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2024.03.19

栄養士の給料の平均はどれくらい?給料が低い理由や初任給について紹介

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こんにちは、管理栄養士のなつめももこです。

「栄養士として働きたいけど、給料ってどのくらい?」「給料を上げたい!どうしたらいい?」と思うこと、ありませんか?

仕事のやりがいや職場の環境と同じくらい重要な給料。詳しい情報が気になりますよね。今回は栄養士の給料について詳しくご紹介します。

1.栄養士の平均的な給料はいくら?

栄養士の平均的な給料はどのくらいでしょうか。まずは平均を知っておきましょう。給料の平均額、年齢ごとの給料の目安、企業規模ごとの給料の目安についてお伝えします。

1)栄養士の給料の平均額

栄養士の年収は、日本の平均年収と比べて低い傾向にあります。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」(調査年2022年)によると、栄養士の給料の平均は以下の通りです。
月給の平均 252,700円
賞与(ボーナス)の平均 620,300円
※単純な計算で年収を出すと3,652,700円(約365万円)となります(月給を12ヶ月分とし、平均の賞与を足す計算で算出)。
※賃金構造基本統計調査は管理栄養士を栄養士を合わせた数値のため、栄養士に限ると少し高めに算出されます。
では、他の職種の平均年収はどうでしょうか。国税庁が「令和4年分 民間給与実態統計調査」で「給与所得者数・5,078万人の平均給料が約458万円」と発表しています。

平均値は経験年数が長い方や賃金の高い都心部の方も含まれているため、あくまでも目安です。しかし比較すると、栄養士は他の職種全体よりも年収が90万円ほど低い傾向にあることがわかりますね。

参照:令和4年賃金構造基本統計調査|職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
参照:国税庁|令和4年分 民間給与実態統計調査

2)栄養士の年齢ごとの給料

栄養士の平均月収が252,700円とお伝えしましたが、最初から25万円の給料になるわけではありません。年齢(勤続年数、経験)により給料に差がありますので、詳しく見ていきましょう。
年代 月給 賞与 年収
20~24歳 213,400円 258,600円 2,819,400円
25~29歳 234,100円 518,200円 3,327,400円
30~34歳 239,900円 591,100円 3,469,900円
35~39歳 256,000円 670,500円 3,742,500円
40~44歳 266,400円 617,900円 3,814,700円
45~49歳 276,500円 872,400円 4,190,400円
50~54歳 275,800円 770,600円 4,080,200円
55~59歳 294,200円 1,010,100円 4,540,500円
60~64歳 282,000円 768,200円 4,152,200円
65~69歳 302,500円 648,400円 4,278,400円
70歳~ 218,600円 167,600円 2,790,800円
*月給を12ヶ月分とし、平均の賞与を足す計算で算出
参照:令和4年賃金構造基本統計調査|職種(小分類)、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
1〜5年目あたりの給料は約21万円で、手取り額は10万円代になると考えられ「少ない」と感じるかもしれません。一方で、キャリアをつんでいくごとに給料が上がっていくことがうかがえます。
栄養士の初任給
月給 賞与 年収
初任給
207,100円 44,700円 2,529,900円
初任給は20万円前後が目安です。1年目はボーナスが全額出ない場合もあり、年収が低くなる傾向にあります。

3)栄養士の企業規模ごとの給料

給料は企業の規模でも平均が異なります。それぞれの規模での平均給料は以下の通りです。
従業員規模 月給 賞与 年収
10~99人 244,900円 669,000円 3,607,800円
100~999人 252,900円 592,400円 3,627,200円
1,000 259,800円 630,200円 3,747,800円
規模が大きい職場の月給が高い傾向にあります。賞与の平均は小規模な企業の方が高い傾向にありますが、月給と足して年収を算出すると、規模が大きい企業の平均年収が高くなるようです。

また、民間と行政の栄養士の平均給料にも以下のように差が見られます。
月給
民間 206,012円
行政 150,000〜300,000円
栄養士が行政で働く場合「地方中級公務員」として採用されます。初任給は民間よりも低くなる傾向にありますが、経験を積むにつれ、民間よりも昇給が期待できます。

参照:令和4年賃金構造基本統計調査|職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
参照:総務省|地方公務員給与実態調査|令和4年4月1日地方公務員給与実態調査結果

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2.栄養士の給料が安い理由とは?

栄養士の給料が低いのは3つの理由が考えられます。理由がわかると「ではどうすれば給料を上げられるのか」と考えられますよね。まずは理由を知っておきましょう。

1)栄養士は利益を生みにくい

栄養士の仕事が医療機関にどのような利益を生んでいるか、ご存じですか?

栄養士が栄養指導をすることにより、医療機関は「診療報酬」を得られます。しかし、栄養指導による診療報酬は医師や看護師などの業務による診療報酬よりも点数が低いのです。

また、医療機関で栄養士はおもに給食に関わる業務を行います。レストランなどと異なり、入院時に必要な食費が国により設定されているため、食事の値段を上げて利益を生み出すといったことはできません。

1食あたりの総額と患者の自己負担額が設定されていて、差額が医療機関へ保険給付(入院時食事療養費)として支給される仕組みです。

入院時食事療養費が入るとはいえ、材料費高騰などで赤字になることもありますよね。栄養指導や給食により得られる利益が決して多くはない点が、栄養士の給料が低くなる原因と考えられます。

2)栄養士は名称独占資格である

「栄養士」という資格は「業務独占資格」ではなく「名称独占資格」です。業務独占資格とは国家試験の分類の1つで、資格がなければ携われない業務があり、その業務を独占的に行える資格です。医師や看護師などがそれにあたります。

栄養士は業務独占資格ではないので「栄養士しかこの仕事はできない!」といったものがありません。栄養士の主な仕事である献立作成や調理、配膳などは他の人でもできるので、代わりのきく仕事と判断されてしまう点が給料の低くなる理由の1つといえるでしょう。

3)女性はキャリアを継続しづらい

厚生労働省の「令和4年賃金構造基本統計調査」によると男性栄養士と女性栄養士の給料に差があることがわかります。
月給 賞与 年収
男性栄養士 278,200円 681,600円 4,020,000円
女性栄養士 250,300円 614,600円 3,618,200円
栄養士の男女比は、女性の方が多い傾向にあります。女性の場合、結婚や妊娠・出産によるライフイベントがきっかけでキャリアを中断することが男性よりも多くなりがちですよね。

継続して勤務することで給料は上がっていくことがデータからもわかりますが、やはり退職や転職をすることで給料が下がってしまうことは避けにくくなってしまいます。

栄養士の平均給料の低さは、キャリアを中断せざるを得ない女性の割合の多さからくるとも考えられます。

3.栄養士が働ける職場とは?

ここまで栄養士の給料について見てきましたが、栄養士が働ける職場にはどのようなところがあるのでしょうか。3つの分野にわけて見ていきましょう。

1)病院・福祉施設で食事の提供・指導

栄養士の仕事としてまず思い浮かべるのが病院や福祉施設ではないでしょうか。入院や入居により食事が欠かせない病院や施設では、栄養士が活躍しています。

主な業務内容は、栄養指導、献立作成、調理、配膳などです。施設によってはレクリエーションの企画立案・進行などを行うこともあるでしょう。

病院や福祉施設で給食業務の仕事をする場合、直営の栄養士として就職する方法と、給食会社へ就職して委託として配属される方法とがあります。

また、栄養士の業務に「栄養指導」とありますが、栄養士ができるのは健康な方を対象とした栄養指導のみです。治療を目的とした栄養指導を行うのは管理栄養士の仕事ですので、栄養指導をしたいと希望していてもできない場合もあります。

2)学校・保育園・幼稚園など教育施設

給食が必要な学校・保育園・幼稚園なども栄養士が活躍できる場所です。栄養士が学校で働くには「学校栄養職員」になるか、栄養教諭普通免許を取得して「栄養教諭」になるかのどちらかです。栄養教諭の方が、児童生徒への個別的な相談指導など幅広い業務を行えます。

保育園・幼稚園の栄養士は、献立作成、調理、配膳、栄養指導、食育のイベントなどを行います。ただ単に「おいしい食事」を用意するだけでなく、食べることの楽しさや食材への興味関心を育てるなど食育に関わる業務も行うことになります。飲み込む力や体が未熟な園児に合わせて、離乳食や幼児食などの対応も求められますよ。

3)一般企業で商品開発

栄養士は病院、施設、学校機関以外に一般企業でも活躍できます。主に食品に関わる企業で、食品の企画、開発、衛生管理やレシピ考案などの業務に携わります。

公益社団法人 日本栄養士会のデータによると一般企業に就職する栄養士の割合は低く、求人数も少ない傾向にありますが、食に関する商品開発で必要な知識は栄養士の専門分野です。

原材料の分析、栄養成分表示の作成など、栄養士だからこそできる仕事に従事できますよ。一方で、食品開発をするには栄養士のスキルとは別にマーケティングの知識が求められます。消費者のニーズを知るための市場調査や分析ができる力をつけておく必要がありますね。

4.栄養士が給料を上げるためにやるべきことは?

栄養士は給料が低いというデータや理由を紹介しましたが、決して「栄養士の給料は常に低い」というわけではありません。給料を上げるために、以下の3つに挑戦してみませんか。

1)管理栄養士などの関連資格を取得する

管理栄養士の資格や、就職したい企業で活かせる関連資格を取得するのが給料を上げる1つの方法です。企業によってはその資格があることで手当が支給される場合もあります。

まずは求人票を見て活かせる資格を検討するのがおすすめです。

2)給料が高い他の職場へ転職する

現職の給料が低いと感じたら、転職を検討するのもおすすめです。同じような業務内容でも給料に差がある求人を見つけられるかもしれません。

求人票を見るときは月給だけでなく、賞与やどのような手当があるのかなど福利厚生もチェックしておきましょう。

3)企業に利益をもたらす栄養士になる

栄養士は利益を生みにくいといった例を紹介しましたが、逆をいうと利益を生み出せる栄養士になれたら給料アップも期待できます。

新しく利益を生み出すには目の前の仕事をたんたんとやるだけでなく、これまでになかった企画や方法を生み出す必要があります。新しい取り組みにより、業務工程が改善されたり、利用者の満足度が上がったりすると企業にとって利益となりますね。

5.管理栄養士・栄養士が活躍できる職場を見つけるなら、栄養士人材バンク

現状に満足せず、給料アップを狙いたいという方は、ぜひ行動を変えてみましょう。「まずはほかの職場の給料を知りたい」と、求人情報をチェックしてみるのもいいですね。

本記事の作成元であるエイチエは、転職サポートサービス『栄養士人材バンク』も提供しています。転職でお困りのことがあれば、まずはお気軽に相談してみてくださいね。

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6.まとめ

栄養士の求人は、全国平均と比較して低い傾向にあります。しかし、スキルアップや転職などにより給料をアップさせることも可能です。

まずは「自分にできそうなこと」「挑戦してみたいこと」を考えてみましょう。

「給料は上げたいけれど、どうしたらいいのかわからない」といったときは、ぜひ栄養士人材バンクもご利用ください。さまざまな求人のなかから業務内容や職場環境、給料に満足できる職場を見つけていきましょう。

参考文献・サイト

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なつめ ももこ

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