ラグビー部員を対象に食事介入試験を実施
森下仁丹株式会社(以下、森下仁丹)、摂南大学、京都府立医科大学、太陽化学株式会社(以下、太陽化学)は16日、摂南大学ラグビー部員を対象に食事介入試験を実施し、機能性食品の摂取によって腸内環境が改善することを確認したと発表した。
摂南大学の研究チームでは、先に学生アスリートの腸内環境が乱れやすいことを研究成果として報告しており、今回の研究結果はそれに続く知見をもたらすものとなった。崩れやすい学生アスリートを腸活により支援、パフォーマンスの向上などを導ける可能性がある。なお、この研究成果は学術雑誌「Microorganisms」に掲載された。
近年、腸内細菌がヒトの健康にさまざまな影響を与えることが明らかになりつつあり、アスリートの腸内細菌叢にも高い関心が寄せられている。
摂南大学の農学部応用生物科学科動物機能科学研究室、井上亮教授らによる先行研究では、ラグビー部員88人の腸内環境を調査したところ、多くの学生アスリートでは一般成人に比べ悪玉菌が多く、それらが産生するコハク酸が腸内に蓄積しやすい傾向があることが判明した。
こうした腸内環境の悪化の背景には、アスリートとしての身体づくりとして、たんぱく質や炭水化物の摂取を重視するあまり、食物繊維の摂取が不足しがちであること、身体接触を伴う高強度な運動によって腸内に酸化ストレスがかかりやすいことなどがあると考えられている。
この状況を踏まえ、井上教授らの研究チームでは、学生アスリートの栄養改善による健康とパフォーマンスのさらなる向上に向けた研究を継続的に行ってきていたという。
その一環として、今回は森下仁丹、太陽化学、京都府立医科大学らとともに、学生アスリートの腸内環境改善を目指す食事介入試験を実施することとなった。
摂南大学の研究チームでは、先に学生アスリートの腸内環境が乱れやすいことを研究成果として報告しており、今回の研究結果はそれに続く知見をもたらすものとなった。崩れやすい学生アスリートを腸活により支援、パフォーマンスの向上などを導ける可能性がある。なお、この研究成果は学術雑誌「Microorganisms」に掲載された。
近年、腸内細菌がヒトの健康にさまざまな影響を与えることが明らかになりつつあり、アスリートの腸内細菌叢にも高い関心が寄せられている。
摂南大学の農学部応用生物科学科動物機能科学研究室、井上亮教授らによる先行研究では、ラグビー部員88人の腸内環境を調査したところ、多くの学生アスリートでは一般成人に比べ悪玉菌が多く、それらが産生するコハク酸が腸内に蓄積しやすい傾向があることが判明した。
こうした腸内環境の悪化の背景には、アスリートとしての身体づくりとして、たんぱく質や炭水化物の摂取を重視するあまり、食物繊維の摂取が不足しがちであること、身体接触を伴う高強度な運動によって腸内に酸化ストレスがかかりやすいことなどがあると考えられている。
この状況を踏まえ、井上教授らの研究チームでは、学生アスリートの栄養改善による健康とパフォーマンスのさらなる向上に向けた研究を継続的に行ってきていたという。
その一環として、今回は森下仁丹、太陽化学、京都府立医科大学らとともに、学生アスリートの腸内環境改善を目指す食事介入試験を実施することとなった。
グアー豆食物繊維とカシス抽出物をプラス
実験では、先の研究における問題点を踏まえ、水溶性食物繊維の「グアー豆食物繊維」と、抗酸化物質を豊富に含む「カシス抽出物」を4週間摂取してもらい、腸内環境にどのような変化が起こるかを検証した。
効果をより厳密に評価するため、二重盲検試験によって実施している。実験の結果、グアー豆食物繊維またはカシス抽出物、あるいはその両方を摂取した被験者では、善玉菌のビフィズス菌や有用物質である酪酸を産生するMegasphaera属細菌が有意に増加するなど、腸内環境の改善がみられた。
また、試験開始時に腸内環境が悪い状態であった被験者に絞った層別の解析結果では、より顕著な改善効果が確認されたという。
これら被験者では、機能性食品の摂取により、酪酸などを産生して腸のバリア機能維持に貢献するFaecalibacterium属細菌や、腸内のコハク酸蓄積解消に貢献しうるPhascolarctobacterium属細菌といった有用菌が増加、さらに腸内環境改善の重要指標とされる有用物質「短鎖脂肪酸」の総量も有意に増加していた。
今回の実験結果から、グアー豆食物繊維およびカシス抽出物が、とくに腸内環境が乱れている学生アスリートの腸内環境を改善し、腸の健康を促進する有効な機能性素材となりうることが示唆された。
井上教授の別の先行研究では、長距離ランナーでも同様の腸内環境悪化が報告されていることから、ラグビー選手だけでなく、高強度のトレーニングを行う幅広いアスリートに応用できる可能性もあるという。
研究チームでは今後もさらにアスリートの栄養と腸内環境改善を通じたパフォーマンス向上に資する研究を推進していくとしている。
(画像はプレスリリースより)
効果をより厳密に評価するため、二重盲検試験によって実施している。実験の結果、グアー豆食物繊維またはカシス抽出物、あるいはその両方を摂取した被験者では、善玉菌のビフィズス菌や有用物質である酪酸を産生するMegasphaera属細菌が有意に増加するなど、腸内環境の改善がみられた。
また、試験開始時に腸内環境が悪い状態であった被験者に絞った層別の解析結果では、より顕著な改善効果が確認されたという。
これら被験者では、機能性食品の摂取により、酪酸などを産生して腸のバリア機能維持に貢献するFaecalibacterium属細菌や、腸内のコハク酸蓄積解消に貢献しうるPhascolarctobacterium属細菌といった有用菌が増加、さらに腸内環境改善の重要指標とされる有用物質「短鎖脂肪酸」の総量も有意に増加していた。
今回の実験結果から、グアー豆食物繊維およびカシス抽出物が、とくに腸内環境が乱れている学生アスリートの腸内環境を改善し、腸の健康を促進する有効な機能性素材となりうることが示唆された。
井上教授の別の先行研究では、長距離ランナーでも同様の腸内環境悪化が報告されていることから、ラグビー選手だけでなく、高強度のトレーニングを行う幅広いアスリートに応用できる可能性もあるという。
研究チームでは今後もさらにアスリートの栄養と腸内環境改善を通じたパフォーマンス向上に資する研究を推進していくとしている。
(画像はプレスリリースより)