シニアの食生活に関する調査」について結果をとりまとめて公表した。調査はインターネットリサーチ方式で2025年9月に実施されている。

まず自身の健康状態について、どの程度意識しているか全員に尋ねたところ、「非常に意識している」が16.5%、「意識している」が60.0%で、実に76.5%の人が健康を意識していた。

しかし自身の現在の食生活は栄養バランスがとれていると思うかどうか尋ねると、「非常にそう思う」は4.3%に限られ、「そう思う」も36.5%にとどまった。あわせて40.8%と、高い健康意識に対し、実際の食生活では栄養バランスがあまりとれていないと自身でも感じている人が少なくないと分かる。

健康のために摂取したい栄養素と、実際に摂取できていると感じる栄養素にギャップはあるかどうか質問すると、「大いにある」が8.7%、「少しある」が52.2%で、合計60.9%の人がギャップを感じていた。「全くない」と回答した人はわずか3.5%だった。

健康のために日頃から食生活で意識していることを尋ねると、1位は「野菜を多く摂る」の76件(66.1%)で、2位が「栄養バランス」の58件(50.4%)、3位には「規則正しい時間に食べる」の37件(32.2%)がランクインした。
以下4位は「塩分を控える」の36件、5位「タンパク質を多く摂る」の25件、6位「糖質を控える」の21件などと続いている。
以下4位は「塩分を控える」の36件、5位「タンパク質を多く摂る」の25件、6位「糖質を控える」の21件などと続いている。

とくに不足していると感じる栄養素があるか、あればそれは何か尋ねた結果では、「ビタミン」が38件(33.0%)で最も多く、次いで「食物繊維」の37件(32.2%)、3位は「鉄分」の33件(28.7%)だった。
野菜を意識して摂取しようとしているにも関わらず、ビタミンや食物繊維の不足を感じている人が多く、摂取意識と摂取量の間にズレが生じ、栄養バランスの偏りのリスクが生まれている可能性が示唆された。
野菜を意識して摂取しようとしているにも関わらず、ビタミンや食物繊維の不足を感じている人が多く、摂取意識と摂取量の間にズレが生じ、栄養バランスの偏りのリスクが生まれている可能性が示唆された。

準備負担や食費などに改善ハードル
続いて、普段の食事の準備について負担に感じることがあるかどうかを尋ねると、「頻繁に感じる」人が14.8%、「時々感じる」が34.8%で、合計49.6%と約半数の人が一定の負担を感じていた。
具体的な課題としては、「献立を考えるのが面倒」、「調理が大変」、「食材の買い出しが大変」といった声が多く寄せられたという。
具体的な課題としては、「献立を考えるのが面倒」、「調理が大変」、「食材の買い出しが大変」といった声が多く寄せられたという。

また、健康的な食事を続ける上で「食費の負担」を感じるかどうか尋ねたところ、「非常に感じる」とした人が11.3%、「やや感じる」人が38.3%となり、こちらも合計49.6%で約半数の人が食費負担を感じていた。
食事の準備負担や食費面の問題が健康的な食生活の実現を阻む壁になっている可能性がある。
食事の準備負担や食費面の問題が健康的な食生活の実現を阻む壁になっている可能性がある。

日々の食生活や生活習慣にも、高い健康意識とは違う実態のギャップがみられており、1日の食事回数では、全体の83.5%が「3食」と回答したものの、2食以下の人も15.7%にのぼった。規則正しい食習慣が十分に維持できていない人も一定数存在する。

肉や魚、卵、大豆製品といった主菜を食べる頻度については、毎日摂取している人が72.2%で多数派となったものの、週に数回以下と回答した人も27.8%あり、たんぱく質摂取の頻度や程度にばらつきがあることが判明した。

運動や体を動かす習慣についても尋ねたところ、こちらは「週に数回」が30.4%で、「ほとんどしない」が21.7%、「月に数回」が4.3%で、「全くしない」も2.6%にみられた。こうした運動習慣の不足も栄養バランスの偏りやフレイルリスクと関連が深く、注視すべき結果となった。
(画像はプレスリリースより)
(画像はプレスリリースより)