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2021.12.28

2022.07.07

精神科病院で働く管理栄養士・栄養士とは?仕事内容ややりがいなどを紹介!

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こんにちは、管理栄養士のなつめももこです。

管理栄養士・栄養士が活躍する現場は多数ありますよね。意外かも知れませんが、精神科病院は管理栄養士・栄養士のスキルをとても活かせる職場です。

私自身、精神科病院の管理栄養士として4年半従事してきました。その間、食事に対する不安がある患者様や、心のこもった料理を求めている患者様と接する機会が多々ありました。

今回は私の経験もお伝えしながら、管理栄養士・栄養士のスキルを活かせる精神科病院の特徴についてご紹介します。

1.精神科病院で働く管理栄養士・栄養士の役割と仕事内容とは?

役割

他の診療科の病院で働く栄養士同様、精神科病院の管理栄養士・栄養士の役割は栄養指導や献立作成といった患者様の基本的な食事のサポートです。

精神科に通院もしくは入院している患者様には食事面での治療やサポートが必要な方が多くいます。

例えば、認知症や統合失調症により食事が困難な方。精神科の病気と糖尿病を合併されている方。精神面の不安や処方された薬の副作用により食事に対してのケアが必要な方など。

会話やコミュニケーションがとりづらく、意思疎通や接し方が難しい患者様も少なくありません。

精神科で働く管理栄養士・栄養士は単純に「栄養指導」「献立作成」といっても、患者様一人ひとり に合わせた対応力が必要になります。

仕事内容

精神科病院で働く管理栄養士・栄養士の仕事内容の例は以下のとおりです。
・栄養指導
・栄養アセスメント
・衛生管理
・行事食やイベント立案
・給食受託会社の管理
・献立作成、チェック
・発注 など

就職する精神科病院が給食委託会社に給食業務を委託しているか。もしくはご自身が病院に直接採用されるかによって仕事内容は異なります。

また、精神科病院の規模や医院長をはじめとする病院全体の考え方により、病院ごとの特色があります。

私が勤務していた精神科病院では「患者様が喜ぶ、交流の場を多く設けよう」という考えのもとでイベントが豊富でした。

運動会や夏祭り、餅つきなど各イベントで食事はつきものでしたので、その度に管理栄養士・栄養士の腕の見せ所となっていましたよ。

入社前に病院のホームページを検索したり、実際に見学に行ったりしてその病院の特徴を調べておくことをおすすめします。

2.精神科病院における管理栄養士・栄養士の給与やお休みなどの待遇面

給与

■正社員
月給 18万~25万
年収 280万~400万

勤務時間

日勤のみ 8時~17時
日勤帯のみの勤務が多い傾向にありますが、業務内容によっては早朝出勤や遅番など変則的なシフト制の場合もあります。

お休み

週休2日でシフト制が多いです。
日曜祝日が固定の休日、年末年始、夏季休暇ありなど勤務する病院により詳細は異なります。

詳しくは各求人情報を確認してみましょう。

3.精神科病院での大変なこと・やりがいとは?

大変なこと

精神科病院にはコミュニケーションがとりづらい患者様が多く入院しています。認知症で入院している患者様や、病状によりうまく会話ができない患者様は珍しくありません。

栄養指導をしたくても、担当看護師から「今は難しいです」と言われることもあるでしょう。実際に私も栄養指導の際に、接し方が難しい患者様の場合は看護師立ち会いのもとで進めたことが何度もありました。

患者様との距離の縮め方やコミュニケーションに関しては繊細な部分があります。 担当看護師と情報を共有して患者様にとって負担のない方法で接するようにしましょう。

やりがい

長期入院の患者様が比較的多いため、顔を覚えて声をかけてくださる機会が多くあります。管理栄養士・栄養士であることを患者様に覚えていただけると食事の感想も直接聞けるチャンスが増えるでしょう。

精神科病院に入院する患者様は食事や栄養と関連した症状のある方が多い傾向にあります。そのため、褥瘡が改善した、体重のコントロールが良好になった、など症状や数値で結果を得られることもやりがいを感じる瞬間です。
*実体験エピソード
食事の形態が突然大幅にアップした患者様がいらっしゃり、気になって病棟へ行ってみると「食事がおいしくて食べる意欲が湧いてきた」と伝えられたこともありました。

食事のおいしさがきっかけとなり、患者様の意欲やADLが向上することは管理栄養士・栄養士にとって何よりのやりがいですよね。

4.精神科病院で求められるスキル、向いている人は?

コミュニケーションスキル

他の病院と同様、精神科病院でもコミュニケーションスキルが必須です。

患者様が何に困っているのか、なぜ食べられないか、なぜ食べすぎてしまうのか、といった問題を察知する力が必要になります。

また、症状が安定していない患者様と無理にコミュニケーションをとろうとせず、「ここは他の方に間に入ってもらおう」と判断することも大事です。

そういった患者様の場合は、担当医師・看護師、もしくはご家族様などと相談し、患者様が1番リラックスしてコミュニケーションをとれる環境づくりをしましょう。

また、患者様の状況を把握するには、他職種の方との連携が欠かせません。

担当医師・看護師はもちろんのこと薬剤師や作業療法士などと日頃からコミュニケーションをとっておくことで、より患者様の状況を把握できますよ。

献立作成スキル

精神科病院では献立作成のスキルや病気に対応した食事の知識が不可欠です。

精神科の患者様は病気の症状により食事に問題のある方、薬の副作用で体重コントロールが難しい方が少なくありません。また、認知症の患者様も多いため、嚥下や褥瘡の問題も常に気にしなければならないでしょう。

病気の治療や体重の改善、嚥下機能に考慮した献立を作成し、看護師や医師と連携して経過について考察していく必要があります。

献立作成は給食委託会社の管理栄養士・栄養士が行う場合も多々ありますが、知識がなければチェックすることも改善方法を伝えることもできません。

また、一般の病院ではアレルギーに対してのみ対応する禁止食も、精神科病院では対応がさまざまです。

私が勤務していた精神科病院でも、既製品以外のデザートが食べられない、小魚の目を見ることができない、といった患者様へ禁止食の対応をしていました。

多くの制限がある中での献立作成や対応は大変ですが、病棟のスタッフとも連携して1番よい状態で食事提供できるようにしましょう。

向いている人は?

精神科の管理栄養士・栄養士には患者様に寄り添う気持ちを第一に考えられる方が向いています。

精神科の患者様の症状や訴えは実にさまざまです。一般の病院では相談されることのない内容について対応を求められることもあります。
*実体験エピソード
ある時、「病院食には毒が盛られている!」と完全に思い込んでいる患者様がいると看護師長より相談を受けました。「毒が入っているから」ということで一切食事を摂らなくなってしまったというのです。

そこで、患者様と看護師長を栄養部へ招待し、ゆっくりとお話をしながら「安心してください」とお伝えしました。

その後も数日間は病棟へ向かい、その患者様の食事中に声をかけ続け、安心して食べてもらえるようになりましたよ。

寄り添う気持ちがなければ、なかなか行動できません。一人ひとりに対して想いを向けることができる方は、精神科の管理栄養士・栄養士に向いていますよ。

逆に、淡々とお仕事をこなしたいという方には向いていないかもしれません。どんな風に働きたいのか、じっくり考えてみてくださいね。

5.日本精神科医学会認定栄養士とは?

精神科の病院で働くなら、日本精神科医学会認定栄養士の資格を取得するとよいでしょう。

日本精神科医学会認定栄養士とは、公益社団法人 日本精神科病院協会に認定される資格です。

主に精神科病院に勤務する常勤の管理栄養士の役割認識や素質を高め、医療サービスを向上することを目的した認定資格で、技能判定および面接合格後に認定されます。

この資格は、すでに常勤の管理栄養士として精神科の病院で働いていることや、管理栄養士としての臨床経験が5年以上あることが条件です。

まずは就職してから試験対策や受験をすることになりますので、ぜひ就職後にトライしてみてくださいね。

日本精神科医学会認定栄養士について、詳しくはこちらの記事も併せてご覧ください

【まとめ】日本精神科医学会認定栄養士とは?精神科栄養に関わる栄養士さん必見の認定資格を詳しく紹介!

6.まとめ

精神科病院に入院する患者様は、食事と関係する症状や副作用がある方が多い傾向にあります。そのため、管理栄養士・栄養士による栄養サポートが必須です。

コミュニケーションが円滑にとれず、接し方が難しい患者様が少なくないのも事実です。うまくいかない時は先輩栄養士や病棟のスタッフに相談してみてくださいね。連携したサポートにより患者様の容態が改善した時にはやりがいも感じられますよ。

精神科病院への転職をお考えの際は、ぜひ栄養士人材バンクに登録してみてくださいね。

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なつめ ももこ

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