大崎上島町で長期介入調査を実施
サッポロホールディングスは25日、同社の傘下にあるポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社(以下、ポッカサッポロ)と広島県大崎上島町、広島県公立大学法人県立広島大学(以下、県立広島大学)による共同の取り組みとして、広島県大崎上島町民を対象に実施した、日常的なレモン摂取による成人の生活習慣病関連指標に及ぼす影響の調査研究結果を発表した。
この研究は、「広島県大崎上島町における長期介入研究」として2018年に着手され、2023年まで5年間にわたって実施され、今年5月24日~26日に開催された「第78回日本栄養・食糧学会大会」でその成果が発表報告されている。
サッポロホールディングスによると、2013年2月に広島県とポッカサッポロはパートナーシップ協定を締結、県立広島大学や広島県立総合技術研究所とともに、レモンに関するさまざまな研究を進めてきたという。
さらに2016年4月には、広島県大崎上島町とポッカサッポロで、レモン栽培の振興などに関する包括協定を締結、産地との取り組みも積極的に深めてきた。
レモンは爽やかな酸味と香りが特徴的な柑橘果実として広く親しまれているが、レモン果汁を継続的に摂取すると、血圧の低下や疲労感軽減効果、レモン果汁とカルシウムを継続摂取することで得られる骨密度改善効果など、多様な機能が注目されているものでもある。
2018年に開始されたこの研究においては、自治体、大学、企業の産官学連携で、町民を対象にレモンを5年間、日常的に食生活へ取り入れてもらい、それによる生活習慣病関連指標などへの影響を調査した。
研究は、2018年5月~2023年5月の期間、大崎上島町の成人男女541人を対象に行われ、「レモン介入群」には、日常的な食生活に加え1日1個分のレモン果汁(約30ml)を摂取してもらった。一方「レモン非介入群」には日常的な食生活を継続してもらっている。
この状態で両郡に割り付けた対象者に対し、年に1度健康指標に関する検査を実施、検査内容は身体検査、血液検査、尿検査、骨密度検査で、レモンの摂取状況や食事内容などのアンケートにも回答してもらった。
この研究は、「広島県大崎上島町における長期介入研究」として2018年に着手され、2023年まで5年間にわたって実施され、今年5月24日~26日に開催された「第78回日本栄養・食糧学会大会」でその成果が発表報告されている。
サッポロホールディングスによると、2013年2月に広島県とポッカサッポロはパートナーシップ協定を締結、県立広島大学や広島県立総合技術研究所とともに、レモンに関するさまざまな研究を進めてきたという。
さらに2016年4月には、広島県大崎上島町とポッカサッポロで、レモン栽培の振興などに関する包括協定を締結、産地との取り組みも積極的に深めてきた。
レモンは爽やかな酸味と香りが特徴的な柑橘果実として広く親しまれているが、レモン果汁を継続的に摂取すると、血圧の低下や疲労感軽減効果、レモン果汁とカルシウムを継続摂取することで得られる骨密度改善効果など、多様な機能が注目されているものでもある。
2018年に開始されたこの研究においては、自治体、大学、企業の産官学連携で、町民を対象にレモンを5年間、日常的に食生活へ取り入れてもらい、それによる生活習慣病関連指標などへの影響を調査した。
研究は、2018年5月~2023年5月の期間、大崎上島町の成人男女541人を対象に行われ、「レモン介入群」には、日常的な食生活に加え1日1個分のレモン果汁(約30ml)を摂取してもらった。一方「レモン非介入群」には日常的な食生活を継続してもらっている。
この状態で両郡に割り付けた対象者に対し、年に1度健康指標に関する検査を実施、検査内容は身体検査、血液検査、尿検査、骨密度検査で、レモンの摂取状況や食事内容などのアンケートにも回答してもらった。
オッズ比評価で血圧上昇の抑制効果を確認
今回の研究における解析では、調査初回時に健康指標が正常値である人を対象として経年的に追跡調査を行い、レモン非介入群に対し、レモン介入群で、効果がみられるかどうかをオッズ比で評価した。
オッズ比は、ある事象の起こりやすさを2群で比較したもので、オッズ比が低ければその因子が疾患を予防することを示すことになる。よってオッズ比が低い場合、日常的にレモンを摂取すれば、その因子における予防効果が確認できたとされる。
オッズ比は、ある事象の起こりやすさを2群で比較したもので、オッズ比が低ければその因子が疾患を予防することを示すことになる。よってオッズ比が低い場合、日常的にレモンを摂取すれば、その因子における予防効果が確認できたとされる。
まず、血圧についてレモン非介入群を1とした場合、レモン介入群では、非介入群に比べ収縮期血圧、拡張期血圧のいずれも数値が高くなることを抑制する効果があると判明した。調整オッズ比は収縮期血圧が0.22、拡張期血圧が0.14となっている。
レモン果汁に含まれるクエン酸の血管弛緩作用により、血圧を低下させることができるとの報告も先行研究においてみられているため、今回の結果からも血圧への良好な効果から健康増進に寄与する可能性が強く示唆された。
レモン果汁に含まれるクエン酸の血管弛緩作用により、血圧を低下させることができるとの報告も先行研究においてみられているため、今回の結果からも血圧への良好な効果から健康増進に寄与する可能性が強く示唆された。
その他の指標では、レモン非介入群を1とした場合、レモン介入群は中性脂肪値で0.65、肝機能指標のASTで0.50、ALTで0.42、γ-GPTで0.59のオッズ比になった。
統計的に有意とは認められなかったが、オッズ比として1.0以下の低値になり、これら健康指標においても悪化の抑制につながる可能性が考えられた。
統計的に有意とは認められなかったが、オッズ比として1.0以下の低値になり、これら健康指標においても悪化の抑制につながる可能性が考えられた。
調査対象者におけるレモンの摂取状況としては、レモン介入群はほぼ1日1個分のレモン摂取ができており、レモン非介入群でも約3日に1個分のレモン摂取はなされていたという。
参加者の特徴として、成人の全国平均摂取量と比べると、カルシウムやビタミンCの摂取量が全体に多い傾向となっていた。一方で食物繊維の摂取量は少なく、食塩摂取量が多いという傾向もあった。
しかし5年後の2023年には、食塩摂取量の減少傾向が確認され、参加者へのアンケートでも普段の食生活で意識した点として、「塩分摂取量」が41%と最も多くの人に意識されていた。「料理の味付け」が次いで多い36%、3位は「栄養バランス」の35%となっている。
しかし5年後の2023年には、食塩摂取量の減少傾向が確認され、参加者へのアンケートでも普段の食生活で意識した点として、「塩分摂取量」が41%と最も多くの人に意識されていた。「料理の味付け」が次いで多い36%、3位は「栄養バランス」の35%となっている。
取り組みに参加し、実際に塩分を控えるようになったかとの問いにも、63%が「はい」と回答しており、健康に配慮したスタイルへの行動変容ももたらしたことが確認された。
ポッカサッポロらは、これまでの食品などの介入研究の場合、半年や1年以内と限られた期間での研究報告が多かったが、今回の研究では大崎上島町の町民の協力により、5年間という長期観察介入研究を実現できたとし、日常的にレモン果汁を摂取する習慣を維持すると、血圧上昇の抑制効果など、健康改善につながる可能性が示唆される結果を得られたと結論づけた。
(画像はプレスリリースより)
ポッカサッポロらは、これまでの食品などの介入研究の場合、半年や1年以内と限られた期間での研究報告が多かったが、今回の研究では大崎上島町の町民の協力により、5年間という長期観察介入研究を実現できたとし、日常的にレモン果汁を摂取する習慣を維持すると、血圧上昇の抑制効果など、健康改善につながる可能性が示唆される結果を得られたと結論づけた。
(画像はプレスリリースより)