ヘルスケアDXのグローバル展開を進めるOmiグループの日本法人、Omi Japan株式会社（以下、Omi Japan）は16日、個別栄養指導AIエージェント「Omi Nutri」を開発したことを発表した。10月1日より開催される展示会「メディカルジャパン東京」で国内初紹介する。

「Omi Nutri」は、遺伝子情報や検査データ、生活習慣など個人のマルチオミクスデータを解析し、AIエージェントがその人に最適化した栄養・ライフスタイル提案をリアルタイムで生成、提示するもの。これまで時間と手間を要していた栄養指導プロセスの効率化を図り、予防医療や治療支援の質向上を叶える。

現在の医療・ヘルスケア体制では、栄養に関する診断やアドバイスのプロセスに多くの課題がある。人にはそれぞれ異なる生体情報があり、さまざまな要素が組み合わさって健康に影響を与えているが、既存システムでは、こうしたマルチレイヤーのデータ（マルチオミクス）を有効活用し、具体的な提案へとつなげることが上手くできない。

結果的に時間や手間を要しながらも、個人に最適化した栄養指導やサービス、提案の機会を逸している場合も多い。

こうした課題を受け、Omi Japanが開発したのが「Omi Nutri」だ。このソリューションを活用すれば、遺伝子情報や各種検査データや生活習慣などのマルチオミクスデータを統合管理し、AIがリアルタイムに解析、個々人に最適化された栄養やライフスタイルに関する提案の自動生成を行ってくれる。

よって、手間のかかる栄養指導プロセスを効率良く短時間で、最新のデータに基づいた持続的提案として実施できるようになる。

「Omi Nutri」には、栄養学に特化したナレッジグラフと、情報検索と生成を組み合わせたRAGなど、最新のAI技術群が組み込まれた。ユーザーの状態に応じた最適な提案を提示できるよう、強化学習を用いながら判断過程の透明性を高める説明可能なAIも導入、さらにモデルの出力制御を可能とする独自プロトコル「MCP（Model Context Protocol）」を活かすことで、対話の文脈理解や出力品質の向上も実現可能としている。

個人ヘルスデータとして、高セキュリティ環境下での運用を想定しており、オンプレミスでのモデル展開にも対応可能な構成になっているという。

データベースはICD-10やLOINCなどの国際標準規格に準拠、内容は日本とベトナムの管理栄養士や専門家らが共同監修した。Human-in-the-loop方式を採用しており、AIによる判断に対し常に専門家が介在、臨床的な正確性を担保するものともした。

（画像はプレスリリースより）