1.栄養教諭の役割と仕事内容とは?
まずは、栄養教諭の役割と具体的なお仕事内容についてみていきましょう!
役割
栄養教諭の役割は、学校における「食に関する指導」を中心となって推進することです。
社会全体がどんどん変化する今、お総菜やジャンクフードの味しか知らないなど、子どもの食生活が乱れていることが問題視されていますよね。
そのため、子どもが将来に渡って健康に暮らすために、食事や栄養の正しい知識を持ち、『食を自分で管理する力』と『望ましい食習慣』を身につけてもらうことが、栄養教諭の役割として求められています。
社会全体がどんどん変化する今、お総菜やジャンクフードの味しか知らないなど、子どもの食生活が乱れていることが問題視されていますよね。
そのため、子どもが将来に渡って健康に暮らすために、食事や栄養の正しい知識を持ち、『食を自分で管理する力』と『望ましい食習慣』を身につけてもらうことが、栄養教諭の役割として求められています。
仕事内容
栄養教諭の仕事内容は、食に関する指導と、学校給食の管理に分けられます。
「栄養教諭=食育の授業だけ」といったイメージを持たれがちですが、学校給食とセットで行うことで、地産地消など教育上の相乗効果が期待されているのです!
食に関する指導は、大きく3つあります。
「栄養教諭=食育の授業だけ」といったイメージを持たれがちですが、学校給食とセットで行うことで、地産地消など教育上の相乗効果が期待されているのです!
食に関する指導は、大きく3つあります。
①肥満や偏食、さらに食物アレルギーなど、一人ひとりに合わせた指導を行う
②授業や学校行事の時間に、担任の先生と協力して、食に関する指導を行う
③他の先生や保護者、地域の方と協力して、食に関する指導をするための連絡や調整を行う
②授業や学校行事の時間に、担任の先生と協力して、食に関する指導を行う
③他の先生や保護者、地域の方と協力して、食に関する指導をするための連絡や調整を行う
食に関する指導は、給食の時間はもちろん、保健体育や家庭科の授業などの際に、担任や教科担当の先生と一緒に授業を行います。栄養教諭1人で1コマ分の授業をするのではなく、他の先生と一緒に行うのが一般的です。
学校給食の管理とは、栄養の管理や衛生管理、それに衛生管理や材料や器具などの物資の管理が仕事内容です。学校に併設されている給食室や給食センターにおける献立作成や発注はもちろん、調理の指導や検食、衛生管理を行います。
学校給食の管理とは、栄養の管理や衛生管理、それに衛生管理や材料や器具などの物資の管理が仕事内容です。学校に併設されている給食室や給食センターにおける献立作成や発注はもちろん、調理の指導や検食、衛生管理を行います。
2.学校栄養職員との違いは?
栄養教諭と混同されやすい『学校栄養職員』。栄養教諭と学校栄養職員の大きな違いは役割です。
栄養教諭は『栄養の指導と学校給食管理』が役割でしたよね。一方、学校栄養職員は『学校給食の栄養に関する専門的なこと』つまり、給食の管理がお仕事の中心です。
もともと、栄養教諭の制度が誕生する前までは学校栄養職員の方が「給食の管理」と「食に関する指導」を行っていました。
しかし、本来の仕事内容として『食に関する指導』は入っていなかったので、食育の推進や教育のスキルは、学校栄養職員さん個人の力量にお任せ状態だったのです。
そのため、学校の食育を個人の力にお任せするのではなく、免許制度によって教職としての専門性をもってもらうために栄養教諭を配置する流れになりました。
栄養教諭は、学校栄養職員と同様に食に関する専門的な知識と併せて、教職の目的や教育課程など、学校の先生を目指す人が学ぶ『教職に関する科目』と、さらに食文化や食の歴史などの知識など『栄養に関連する教育に関する科目』を身につける必要があります。
つまり、栄養教諭は、一定の知識と技術を持って栄養の指導をすることが求められているのです。
栄養教諭は『栄養の指導と学校給食管理』が役割でしたよね。一方、学校栄養職員は『学校給食の栄養に関する専門的なこと』つまり、給食の管理がお仕事の中心です。
もともと、栄養教諭の制度が誕生する前までは学校栄養職員の方が「給食の管理」と「食に関する指導」を行っていました。
しかし、本来の仕事内容として『食に関する指導』は入っていなかったので、食育の推進や教育のスキルは、学校栄養職員さん個人の力量にお任せ状態だったのです。
そのため、学校の食育を個人の力にお任せするのではなく、免許制度によって教職としての専門性をもってもらうために栄養教諭を配置する流れになりました。
栄養教諭は、学校栄養職員と同様に食に関する専門的な知識と併せて、教職の目的や教育課程など、学校の先生を目指す人が学ぶ『教職に関する科目』と、さらに食文化や食の歴史などの知識など『栄養に関連する教育に関する科目』を身につける必要があります。
つまり、栄養教諭は、一定の知識と技術を持って栄養の指導をすることが求められているのです。
3.栄養教諭になるのに必要な免許は?
栄養教諭になるには「栄養教諭普通免許状」が必要です。
栄養教諭普通免許状は、『専修』『一種』『二種』に分けられています。いずれの免許も学校に通って単位を取得する必要があるため、独学では免許取得はできないので注意です!それぞれの取得方法を見ていきましょう。
栄養教諭普通免許状は、『専修』『一種』『二種』に分けられています。いずれの免許も学校に通って単位を取得する必要があるため、独学では免許取得はできないので注意です!それぞれの取得方法を見ていきましょう。
1)専修免許状
専修免許状は、大学院で修士の学位を取得する必要があります。さらに、管理栄養士の免許証と、所定の単位(24単位)が取得条件です。
2)一種免許状
一種免許状は、大学で学士の学位(または管理栄養士養成の4年制の専門学校卒業)が求められます。さらに、管理栄養士免許もしくは、栄養士の免許&管理栄養士養成課程を修了していることが条件。必要な単位は22単位です。
3)二種免許状
二種免許状は、準学士の称号(または栄養士養成の2年制以上の専門学校卒業)と、栄養士の免許、さらに14単位が必要です。
4)なぜ免許が分かれているの?
上記のように3つの種類がありますが、最もノーマルな免許証は『一種免許状』です。3種類に分かれている理由は、「上位の免許状を目指そう」という自発的にスキルアップしてもらうためです。
また、二種免許状の場合『一種免許状を取得できるように努力してね』という努力義務があるほか、栄養教諭は栄養士の資格でもなれるものの、生活習慣病の予防や食物アレルギーの対応など個別指導をすることがあるので、管理栄養士の取得が望ましいとされています。
また、二種免許状の場合『一種免許状を取得できるように努力してね』という努力義務があるほか、栄養教諭は栄養士の資格でもなれるものの、生活習慣病の予防や食物アレルギーの対応など個別指導をすることがあるので、管理栄養士の取得が望ましいとされています。
ちなみに、『この種類の免許じゃないと働けない!』といったものはなく、教員採用試験においては『普通免許状を有するもしくは取得見込みの人』が出願可能です。
5)栄養教諭の免許取得ルート
現在取得している資格によって、栄養教諭の免許取得のルートは異なります。
管理栄養士または栄養士の資格がある場合は、栄養教諭の免許が取れる学校に再度入学するか、必要な科目のみ受講する科目等履修生になり、栄養教諭の教職課程を履修すると免許が取得できます。
学校栄養職員としての勤務経験がある場合は、一定の勤務経験と都道府県教育委員会による講習で単位を修得すると栄養教諭の免許が取れる特別な措置があります。
小学校の先生などの教員免許を持っている場合は、専門学校や短期大学などの栄養士養成施設で栄養士免許を取得しましょう。
栄養士免許・教員免許いずれも持っていない場合は、栄養教諭の免許が取得できる専門学校や大学・短期大学に入学することで栄養教諭免許が取得可能です。
管理栄養士または栄養士の資格がある場合は、栄養教諭の免許が取れる学校に再度入学するか、必要な科目のみ受講する科目等履修生になり、栄養教諭の教職課程を履修すると免許が取得できます。
学校栄養職員としての勤務経験がある場合は、一定の勤務経験と都道府県教育委員会による講習で単位を修得すると栄養教諭の免許が取れる特別な措置があります。
小学校の先生などの教員免許を持っている場合は、専門学校や短期大学などの栄養士養成施設で栄養士免許を取得しましょう。
栄養士免許・教員免許いずれも持っていない場合は、栄養教諭の免許が取得できる専門学校や大学・短期大学に入学することで栄養教諭免許が取得可能です。
4.栄養教諭の就職状況
文部科学省の「令和4年度公立学校教員採用選考試験の実施状況」によると、栄養教諭の受験者数は1,597人、採用者数は177人であり、競争率(採用倍率)は9.0です。他職種の採用倍率は、小学校教員が2.5、養護教諭は7.2であるため、栄養教諭の採用倍率が非常に高いといえます。
平成30年~令和4年の過去5年間における栄養教諭の採用試験の推移を見ると、採用者数は年々減少しており、競争率はどんどん高まっています。
平成30年~令和4年の過去5年間における栄養教諭の採用試験の推移を見ると、採用者数は年々減少しており、競争率はどんどん高まっています。
義務教育法で定められた公立小中学校における栄養教諭・学校栄養職員の配置人数において、給食単独実施校なら550人以上の学校に1人、共同調理場なら1500人以下の学校に1人と決まっています。そのため、小中学校の教員などと比較して、採用の人数にも限りがあるといえるでしょう。
5.栄養教諭の給与やお休みなどの待遇面
気になる栄養教諭の給与やお休みなどの待遇面を、徹底的に調べました!
1)給与
・初任給
18万円~20万円
・年収
公立:300~400万
私立:500万
18万円~20万円
・年収
公立:300~400万
私立:500万
年齢や勤務年数によっても異なりますが、およそ目安は上記の通りです。
2)勤務時間
勤務時間は、勤務校や勤務する給食センターによって異なります。参考として、公立学校の栄養教諭の場合、8時~17時の勤務で、1週間あたり40時間とされています。
しかし、各学校に栄養教諭は1人であることが多いので、残業や仕事を持ち帰るケースも多いようです。さらに、他の先生と同じようにクラブ活動や行事への参加があり、退勤時間が22時頃になることもあるそうです。
しかし、各学校に栄養教諭は1人であることが多いので、残業や仕事を持ち帰るケースも多いようです。さらに、他の先生と同じようにクラブ活動や行事への参加があり、退勤時間が22時頃になることもあるそうです。
3)お休み
学校のお休みと同様、栄養教諭は土日祝日がお休みの場合がほとんどです。とはいえ、仕事の量が多いと休日出勤になる場合もあります。
また、夏休みなどの長期休みは書類作成や調査などの仕事がありますので、もちろんですが「8月は丸々お休み!」というわけではないので要注意です…!
また、夏休みなどの長期休みは書類作成や調査などの仕事がありますので、もちろんですが「8月は丸々お休み!」というわけではないので要注意です…!
6.栄養教諭求人の応募方法は?
栄養教諭の求人の応募方法は、各都道府県の判断によって違っています!
なぜなら、
・義務教育の学校全てで学校給食を実施していないこと
・公立の小中学校の栄養教諭は、県の費用で負担する教職員であること
から、各自治体や設置者の判断によって決まります。
一般的に多いのは、他の学校の先生と同様に教員採用試験を受ける方法です。
教員採用試験の内容も都道府県によって異なりますが
・第一次選考で筆記試験と論文
・第二次選考で面接と実技(模擬授業)
がある場合が多いです。
一方で、例えば東京都などは都道府県の行政職員である学校栄養職員として採用し、一定年数を経て栄養教諭への切り替え試験を行う自治体もあります。
ちなみに、学校栄養職員としての採用の場合は、公務員試験と同様に
・一次試験で一般教養と専門知識の筆記試験
・二次試験で個別面接
がある場合が多いですが、こちらも、自治体によって試験内容は異なります。
そのため、自分が働きたい自治体の教員採用試験や公務員試験の情報をしっかりチェックしておきましょう!
なぜなら、
・義務教育の学校全てで学校給食を実施していないこと
・公立の小中学校の栄養教諭は、県の費用で負担する教職員であること
から、各自治体や設置者の判断によって決まります。
一般的に多いのは、他の学校の先生と同様に教員採用試験を受ける方法です。
教員採用試験の内容も都道府県によって異なりますが
・第一次選考で筆記試験と論文
・第二次選考で面接と実技(模擬授業)
がある場合が多いです。
一方で、例えば東京都などは都道府県の行政職員である学校栄養職員として採用し、一定年数を経て栄養教諭への切り替え試験を行う自治体もあります。
ちなみに、学校栄養職員としての採用の場合は、公務員試験と同様に
・一次試験で一般教養と専門知識の筆記試験
・二次試験で個別面接
がある場合が多いですが、こちらも、自治体によって試験内容は異なります。
そのため、自分が働きたい自治体の教員採用試験や公務員試験の情報をしっかりチェックしておきましょう!
7.栄養教諭に求められるスキルとは?
栄養教諭に求められるものは、子どもに指導するスキルと、給食を管理するスキルです。詳しく解説していきます!
1)子どもに指導するスキル
管理栄養士・栄養士の資格を持つ教諭として、子どもたちにかみ砕いて栄養や食について説明するスキルが求められます。大勢の子どもの前で話す力、必要な教材を自分で手作りする力、各学年の指導要領に沿って指導を行う力などです。
ほかにも、子どもとのコミュニケーションを取ることはもちろん、時には厳しく注意したりと、ひとりの教師として指導するスキルが必要です。
さらに、偏食や肥満などのある児童生徒には、個別にアドバイスをするカウンセラー的な役割や、家庭への支援も重要視されています。
ほかにも、子どもとのコミュニケーションを取ることはもちろん、時には厳しく注意したりと、ひとりの教師として指導するスキルが必要です。
さらに、偏食や肥満などのある児童生徒には、個別にアドバイスをするカウンセラー的な役割や、家庭への支援も重要視されています。
2)給食を管理するスキル
各学校に栄養教諭が一人といった場合が多いので、自分ひとりで給食管理を行う必要があります。食育の生きた教材とするための魅力的な献立だけでなく、近年増加している食物アレルギー対応なども求められます。
大量調理では材料調達のトラブルや異物混入、調理ミスなど日々直面する問題に柔軟に対応し、再発を防ぐ対策づくりも必要です。
さらに、食に関する指導の時間をしっかりと確保できるように、管理業務を効率的に行うことも大切なスキルです。
大量調理では材料調達のトラブルや異物混入、調理ミスなど日々直面する問題に柔軟に対応し、再発を防ぐ対策づくりも必要です。
さらに、食に関する指導の時間をしっかりと確保できるように、管理業務を効率的に行うことも大切なスキルです。
8.管理栄養士が活躍できる職場を見つけるなら、栄養士人材バンク
栄養教諭以外にも、管理栄養士・栄養士が活躍できる場所があります。例えば、保育園なら栄養教諭の免許がなくても子どもたちの食に関われますし、超高齢化社会の現在は、高齢者の健康づくりも求められています。
「栄養教諭以外にも視野を広げて転職活動をしたい」「自分のキャリアややりたいことを相談しながら仕事を探したい」という方は、転職エージェントを活用されてみてはいかがでしょうか?
「栄養士人材バンク」は、管理栄養士・栄養士の転職サポートに特化した転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーに悩みを相談しながら転職活動を行うことができ、さらに待遇面など自分から言いにくいことを代わりに確認してくれるので、余計なストレスなく転職活動を進められます。
「自分の地域付近の求人はあるの?」と気になった方は、ぜひエイチエの求人情報をチェックしてみてくださいね。
「栄養教諭以外にも視野を広げて転職活動をしたい」「自分のキャリアややりたいことを相談しながら仕事を探したい」という方は、転職エージェントを活用されてみてはいかがでしょうか?
「栄養士人材バンク」は、管理栄養士・栄養士の転職サポートに特化した転職エージェントです。専任のキャリアアドバイザーに悩みを相談しながら転職活動を行うことができ、さらに待遇面など自分から言いにくいことを代わりに確認してくれるので、余計なストレスなく転職活動を進められます。
「自分の地域付近の求人はあるの?」と気になった方は、ぜひエイチエの求人情報をチェックしてみてくださいね。
9.まとめ
今回は栄養教諭についてご紹介しました。「食育」と「学校給食の管理」の両輪が求められていることが分かりましたね。
栄養教諭の正規採用は、毎年1~2人といった場合が多いので、狭き門であるのは事実。一方、栄養教諭の産休・育休代理などの臨時的任用職員としての募集をされている場合もあります。
栄養教諭を目指したい方は、自分が受けたい自治体の採用情報をしっかりチェックしておきましょう!
栄養教諭の正規採用は、毎年1~2人といった場合が多いので、狭き門であるのは事実。一方、栄養教諭の産休・育休代理などの臨時的任用職員としての募集をされている場合もあります。
栄養教諭を目指したい方は、自分が受けたい自治体の採用情報をしっかりチェックしておきましょう!
参考文献・サイト
- 文部科学省 栄養教諭制度について(2022/2/2)
- 文部科学省 食育・栄養教諭に関してよくあるご質問Q&A(2022/2/2)
- 文部科学省 資料4‐2 栄養教諭免許制度の概要(2023/11/29)
- 文部科学省 食に関する指導体制の整備について(答申)(概要)(2022/2/2)
- 東京都人事委員会 初任給一覧(2022/2/2)
- honne.biz 【職種】栄養教諭が明かす仕事の本音(2022/2/2)
- 東京都職員採用 2類採用試験(2022/2/2)
- 文部科学省 栄養教諭の養成・免許制度の在り方について(2022/2/3)
- 文部科学省 義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について(関係資料)(2023/11/29)
- 文部科学省 平成30年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について(2023/11/29)
- 文部科学省 令和元年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について(2023/11/29)
- 文部科学省 令和2年度(令和元年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況について(2023/11/29)
- 文部科学省 令和3年度(令和2年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況について(2023/11/29)
- 文部科学省 令和4年度(令和3年度実施)公立学校教員採用選考試験の実施状況について(2023/11/29)