AI健康アプリを活用、より効果的な指導へ
株式会社Wellmira(以下、Wellmira)は10日、京都大学大学院医学研究科社会疫学分野の佐藤豪竜研究員、株式会社東芝(以下、東芝)とともに、2024年9月17日から、AI健康アプリを用いた、高血圧傾向の人に対する遺伝情報を踏まえた減塩指導の介入効果を検証する共同研究に着手すると発表した。
将来的には、個人に最適化した栄養素の提案・提供などを行う「パーソナライズド・ニュートリション」サービスの実現や商品開発・提案に活かしていくことを目指す。
高血圧をもたらす主な要因として、一般に塩分の過剰摂取が知られているが、実際は食塩摂取量に対する血圧上昇反応性(食塩感受性)は特定の遺伝子で決定されるもので、個人によりその影響には差がある。
今回の研究では、食塩感受性遺伝子型をもつ高血圧傾向の人を特定し、対象者にその旨を告知した上で、WellmiraのAI健康アプリ「カロママ プラス」によって個別アドバイスを送信、対象者が食塩摂取量を減らしていく行動変容につなげられるかどうか検証を行う。
検証によって、行動変容を促す効果が確認されれば、今後、遺伝情報を踏まえた減塩指導プログラムを開発・サービス化し、高血圧傾向の人に保健・栄養指導を実施する現場に活用してもらうことを考えているという。
将来的には、個人に最適化した栄養素の提案・提供などを行う「パーソナライズド・ニュートリション」サービスの実現や商品開発・提案に活かしていくことを目指す。
高血圧をもたらす主な要因として、一般に塩分の過剰摂取が知られているが、実際は食塩摂取量に対する血圧上昇反応性(食塩感受性)は特定の遺伝子で決定されるもので、個人によりその影響には差がある。
今回の研究では、食塩感受性遺伝子型をもつ高血圧傾向の人を特定し、対象者にその旨を告知した上で、WellmiraのAI健康アプリ「カロママ プラス」によって個別アドバイスを送信、対象者が食塩摂取量を減らしていく行動変容につなげられるかどうか検証を行う。
検証によって、行動変容を促す効果が確認されれば、今後、遺伝情報を踏まえた減塩指導プログラムを開発・サービス化し、高血圧傾向の人に保健・栄養指導を実施する現場に活用してもらうことを考えているという。
ランダム化比較試験で実施
研究は2024年9月17日~2024年12月16日の期間、ランダム化比較試験方式で実施する。
実施に際しては、東芝が同意の得られた従業員から取得しているゲノムデータ及び過去10年以上の健康診断や問診結果、レセプトデータを含むヘルス関連データを活用する。この収集・蓄積された1.5万人超の企業コホートを用い、登録者のうち、研究に同意した従業員約300人を対象者として調査を進めていく。
条件を変えて比較し、効果の検証を行うため、まず参加者を介入群、対照群1、対照群2の3群に分ける。介入群には、食塩感受性遺伝子型をもっていることを告知し、Wellmiraの「カロママ プラス」で食事内容を記録してもらう。同アプリからはAIによるアドバイスや、減塩・食塩感受性遺伝子型に関するコラム、クイズなどの配信がなされる。
対照群1、2には遺伝情報の告知は行わず、対照群1は食事内容をアプリに記録してもらうが、アドバイスやコラムなどの配信は行わないものとする。対照群2は、そもそも「カロママ プラス」アプリを用いないようにし、一切の介入がない状態として調べる。
3カ月間の調査によって得られたデータや参加者の健康診断結果など、関連する情報については、京都大学が研究機関としての医学的知見をもとに、詳細な解析・分析を実施する。
実施に際しては、東芝が同意の得られた従業員から取得しているゲノムデータ及び過去10年以上の健康診断や問診結果、レセプトデータを含むヘルス関連データを活用する。この収集・蓄積された1.5万人超の企業コホートを用い、登録者のうち、研究に同意した従業員約300人を対象者として調査を進めていく。
条件を変えて比較し、効果の検証を行うため、まず参加者を介入群、対照群1、対照群2の3群に分ける。介入群には、食塩感受性遺伝子型をもっていることを告知し、Wellmiraの「カロママ プラス」で食事内容を記録してもらう。同アプリからはAIによるアドバイスや、減塩・食塩感受性遺伝子型に関するコラム、クイズなどの配信がなされる。
対照群1、2には遺伝情報の告知は行わず、対照群1は食事内容をアプリに記録してもらうが、アドバイスやコラムなどの配信は行わないものとする。対照群2は、そもそも「カロママ プラス」アプリを用いないようにし、一切の介入がない状態として調べる。
3カ月間の調査によって得られたデータや参加者の健康診断結果など、関連する情報については、京都大学が研究機関としての医学的知見をもとに、詳細な解析・分析を実施する。
最適な指導で健康寿命延伸へ
高血圧症は日本人の約3人に1人が罹患しているとされ、心疾患や脳卒中のリスク因子となる。現状の一般的な治療や指導は、高血圧症に限らず、遺伝情報を考慮しない一律の実施で、治療効果が思うように得られないケースがしばしばあるほか、高齢化社会の深刻な社会問題のひとつである医療費増大を招くもとになっている。
研究を実施する3者では、こうした状況を改善し、患者ごとの遺伝的背景を考慮した、より効果の高い治療や介入を進めることで、健康寿命の延伸や医療費抑制が叶うと見込んでいる。
高血圧症の改善においては、食塩感受性遺伝子型をもつ人の場合、食塩摂取量を減らすことで血圧を下げる効果が期待できるが、その遺伝子型をもたない人では効果がなく、薬による治療や運動など他の方法をとることが有益となる。
日本人の高血圧症患者の場合、食塩感受性高血圧と食塩非感受性高血圧の割合はほぼ半々とみられているといい、より効果的な治療を進めていくには、患者ごとの遺伝子型を判定、告知を行った上で、それに適した生活改善指導を実施し、患者が適切な行動変容を実行できるようにしていくことが重要といえる。
今後は栄養指導も、遺伝情報や健康診断データ、ライフログ情報などを総合的に活用し、個人に最適化したものとして行っていくようになる可能性がある。
真に個人の健康リスクと向き合った介入により、予防医療の充実化、健康寿命の延伸などの実現が期待される。
(画像はプレスリリースより)
研究を実施する3者では、こうした状況を改善し、患者ごとの遺伝的背景を考慮した、より効果の高い治療や介入を進めることで、健康寿命の延伸や医療費抑制が叶うと見込んでいる。
高血圧症の改善においては、食塩感受性遺伝子型をもつ人の場合、食塩摂取量を減らすことで血圧を下げる効果が期待できるが、その遺伝子型をもたない人では効果がなく、薬による治療や運動など他の方法をとることが有益となる。
日本人の高血圧症患者の場合、食塩感受性高血圧と食塩非感受性高血圧の割合はほぼ半々とみられているといい、より効果的な治療を進めていくには、患者ごとの遺伝子型を判定、告知を行った上で、それに適した生活改善指導を実施し、患者が適切な行動変容を実行できるようにしていくことが重要といえる。
今後は栄養指導も、遺伝情報や健康診断データ、ライフログ情報などを総合的に活用し、個人に最適化したものとして行っていくようになる可能性がある。
真に個人の健康リスクと向き合った介入により、予防医療の充実化、健康寿命の延伸などの実現が期待される。
(画像はプレスリリースより)