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2023.03.15

特定保健指導とは?栄養士でも出来る?必要な資格と仕事内容、やりがいなど一挙紹介!

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こんにちは!管理栄養士歴約10年のえぬこです。

2008年より制度が開始した特定保健指導。一般には、「メタボ検診」という名前で国民に認知されてきました。そして10年以上、多くの管理栄養士が特定保健指導の分野で活躍しています。

私の周りにも、妊娠や出産を経て、特定保健指導の仕事をしている友人がたくさんいます。業務内容に魅力を感じる管理栄養士さんだけでなく、なかなか現場に戻ることが難しい子育て中の管理栄養士さんにもおすすめのお仕事です!

そんな特定保健指導の仕事について、今回はまとめてみました。

1.特定保健指導とは?

特定保健指導とは、40歳から74歳で医療保険加入者に義務付けられている特定健診 にて、メタボリックシンドロームと診断された方に行う生活指導のことです。

生活習慣病予備軍であれば予防のため、すでに糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病であれば、その改善のための サポートを行います。

特定保健指導では「動機付け支援」「積極的支援」の2つの支援方法があり、リスクが小さい人には動機付け支援、リスクが大きい人へは積極的支援を行います。
・動機付け支援 とは?
個別面接かグループ支援(集団指導)を1回行い、生活習慣の振り返りとライフスタイルにあった今後の目標を立て、生活習慣の改善を目指す支援です。対象者さん自身が設定した目標の生活を続けられているかどうか、3か月に1回、電話・メール・手紙などでチェックします。

・積極的支援とは?
動機付け支援に追加して、3か月後も定期的に連絡をとり、生活習慣を変えられているか、維持できているかなどの確認やアドバイスを行います。評価方法は、電話・メール・手紙などです。

特定保健指導は栄養士免許でも行える?

特定保健指導において行動計画を作れるのは、管理栄養士、医師、保健師の3職種のみです。残念ながら、栄養士免許だけでは特定保健指導に従事することはできません。

生活習慣病のリスクが高い人を対象に指導するため、栄養管理や栄養指導スキルを持ち合わせた管理栄養士の資格が不可欠な分野です。

特定保健指導に興味のある栄養士資格保有の方は、まずは管理栄養士国家試験にチャレンジしてみてくださいね。

【社会人向け】働きながら栄養士から管理栄養士へ!一発合格を目指す既卒・社会人の国家試験対策!

2.特定保健指導における管理栄養士の役割、仕事内容とは?

特定保健指導には、病院のように「医師だから」診断や手術ができる、「看護師だから」注射や処置ができる、というような、明確な業務・指導の分担はありません。それらの職種がまとめて指導者となり、生活習慣改善のための行動計画を作り、生活習慣改善のための取り組みを指導していきます。

しかし、専門職ごとに強みのある分野は違いますよね。管理栄養士には、指導の対象者が生活習慣を改善するにあたり課題となっている食生活の問題点はどこかを分析し、対象者にあった現実的な食生活の改善プログラムを提案することが主な役割です。

3.特定保健指導の仕事はどのようにして行うの?

特定保健指導は、主に3つの方法で仕事を行います  
・対面面談
対面面談はその名前の通り、支援を必要としている人と直接会って、特定保健指導を行います。支援を必要としている人の家や職場、近くのカフェなどで行うことが多く、時間は40分程度です。

・電話支援
目標の達成度を電話で確認する支援方法です。電話支援は、対象者さんの希望の時間帯に電話をしなければならないので、仕事終わりの夜の時間帯や、土日などに架電します。

・アプリ、手紙、メール、FAXなどでの支援
文字で指導を行う方法です。直接会話をせず、文章だけで相手に伝わるようにやりとりを行う必要があるため、文章のスキルが必要です。 近年ではアプリ上でのやり取りも主流になってきています。

対面面談は、動機付け支援でも積極的支援でも、特定保健指導の最初の指導として全員が必ず受けます。

新型コロナウイルス感染症の影響で、昨今は一部リモートでの面談を行っている事業者もありますが、原則初回は対象者と指導者が顔を合わせる形式で支援を行います。

その後、動機付け支援であれば3か月後にアプリ、電話、手紙、FAX 、メールなどの手法で生活習慣の様子や腹囲や体重などの現状の確認を行います。また、積極的支援は3か月後の確認だけでなく、それまでの間も現状の確認を行います。

特定保健指導の現場の管理栄養士は、事業者と契約社員や業務委託契約で契約をしている人が多いです。事業者から仕事の依頼があれば、どの形式でも支援ができるように、スキルアップをしておきましょう。

4.辛いこととやりがい

特定保健指導は、国をあげて国民を健康にするための取り組みです。生活習慣病が国民の課題となって10年以上の年月が経っていますが、いまだ問題は解決されていません。

支援の対象者の中には「自分の生活にケチをつけられている」というような印象を持つ方や、将来的に健康を失う怖さをなかなか理解できない方もいます。

嫌々支援を受けている方にコンタクトをとる時は、セールスの電話を断るときのような冷たい対応をされ、自分のメンタルがしんどくなることもあるでしょう。

しかし、特定保健指導に携わる管理栄養士は、①国の問題となっている医療費削減、②目の前の方の長い人生における健康な生活支援の2軸を担っています。

国という大きな枠組みでみても、目の前の対象者さんの生活という個の視点でみても、重要な役割を背負っています。それだけやりがいと誇りのある仕事です。

5.特定保健指導に求められること

特定保健指導に従事する管理栄養士に求められるものは、大きく2つです。
・生活習慣病に対する知識
病院や介護老人保健施設で働く管理栄養士の近くには、医師が常駐していますが、特定保健指導を行う管理栄養士は、自分の知識や会社の研修だけで、支援を行わなければなりません。病院のように「医師の指示や指導のもと」業務を遂行するわけではないため、自己学習が必須です。

・コミュニケーション能力
病院の栄養指導も同じことがいえますが、管理栄養士による食事や生活習慣の指導に対して、指導を受ける側は必ず良い印象を持っているわけでありません。自分は太っていると認識していても、塩辛いものが好きで健康に悪いことはわかっていても、それを他者から指摘されることは嫌なものです。

そのような心理を理解した上で、対象者を導くための指導力、傾聴力、話し方などのカウンセリング・コミュニケーションの能力が必要です。

6.特定保健指導担当管理栄養士とは?

特定保健指導担当管理栄養士は、日本栄養士会が定めている認定資格です。
*取得方法
1.日本栄養士会生涯教育制度に参加
2.保健指導担当者研修会を受講
3.審査に必要な書類と、特定保健指導に関する事例を3つ以上提出

定保健指導担当管理栄養士を取得すると、自分は特定保健指導に特化した管理栄養士であると証明できます。

2020年度末現在、取得者150名のみとまだまだ少ないため、特定保健指導の仕事で複数の事業者に登録したり、就職したりするときに、きっと有利になるでしょう。

現在、特定保健指導の仕事に従事している管理栄養士さんは、自分の持っているスキルを形にすることができますよ。興味があれば、ぜひ、挑戦してみてくださいね。

7.リモート特定保健指導に興味があったら…

実は、本記事の作成元であるエイチエを運営している株式会社エス・エム・エスでも「リモカラ」というリモート特定保健指導のサービスの事業を行っています。

研修も充実していますので、特定保健指導の仕事に興味がある人はもちろん、妊娠出産で現場に戻ることが難しい方や、安定したお休みがほしい方、フリーランスや業務委託の形で特定保健指導を始めたい方は、ぜひ下記よりご応募くださいね。

特定保健指導求人| 株式会社エス・エム・エス

「いきなり応募はちょっと勇気が…」と悩む方は、説明会(不定期開催)も行っているので、エイチエに登録して案内のメールを待ってみてくださいね。

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えぬこ

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