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2023.10.03

今後のキャリアと転職意向度、入社後のギャップを調査。1,400人の管理栄養士・栄養士の回答とは?

カバー画像:今後のキャリアと転職意向度、入社後のギャップを調査。1,400人の管理栄養士・栄養士の回答とは?

こんにちは!管理栄養士のえぬこです。

今回の記事では、エイチエで調査した『管理栄養士・栄養士のキャリア志向や入社後のギャップ』の結果と考察をまとめました。

約1,400人もの管理栄養士・栄養士のみなさんからご回答いただいたアンケート結果ですので、ぜひ参考にしてくださいね。

入職前にとっておきたい対策についても紹介します。

1.管理栄養士・栄養士の今後のキャリア志向は?

1)管理栄養士・栄養士とも、圧倒的1位は「長く安定的に働きたい」

管理栄養士・栄養士ともに圧倒的1位は「長く安定的に働きたい」でした。仕事の安定は生活の安定に直結しますから、1位であることにも納得です。

言葉にすると一言ですが、人によって、「長く安定的な職場」の定義は違いますよね。

例えば、
・家から近く通勤の便が良い
・人間関係がよく、アットホームな環境が良い
・定時に帰れて土日休みが良い
など、プライベート重視型の方もいれば
・少しハードでも良いからたくさんの症例を経験し、成長できる環境が良い
・栄養指導をたくさんこなしてスキルアップしたい
・高齢者に対する栄養ケア・マネジメントを行いたい
・子供たちへの食育に取り組みたい
など、やりたい仕事を優先するキャリア重視型の方もいます。

いずれも「長く安定的に働く」ためには重要なポイントですが、どちらに重きを置くかは人によって異なります。転職の際には『自分にとっての安定とは何か?』をよく考え、優先順位をつけましょう。

ひとりで転職活動をする場合でも、本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンクのようなエージェントを使う場合でも、優先順位がついていると効率よく求人を探せますよ。

2)目的をもってキャリアを積みたい方が多数!

管理栄養士、栄養士どちらもキャリアや経験を意識した回答が上位に来ています。私たち管理栄養士・栄養士は、真面目にキャリアアップと向き合っている人が多い職種と言えるのではないでしょうか。

実は、株式会社エス・エム・エス(エイチエの運営会社)が看護師を対象に同様のアンケートを行った際、看護師の2位は「明確な意向・希望はない」でした。
エイチエは「複数回答可」、看護師は「単一回答のみ」で回答を募ったため単純な比較はできませんが、管理栄養士・栄養士は目標や目的を持ってお仕事をしている人が多いようです。

私たちは、配置人数が少ない【少数精鋭の職種】だからこその結果なのかもしれませんね。

管理栄養士のキャリアアップには、転職だけでなく認定資格の取得もおすすめです。

在宅訪問管理栄養士とは?役割や仕事内容、資格の取得方法を解説

特定保健指導とは?栄養士でも出来る?必要な資格と仕事内容、やりがいなど一挙紹介!

認定試験の勉強をすると、専門性を深めたい管理栄養士の仲間との出会いが増えます。

他の管理栄養士さんの取り組みや頑張りを知ると、実務に活かせることだけでなくモチベーションも上がりますよ。

2.管理栄養士・栄養士の転職検討率と転職を考えている理由は?

転職を検討しているかという設問では、約7割が転職を検討しているという回答になりました。

大多数の方が転職を検討している理由はいったい何でしょうか…?現職に満足している/していない管理栄養士・栄養士別にみてみましょう。

1)管理栄養士・栄養士の転職理由No.1は『給与など待遇が悪い』

現職に満足度に関係なく、給与など待遇面の理由で転職を検討している結果になりました。

管理栄養士・栄養士の給与支給額をみると、勤続年数が長い50代で460万円です。何かと仕事量が多い上に、幅広い知識が求められる職種ですから、仕事に対する給与が見合ってないと感じる管理栄養士・栄養士が多いのも納得ですね。

2)ほとんどの管理栄養士・栄養士が「キャリアアップ」を望んでいる

現職に満足している管理栄養士・栄養士は「キャリアアップできない仕事内容」、現職に不満な管理栄養士・栄養士では「仕事内容への不満」が理由2位でした。

言葉が違えど、意味するところは「キャリアアップ・レベルの高い仕事」を求めている管理栄養士・栄養士が多いと言えるのではないでしょうか。

管理栄養士・栄養士は資格取得後の業界残留率が約50%と、他の医療職と比較すると低い傾向にあります。その分、この業界で働いている人はキャリアアップを望み、仕事内容を重視する人が多いと言えるでしょう。

3)給与×キャリア×人間関係が三種の神器!?

給与などの待遇とキャリア・仕事内容以外で票を集めたのは、上司のマネジメントを含めた「人間関係」。この3つ以外は、ほぼ横並びの結果になりました。

仕事を選ぶ場合の大きな3つの軸として、ここをベースに考えると、良い職場に巡り合いやすくなると言えそうですね。面接前や面接と同時に施設見学を申し込んで、職場の雰囲気をキャッチアップするなど対策ができると良いかもしれません。
さらに、現職に満足している管理栄養士の転職検討理由を見てみると、給与など待遇が悪いことが断トツで、それ以外はすべて横並び。「職場環境」への不満は比較的少ない傾向にあります。

できるだけ若いうちから管理栄養士資格を取得し、満足できる職場に転職することで、長く安定的に働ける職場と出会える可能性が高くなりそうですね。

結婚のために転職

3.管理栄養士・栄養士の転職手段と満足度は?

転職手段は、どの世代でみても、ハローワークや求人サイトを使う人が最も多い結果となりましたが、満足度が最も高いのは「知人紹介・口コミ」、2位はなんと「人材紹介」でした。

私も、転職サイトには登録をしていますが、2018年頃と比較すると、求人の質やサービス内容が格段に良くなっていると思います。

私が最初に転職活動を意識した2014年頃は栄養士人材紹介会社の選択肢が少なく、登録しても求人数が少なくて、正直なところあまり良いサービスだった印象はありません。

しかし、2020年頃から競合他社と求人数が増加しており、どんどんサービスが充実しています。

人材紹介会社を使うと、
・募集背景や残業の有無など、聞きづらい質問は代理で聞いてくれる
・給与など条件交渉をしてくれる
・面接時に推薦してくれる
・詳しく面談しておくと事業所側からオファーが来ることもある
・想像していなかった分野、求人に出会えることもある
などのメリットがあります。

私が栄養士人材バンク(エイチエが提供する転職サポートサービス)を使った感想も書いているので、ぜひこちらも読んでくださいね。

【実録】管理栄養士・栄養士の転職エージェントって実際どうなの?栄養士人材バンクの体験談

4.管理栄養士・栄養士の入社後のギャップは?

1)「スタッフの質」が入職後ギャップNO1に

管理栄養士・栄養士ともに「スタッフの質」が入社後のギャップの1位でした。少数部門になりやすい職種なので、スタッフと合わないと悩みの種になることも多いでしょう。

事前にどのような人がいるのか確認したり、栄養科事務所の見学をしたりできると、少しはギャップを感じにくいかもしれません。部署人数、年齢、認定資格保有者の数なども確認できれば良いですね。

また、可能であれば見学や面接の際に栄養科の管理職や上司になる方の同席をお願いすると未然に防げるかもしれません。

2)仕事内容・量はできるだけ細かく確認しておこう

仕事内容・量と給与にギャップを感じている人は25%。つまり、4人に1人が、「こんなに大変なのにお給料が…」と感じているということですね。この記事を読んでいる方の中にも、心当たりがある方もいるのでは…?

例えば、「厨房は委託か直営か」は転職を考える際に参考にする1つの大きな要素だと思います。

厨房が委託だと栄養管理に集中できそう!と思う方は多い一方で、予想通り栄養指導や病棟の栄養管理に集中できる職場もあれば、1日中給食委託会社への指示だしや食事変更に追われる職場もあります。

直営に就職して現場作業やシフトを覚悟したにもかかわらず、現場が安定していてあまり厨房に関わらなくても良い職場もあるとききます。

ですから、提示される給与と天秤にかけて、納得して働けるポジションに就けるかはしっかりすり合わせておきましょう。

とはいえ、組織に所属する以上は、必ずすべての希望が通ることの方が難しいでしょう。配属後の方向転換は当然起こり得るという覚悟をもっておくことも大切です。

3)仕事量に応じた人員配置がされているかも要チェック!

任される仕事に対して適切な人員配置がされているかも要チェックです。栄養士の場合は厨房で働くことが多いため、慢性的な調理員の人手不足の影響も考えられますね。

他の項目でも栄養士は「適切な人員配置」や「サービス残業」などを不満にあげることが多いので、厨房の人手不足・配置されている人のスキルなどが原因になっていそうです。

管理栄養士の場合も、厨房と近い仕事であれば栄養士と同じ原因が考えられます。

4)適切な場所に、適切なスキルを持った人が配置されていることが理想

管理栄養士に求められる専門性・スキルは年々高まってきています。

社会に出てから今日まで、常に目の前の業務だけと向き合ってきた管理栄養士と、栄養士会や学会、書籍などで常に広く最新の栄養管理を学び続けてきた管理栄養士では、専門性の高さや身についているスキルは異なるでしょう。(もちろん、どちらが「良い」「悪い」ではありませんよ。)

例えば、給食管理が求められる職場に「厨房経験が乏しく栄養管理に強い管理栄養士」が配置されていても、高度な栄養管理が求められる職場に「給食業務しか経験がない管理栄養士」が配置されても、仕事量に応じた人員配置がされているとは言えない…こともあるかもしれませんね。

また、高度な専門知識を持ったスペシャリストが求められる職場もあれば、栄養管理も厨房管理もこなせるジェネラリストが必要な職場もあります。

管理栄養士の場合は業務範囲が広すぎて、配置される人数だけではなく、配置されている人の強みと職場の求めている人の差も、「適切な人員配置」や「管理職のマネジメント」といった回答に繋がっていそうですね。

5.さいごに

今回は、管理栄養士・栄養士のキャリア志向や入社後のギャップを紹介しました。少し悲しいですが、現職に不満がある人や、入社後にギャップを感じている人は少なくないのが現状ですね。

入社後のギャップを防ぐためには、「自分では聞きにくいことも聞いてくれる」転職エージェントが役に立ちます。

エイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では、1人ひとりのペースに合わせて、希望に合う職場を探して、内定・入職までフォローしますので、ぜひ上手に活用してくださいね。

参考文献・サイト

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えぬこ

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