株式会社セカンドハート（以下、セカンドハート）は18日、糖尿病チーム医療の課題と解決策を探った「糖尿病関係者調査2025」を資料としてまとめ、無償提供を開始した。全国の糖尿病・足病変に関わる医療従事者向けとして提供されており、簡単な必要事項を送信し申請すればダウンロード可能となる。

関西エリアにある9つの先端医療施設の協力を得て実施された調査結果をもとに取りまとめられた資料で、関係者にとって価値ある知見が詰まっている。

糖尿病患者の治療・療養には、医師だけでなく管理栄養士、看護師、薬剤師、理学療法士などさまざまな職種がチームとなって取り組むことが重要となる。

管理栄養士の場合であれば、患者とその家族が適切な食事療法を実践・継続できるよう食事指導を行っていくことを中心に、自己管理の水準を向上させてQOL充実を図っていくものとなるだろう。

しかし、糖尿病治療のチーム医療現場には多くの課題があり、とくに情報共有の不足やコミュニケーション面の課題、業務負担の偏り、患者教育の不足・指導時間確保の困難さなどが指摘されている。

チーム医療の現状と課題において、とくに今以上に必要だと思う要素を5つ選択してもらった結果では、「電子カルテや共有プラットフォームの活用」、「オープンで透明なコミュニケーション環境」、「役割に基づいたタスク分担と管理」が最多の5施設（55.6％）で選ばれた項目となった。

次いで「定期的なチームミーティングの実施」が4施設（44.4％）、「患者が医療チームと密に連携し、自身の健康管理をより効果的に行うためのツールや仕組み」と「職場環境の改善や働きやすさの向上」の3施設（33.3％）が続いている。

「電子カルテや共有プラットフォームの活用不足」に関しては、システム上の強化が急務であるとされ、また「オープンなコミュニケーション環境の欠如」には、多職種が互いを尊重しながら対話しやすい場を創出していくことが必要との指摘がなされた。

「チームミーティングの不足」には、定期的なカンファレンスを実施し、診療方針を統一して進めていく必要があること、「患者の健康管理を支援する仕組みの不足」には、遠隔診療やアプリの活用などにより患者教育をいっそう強化していくことが重要であるとされている。

「タスク分担の不明確さ」に関しては、それぞれの担う役割と責任を明確化し、偏りのないよう業務負担を適正化していくことが必要だとされ、「職場環境の改善」では労働環境整備こそチーム医療推進の鍵になるとして、積極的な見直しが求められるとされた。

調査の協力医療機関は滋賀医科大学医学部附属病院、松下記念病院、京都中部総合医療センター、彦根市立病院、関西医科大学総合医療センター、近江八幡市立総合医療センター、長浜市立湖北病院、JCHO大阪病院ほか。

資料には、これら協力医療機関の具体的な取組事例も掲載されており、大いに参考となる内容になっている。

（画像はプレスリリースより）