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2022.07.11

在宅訪問管理栄養士とは?役割や仕事内容、資格の取得方法を解説

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こんにちは、管理栄養士のなつめももこです。

在宅で療養をしている方に向けてサポートを行う「在宅訪問管理栄養士」の仕事についてご存知でしょうか?

在宅で療養を行う方が増えていく一方、在宅訪問栄養食指導ができる管理栄養士は人手不足の状態です。

今後も需要が高まりたくさんの方の役に立てる仕事ですので、ぜひ記事を参考に将来を考えてみてくださいね。

1.在宅訪問管理栄養士とは?

公益社団法人日本栄養士学会によると、在宅訪問管理栄養士とはこのように定義されています。
在宅医療と関わる他職種と連携が取れ、かつ在宅療養者の疾患・病状・栄養状態に適した栄養食事指導(支援)ができる管理栄養士を育成することを目標に、公益社団法人 日本栄養士会・全国在宅訪問栄養食事指導研究会(現・一般社団法人 日本在宅栄養管理学会)認定の「在宅訪問管理栄養士」制度が平成23(2011)年度にスタートしました。
つまり、在宅訪問管理栄養士とは他職種の方と連携を取りながら在宅療養者へ栄養面でのサポートを行う栄養士のことです。

在宅療養者が安全にかつ快適に在宅で生活できるように訪問栄養食事指導を行い、QOLの向上を目指します。

今後ますます在宅療養者が増加していくに伴い、在宅訪問管理栄養士も需要が高まり活躍の場が広がっていくと考えられています。

2.在宅訪問管理栄養士が求められる理由

「病院や施設ではなく、住み慣れた自宅で生活したい」といった希望を患者様や利用者様から聞いたことがあるのではないでしょうか。

自分らしく元気に生活するために自宅で過ごしたいというニーズは高く、今後も希望する方は増え続けるでしょう。

また、個人的な希望だけでなく医療費の削減のため病院から在宅へと生活を移す流れができています。国策により地域包括ケアシステムが促進され、地域ごとに助け合いの体制が整っていることも在宅療養者が増えている理由の一つです。

在宅で過ごしたいというニーズと国策とが相まって、医師、看護師、リハビリ職、介護職など医療介護領域では在宅療養への流れが今後も加速すると考えられています。

在宅療養中に、食事のケアは欠かせません。在宅療養者が増加するとともに、栄養食事指導の知識を持つ管理栄養士が必然的に求められています。

3.在宅訪問管理栄養士の役割と仕事内容

役割

在宅訪問管理栄養士の役割は、在宅療養者の方の病状や栄養状態に適した栄養食事指導を行うことです。

在宅療養者へのサポートと聞くと高齢の方が対象と思いがちですが、食事管理が必要な方全員が対象となります。小さいお子さんからお年寄りまで、幅広くサポートする必要がありますよ。

また、単純に知識やスキルでサポートするだけでなく、寄り添う気持ちが大切です。生活の中で一番身近にある「食」を通じて喜びや幸福感が味わえるように工夫し、コミュニケーションをとることで楽しい気持ちを共有することが求められます。

「管理栄養士が訪問してくれる日や食事が楽しみ」と思ってもらえるように、心を開いてもらえる会話や笑顔も重要ですよ。

仕事内容

在宅訪問管理栄養士は在宅で療養されている方のお住まいに訪問し、訪問食事栄養指導を行います。

訪問食事栄養指導には以下の2種類があります(医師の指導に基づき月1〜2回、30分以上の指導)。
・居宅療養栄養指導(介護保険適用サービス)
・在宅患者訪問栄養食事指導(医療保険適用サービス)
算定される点数や実施機関など詳細は異なりますが、どちらも食事に関する具体的な情報提供や指導を行います。

また、それぞれ生活環境が異なるため一人ひとりに合う指導をしていく必要があります。好き嫌いや料理のスキル、嚥下機能、家族構成などに配慮し適切な指導をしましょう。

また、訪問食事栄養指導の仕事以外にはカルテの記入、栄養ケア計画書の作成、他職種とのミーティングなどもあります。管理栄養士のスキルだけでは解決できないことが多々あります。他職種の方との連携が大事ですよ。

4.在宅訪問管理栄養士はどこで働いているの?

在宅訪問管理栄養士は以下の施設など主に医療機関で働いています。
・病院・クリニックなどの医療施設
・栄養ケア・ステーション
・薬局や歯科医院
上記のような在宅患者訪問栄養食事指導ができる事業所、指定居宅療養管理指導事業所のどちらかに勤めていることで訪問栄養食事指導を行えます。

5.在宅訪問管理栄養士認定資格の取得方法

在宅訪問管理栄養士認定資格の取得方法についてご説明します。

①資料請求

在宅訪問管理栄養士の認定資格を取るには、まず資料請求をしましょう。「一般社団法人 日本在宅栄養管理学会」のホームページの入力フォームから送信できます。

在宅訪問管理栄養士資料請求|訪栄研 日本在宅栄養管理学会

②受講料の入金

受講料を入金します。申し込み時点で日本在宅栄養管理学会の会員か非会員かで受講料が変わります。

会員の方
 34,500円

非会員の方
 43,500円(入会金1,000円+年会費7,000円を含む)

③インターネットカレッジの受講

入金後、インターネットカレッジで受講をしましょう。パソコンがあれば受講できますので、通学する必要はありません

事前学習プログラムを受講後に確認テストが実施されます。30分間のテストで正答率60%以上になると合格です。不合格の場合は追試を受けましょう。

12月の認定試験を受験される方は9月末までにファーストステップまでの学習を終える必要があります。計画的に進めていきましょう。

④セカンドステップ学習と認定試験受験の申込

セカンドステップ学習を受講するために10月中に11,000円を入金しましょう。

⑤セカンドステップ学習・認定試験の実施

セカンドステップ学習は12月上旬の2日間で関東地区、またはオンライン学習にて試験が一度に行われます。

また、この時までに下記の受験要件を満たす必要があります。
・日本栄養士会と日本在宅栄養管理学会の会員であること
・管理栄養士登録から5年以上経過
・病院、診療所、高齢者施設などで管理栄養士としての従事日数が900日(3年6ヶ月以上)を超えていること

⑥在宅訪問栄養食事指導実施・実践症例検討報告レポートの提出

⑤のセカンドステップ学習・認定試験の合格後、2か月以内に「在宅訪問栄養食事指導実施・実践症例検討報告レポート」を提出します。

在宅での症例が必要なため、就業先によっては周りからの協力と理解が不可欠です。在宅訪問指導を実施していない就業先にお勤めの方は、予め時間と許可を取れるようにしておきましょう。

在宅訪問管理栄養士 認定レポートについて

在宅訪問管理栄養士資格取得のレポートについて

なお、レポート審査が不合格の場合は、再審査料6,600円が必要になります。

⑦在宅訪問管理栄養士の認定

レポート審査に合格後、資格が認定されます!
認定時には以下の料金が必要です。

認定証の交付料
 11,000円

5年ごとの更新料
 7,700円

6.まとめ

在宅訪問管理栄養士は自宅へ訪問することで療養者の方としっかり交流し、一人ひとりの環境に合う指導を行う必要があります。

責任が大きい反面、多くのやりがいを感じられる仕事です。気持ちを込めてコミュニケーションをとることで、在宅療養者の方にあなたの訪問を楽しみにしてもらえますよ。

高齢化や医療費増大に伴い、在宅訪問管理栄養士の需要はこれから伸びていくと考えられます。しかし、認定者は2020年までの総数で約1,100名程度しかいない希少な認定です。

キャリアアップをお考えの方やこれまでの経験を活かして栄養指導をしてみたい方は、時代のニーズに合う在宅訪問管理栄養士の仕事をぜひ検討してみてくださいね。

参考文献・サイト

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なつめ ももこ

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