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2023.10.05

管理栄養士・栄養士1,400人に聞いた!職場の満足ポイントと退職の決定打

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こんにちは!転職歴3回の管理栄養士、えぬこです。

今回の記事では、エイチエで調査した『管理栄養士・栄養士の職場の満足ポイントと退職の決定打』の結果と考察をまとめてみました。

1,400人もの管理栄養士・栄養士さんのアンケート結果なので、職場選びの参考になると思います。ぜひ、読んでみてくださいね。

1.栄養士が感じている現職の満足ポイント・不満足ポイント

まずは、栄養士のみなさん感じている、今の職場の満足・不満足ポイントを見ていきましょう。

1)栄養士の満足ポイントTOP3

栄養士の満足ポイントはやりがい、同僚との関係、休日・休暇の希望考慮という結果になりました。

「〇〇の作業ばかり…」「職場の雰囲気が…」「全然休めないし毎日残業…」そんな声をよく聞きますが、実は75%以上の栄養士さんが満足しているとの結果に。

周りを見渡すとほとんどの栄養士さんが仕事内容・人間関係・お休みに満足しているということは、今それらで悩んでいる人は、異動や転職で解決する可能性が高いかもしれません。

仕事や環境が嫌な状態では、「職場が嫌=栄養士が嫌=栄養士辞めたい」になりがちですが、意外と「栄養士のまま職場を変える」だけで悩みが解消されることも多いはずです。

思い返してみれば、私も3回ほど転職をしていて、辞めたいほど人間関係や仕事内容で悩んだ職場は1つ目だけでした。

【前編】私も一度栄養士を辞めました。~一般企業からの出戻り体験記~

【後編】私も一度栄養士を辞めました。~一般企業からの出戻り体験記~

フリーコメントでも、「人間関係がとてもよく仕事がしやすい」という回答や、給食委託会社の栄養士さんから「施設側との関係が良い」という回答がみられました。

こういったお声が上がる職場があるということは、今の職場が全てではないということです。

インターネット上では悩んでいる人の書き込みが多いので、マイナスなイメージの話が目立ちやすいのかもしれませんが、現状に満足している人も多いというのは、希望が持てる結果ではないでしょうか。

2)栄養士の不満ポイントTOP3

栄養士の不満足ポイントでは管理職のマネジメント、適切な人員配置がされていないこと、そしてサービス残業が上位です。給食業界は慢性的人手不足ですから、納得感のある結果ではないでしょうか。

人手不足の業界は、現場の人が続かないだけでなく、管理職になれる人材も育たないと考えられますので、管理職のマネジメント不足になりがちなのかもしれません。

2.管理栄養士が感じている現職の満足ポイント・不満足ポイント

次に、管理栄養士のみなさんが感じている、今の職場の満足・不満足ポイントを見ていきましょう。

1)管理栄養士の満足ポイントTOP3

管理栄養士の満足ポイントの1位は患者との関係でした。栄養士アンケートでは6位となった項目であったことから、患者・利用者の近くで働く管理栄養士との仕事内容の違いが反映されていそうですね。

ランク外ではありますが、研修会によるサービス出勤について「満足」と回答した管理栄養士が55%と半数以上でした(栄養士は36%)。

休日の研修会参加は少し気が重いところもありますが、目の前に患者・利用者さんがいる仕事はより責任感は強くなり、学ぶ意欲の向上に繋がっているのかもしれません。

私自身、厨房で働いていた時よりも、管理栄養士として栄養ケア・マネジメントを行っている今のほうが、仕事へのモチベーションは高いことを実感しています。

今は厨房経験を積んでいるけれど、そろそろ管理栄養士の資格をより強く活かせる栄養管理にチャレンジしたい!という方は、近くに求人がないかだけでもチェックしてみてくださいね。

本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では、全国の管理栄養士・栄養士の求人を取り扱っていますよ。

2)管理栄養士の不満足ポイントTOP3

管理栄養士の不満足ポイントは、管理職のマネジメントや適切な人員配置といった栄養士でもランクインした項目の他、事業所内の設備が3位という結果になりました。

エイチエでも、マネジメントや人員配置についてこのようなQ&Aがよく投稿されています。

人員配置の愚痴

病院栄養部門の人員配置について | 管理栄養士・栄養士ならエイチエ

病院栄養部門の人員配置について

栄養部門は患者・利用者様の栄養管理・栄養指導などに加え、事務作業や厨房周りも業務範囲となるため、仕事量が膨大です。更に、これも栄養士の仕事…?と思わざるを得ない業務まで担当している方もいるのではないでしょうか。

業務量に対する適切な人数配置を進言しようにも、配置基準の関係で増員のハードルが高く少数精鋭部隊にならざるを得ない、というジレンマを抱えている管理栄養士は少なくない、という結果の表れかと思います。

設備については、厨房勤務だとトイレ・ロッカー・休憩室などが「厨房職員専用」となり、どこの職場でもあまり大差がないことが多いです。

しかし、病院や施設で対人業務が多いと、他職種と一緒に休憩をとることが多くなり設備が充実している職場も多々あります。

病院や施設によっては託児所が充実さや、休憩室の綺麗さを強みに求人を出すところもあるくらいですから、そういった職場と比較してしまうのかもしれませんね。

3.職場選びのポイントは?管理栄養士は業務内容・栄養士は勤務時間が最多!

管理栄養士・栄養士とも職場選びのポイントNo1~3は同じ結果になりました。
ランクインした項目は同じでしたが、管理栄養士は業務内容、栄養士では勤務時間・体制が1位でした。

管理栄養士のほうが業務の幅が広いため、業務内容を重視する傾向にあるのではないでしょうか。仕事を探す側は「病院の管理栄養士」とひとまとめに考えがちですが、急性期なのか、慢性期なのかでも業務内容は大きく異なりますよね。

一方栄養士は、厨房管理の仕事が中心となるため、管理栄養士と比較すると日勤帯だけや土日休みなどの職場を見つけにくく、勤務時間や体制で職場を絞ると、選択肢が少なくなりがちなのかもしれません。

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4.管理栄養士・栄養士の退職理由は人間関係と仕事内容

満足ポイントでポジティブだった「人間関係」は退職理由でも1位という結果になりました。管理職マネジメントの含め、人間関係は“働くモチベーション”に直結しますから、とても大切なポイントだとわかります。

「仕事内容への不満」については、「現職への就転職時の目的は果たし、次にやりたい仕事が見つかっている人」もこれに該当しますから、ポジティブな退職理由でもありそうですね。

例えば、私の1番最後の転職動機は「厨房業務は一通り経験した。次は栄養管理を経験するために病院・施設への転職したい!」でした。

キャリアアップを目的としていますので、転職理由は、前述の「仕事内容への不満と、次にやりたいことがあったから」に当てはまります。

「私もそろそろキャリアアップ転職したい!」と考えている管理栄養士・栄養士さんは、ぜひ栄養士人材バンクを活用してみてくださいね。

仕事をしながら求人を探すのは一苦労ですが、担当のキャリアパートナーに希望を伝えておくだけで、あなたに代わって希望の求人を探してくれるとても心強いサービスです。タイミングによっては、思いがけないオファー求人が届くこともありますよ!

5.これは辞めたくなるよね…みんなの退職の決定打はコレだ!

フリーコメントではたくさんの退職の決定打を教えてもらえました。その中から、特に紹介したいと思ったコメントと、それについて思ったことをお伝えします。

1)パワハラが辛い

クリニック(管理栄養士・31~35歳)
「業務内容を教えてくれない、就業時間外の掃除、人格否定など人を大切にしない風潮が強く、特に直属の上司からのパワハラが辛かったため。」

パワハラがある職場での仕事は、続けられたものじゃないですよね…。就業時間が守られていない、業務内容を教えてもらえないなどは、クリニックのような人数の少ない職場では、対処の仕方が難しそうです。

パワハラ対応については、過去に書いたことがありますので、ぜひこちらも参考にしてくださいね。

パワハラが辛すぎる!ハラスメントで悩む管理栄養士・栄養士さんへ ~体験談と対処法~

2)給料が全く上がらない

学校給食の委託給食会社(管理栄養士31~35歳)
「勤務時間や仕事内容、人間関係などは全て満足していたのですが、何年働いても最低賃金でいつまで経っても無資格の新人さんと同じ仕事内容だった。せっかく管理栄養士の資格持っているのにもったいないと思うようになり転職した。」

給食関連の非常勤の仕事は、時給が安い傾向にありますよね。もともと時給の相場は高くない調理や栄養士の仕事は、最低賃金の上昇に伴い、無資格のパートさんとの待遇差が今後も課題になっていきそうです。

3)入社前に想像していた仕事内容と違った

急性期病院(管理栄養士41~45歳)
「病院側管理栄養士だったのに委託会社の仕事のフォローとその為のサービス残業が多く、殆ど病棟へ行けず机上の栄養評価だったから。栄養指導は上司の仕事で、2人体制のため、年数が経っても状況が変わるとは思えなかった。」


求人数が少なく人気の急性期病院に入職できたとしても、やりたい仕事ができない中でモチベーションを維持するのは難しいですよね。

特に栄養部門は少数なので、先輩と後輩の仕事の棲み分けがキッチリされていると、先輩が退職するまでやりたいことができないというエピソードも時々耳にします。

先輩に直接言えれば良いのですが、それもなかなか難しいでしょうから、定期的に人事や上司のさらに上司と面談ができるような環境が欲しいところですね。

4)希望していない配属先に異動になった

ケアミックス病院(管理栄養士51~55歳)
「栄養科から医事課へ転属させられた


望まない配置換えは悔しくて悲しくなる話です。一方、組織の所属する以上、異動や配置換えは仕方がない部分も…。

私の周囲でも、直営厨房の委託化に伴い、調理員さんが介護士や事務などの資格がなくても働ける部署へ異動になるという話を聞いたことがあります。

6.退職の決定打は全員「不満だけ」とは限らない!

退職の決定打には「家庭の事情」という回答も多かったです。

結婚、パートナーの転勤、子供の成長、妊娠・出産など、ライフイベントによる退職も多いようでした。管理栄養士・栄養士は資格が必要な専門職ですから、離職しても次の職場を見つけやすい傾向にありますし、長い人生でプライベートを重視する期間があることは悪いことではないですよね。

また、家庭の事情以外にも
・転職先が見つかったから
・管理栄養士の資格を取得できたから
・委託給食会社での仕事はやりきった
など、今の仕事はやりきったから辞めるという前向きな意見も多くみられました。

今の職場が合わないと感じる理由が「次のステップに進みたいから」であれば、転職することでより自分を高められる職場と出会えるかもしれませんよ!

7.まとめ

今回は、職場の満足ポイントと退職の決定打についてまとめました。

インターネット上には「悩んでいる書き込み」が多くなりがちなので、どうしても人間関係や待遇が悪い職場の話が目立ちやすい傾向にあります。

しかし、アンケートをとってみると人間関係に満足している人や、待遇以外での退職理由が見えてくるなど、思ったより前向きな意見も多くみられたのではないでしょうか。

本来、管理栄養士・栄養士の仕事は「人の役に立っている」と実感できるシーンの多いやりがいのある仕事です。高給はもらえないことが多いですが、長く安定して続けているとそれなりに昇給する職場もたくさんあります。

「今後のキャリアと転職意向度、入社後のギャップを調査。1,400人の管理栄養士・栄養士の回答とは?」では長く仕事を続けていくための職場探しについてもお伝えしていますので、ぜひこちらも読んでみてくださいね。

今後のキャリアと転職意向度、入社後のギャップを調査。1,400人の管理栄養士・栄養士の回答とは?

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えぬこ

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