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管理栄養士・栄養士が見た!給食現場の食材持ち帰りトラブルとその解決策
こんにちは。給食委託会社、老健、慢性期病院で約10年ほど管理栄養士をしてきたえぬこです。
今回の記事は、管理栄養士・栄養士のみなさまにご協力いただいた「食材の持ち帰りトラブルについてのアンケート調査」の結果をまとめました。
実際に起きたトラブルのエピソードや解決策に加えて、私の経験についてもお話ししますので、ぜひご覧ください。
目次
- 1.食材の持ち帰りアンケートの集計結果を発表!
- 1)食材の持ち帰りを許可している職場に勤めたことはありますか?
- 2)食材の持ち帰りトラブルを経験したことはありますか?
- 3)食材の持ち帰りトラブルは委託?直営?
- 4)食材の持ち帰りをした方の職種は?
- 5)具体的にはどんなトラブル?衝撃的な回答も…
- 2.直接注意・指導を行った栄養士さんは約半分。そのうち半分は改善された!
- 3.食材持ち帰りトラブルが大きな問題に発展したケースは…?
- 4.食材を余らせないためにしている工夫は?
- 5.食材持ち帰りトラブルは、私も経験しています…。
- 1)まずはルール変更を実施
- 2)決めたルールも随時見直しが必須
- 6.さいごに
1.食材の持ち帰りアンケートの集計結果を発表!
まずは、食材持ち帰りトラブルについてのアンケート結果です。
1)食材の持ち帰りを許可している職場に勤めたことはありますか?
食材の持ち帰りOKの職場を経験した栄養士さんは、なんと36%。
給食現場において持ち帰りが許可されていることは、大量調理衛生管理マニュアルの観点から正しいルールとは言えないでしょう。
給食現場において持ち帰りが許可されていることは、大量調理衛生管理マニュアルの観点から正しいルールとは言えないでしょう。

えぬこ
個人的には、想像していたよりも多いなという印象です。
皆さんはどう思いましたか?
皆さんはどう思いましたか?
2)食材の持ち帰りトラブルを経験したことはありますか?
30%以上の栄養士さんが、一度は食材の持ち帰りトラブルについて悩んだことがあるという結果になりました。

えぬこ
衛生管理意識の高い栄養士さんたちにとっては、見逃せない数字ですね。
3)食材の持ち帰りトラブルは委託?直営?
ほぼ半々という回答でした。直営でも委託でも、あまり関係がないようですね。

えぬこ
そういえば私も、委託・直営どちらでも食材持ち帰りトラブルを経験しました。
4)食材の持ち帰りをした方の職種は?
調理員さん86%と、圧倒的に多い結果となりました。
6%とわずかながらですが、衛生管理を徹底的に叩き込まれる管理栄養士・栄養士さんも持ち帰っている方がいることに驚きです。
6%とわずかながらですが、衛生管理を徹底的に叩き込まれる管理栄養士・栄養士さんも持ち帰っている方がいることに驚きです。
5)具体的にはどんなトラブル?衝撃的な回答も…
食材持ち帰りトラブルのほとんどが「余ったパンや料理を持ち帰る」でした。
しかし、中には衝撃的な回答も…。
しかし、中には衝撃的な回答も…。

えぬこ
私が特にびっくりした回答を3つ紹介します。
本来提供するはずのものを減らしてまでの持ち帰りや、先に持ち帰り分を確保しておくとは、非常に悪質ですね。
また、在庫食品や牛乳は、栄養士が日々頑張って管理しているはず…。
自分のミスかも?と落ち込んでいた原因が職員による持ち帰りだと知ったら、感情的になってしてしまいそうです。
また、在庫食品や牛乳は、栄養士が日々頑張って管理しているはず…。
自分のミスかも?と落ち込んでいた原因が職員による持ち帰りだと知ったら、感情的になってしてしまいそうです。
2.直接注意・指導を行った栄養士さんは約半分。そのうち半分は改善された!
勇気を持って自ら注意を行った栄養士さんは48.3%!そのうち半分以上は改善されているとの結果に。
指導方法としては
指導方法としては
・食材はいただいた給食費や食材料費で購入したものなので、持ち帰りは窃盗に当たる可能性が高い!今後は一切禁止する!と明記した書面を作成し各現場で説明した。
・持ち帰り現場を写真に撮って、委託会社に連絡した。
・学校給食で栄養士と調理員が食材を多く発注して持ち帰っていたニュースがあり、時事ネタとして雑談まじりで『これ、横領だからね』と伝えた。
・持ち帰り現場を写真に撮って、委託会社に連絡した。
・学校給食で栄養士と調理員が食材を多く発注して持ち帰っていたニュースがあり、時事ネタとして雑談まじりで『これ、横領だからね』と伝えた。
などの回答がありました。

えぬこ
注意するときの伝え方や内容は悩みどころですから、とても参考になりますね。
他にも
持ち帰りする人は委託側の調理員兼管理職、一方私は赴任1年目の施設管理栄養士という立ち位置で、
私からの直接注意を上司が許可しなかったため、上司から伝えてもらった。
私からの直接注意を上司が許可しなかったため、上司から伝えてもらった。
という回答もありました。
直接注意ができないと悩む栄養士さんも多い中、1年目から上司と連携してトラブルに対応できるとは、素敵な栄養士さんですね。
直接注意ができないと悩む栄養士さんも多い中、1年目から上司と連携してトラブルに対応できるとは、素敵な栄養士さんですね。
3.食材持ち帰りトラブルが大きな問題に発展したケースは…?
上記の指導方法にも出てきた通り、食材の持ち帰りは
「会社が明確に許可していない限り、懲戒処分の対象や犯罪になり得る行為」です。
上司や経営部門が事実確認をすると、減給や出勤停止、解雇などの懲戒処分になるケースもあります。
回答では…
「会社が明確に許可していない限り、懲戒処分の対象や犯罪になり得る行為」です。
上司や経営部門が事実確認をすると、減給や出勤停止、解雇などの懲戒処分になるケースもあります。
回答では…
・食材に限らず備品の持ち帰りまで目撃し、話し合いの末に解雇になった。
・ボーナスを減額され、結果的に解雇になった。
・注意をした側が罵倒され、注意をした側が退職するはめになってしまった。
・ボーナスを減額され、結果的に解雇になった。
・注意をした側が罵倒され、注意をした側が退職するはめになってしまった。
などがありました。
中には
中には
会長、施設長がいる日にカレーなど香りが強いメニューを献立に組み込み、自分のロッカーに隠したのを確認したあと、会長、施設長に電話をしてロッカーに来てもらった。
匂いで隠した場所がバレバレで、本人を呼び即日解雇。
匂いで隠した場所がバレバレで、本人を呼び即日解雇。
スマホがない時代だったので、缶詰の置き方向きを毎回同じにするなど食品庫の管理を完璧にし、いつ物が無くなったかの詳細データを取り、委託従業員全員に無くなった物を伝えた。
疑われた事に憤慨される場面もあったが、屈せずに事実を伝えたところ、結果2~3日後に当院では納入実績の無いメーカーの同じ商品が食品庫に戻されていた。
その事も踏まえ委託責任者に報告、適切な対処をしてもらいました。
大事な事は、持ち帰りをさせない環境と、持ち帰ってもちゃんと見ていますよ!と思わせる行動だと思います。
栄養士がだらしないと悪い心が勝ってしまう人もいますから…
疑われた事に憤慨される場面もあったが、屈せずに事実を伝えたところ、結果2~3日後に当院では納入実績の無いメーカーの同じ商品が食品庫に戻されていた。
その事も踏まえ委託責任者に報告、適切な対処をしてもらいました。
大事な事は、持ち帰りをさせない環境と、持ち帰ってもちゃんと見ていますよ!と思わせる行動だと思います。
栄養士がだらしないと悪い心が勝ってしまう人もいますから…
という回答も。
この隙のない対応を読んで思わず絶句しましたし、ここまでしてもいいのかな…?と二の足を踏む栄養士さんもいるかもしれません。
しかし、悪いことをしているのは食材持ち帰りを行う人です。
この隙のない対応を読んで思わず絶句しましたし、ここまでしてもいいのかな…?と二の足を踏む栄養士さんもいるかもしれません。
しかし、悪いことをしているのは食材持ち帰りを行う人です。

えぬこ
確実に証拠を押さえて対応できる、毅然とした回答ですね。
4.食材を余らせないためにしている工夫は?
持ち帰りトラブルの元となるほとんどが「余ったものの持ち帰り」でした。
つまり、余らなければ持ち帰りは発生しないと考え、対応している栄養士さんも多いようです。
具体的には、献立や発注を工夫している栄養士さんが多く
つまり、余らなければ持ち帰りは発生しないと考え、対応している栄養士さんも多いようです。
具体的には、献立や発注を工夫している栄養士さんが多く
・こまめな在庫管理と、喫食状況を鑑みて献立のブラッシュアップをする
・日々食数に合わせて使用量をその都度細かく計算する
・食材仕込みの段階で数物は正確に数えて余分が出ないようにする
・日々食数に合わせて使用量をその都度細かく計算する
・食材仕込みの段階で数物は正確に数えて余分が出ないようにする
などの回答がありました。
その他にも、
その他にも、
・パンや魚などは職員に定価で販売する
・ 新メニューの試作用として使用する
・味見・評価として休憩室での食事はOK
・ 新メニューの試作用として使用する
・味見・評価として休憩室での食事はOK
と、余っても現場で使う分には許可しているところもあるようです。
味見については
味見については
・味見はして良い期間もありましたが、食中毒のリスクを考慮して、職員は食べないルールになりました。
という回答も。

えぬこ
後で紹介しますが、2023年2月現在の大量調理衛生管理マニュアルではこの対応が正しいかもしれませんね。
5.食材持ち帰りトラブルは、私も経験しています…。
先述の通り、私も委託・直営の現場両方で食材持ち帰りトラブルを経験しています。
委託時代は上司(本社の管理部門)が黙認していたので、私も注意はできませんでした。
委託時代は上司(本社の管理部門)が黙認していたので、私も注意はできませんでした。

えぬこ
新卒1年目だったことも相まって、上手く対応できなかったなと反省すべき点も多いです。
直営時代は、入職時から当たり前に持ち帰りがされていたので、徐々に持ち帰りトラブルがなくなるよう対応していきました。
1)まずはルール変更を実施
食材の持ち帰りは「余り物」だけで行われていたので、
[1] 余らないように発注を調整
[2] それでも余ったものは「職場で検食・味見として食べるならOK」
[2] それでも余ったものは「職場で検食・味見として食べるならOK」
というルールにしました。
[1] 余らないように発注を調整
まず「献立で使用する分量を把握するために全部盛り付けてほしい」とお願いしました。
例えば、献立で小鉢にほうれん草を70g使用していても、50gしか盛り付けられない食器なら、50gで献立作成ができていない栄養士にも問題があると言えるでしょう。
「勉強のため」というスタンスで現場にお願いしたので、調理場の皆さんにも受け入れてもらいやすかったと思います。
まず「献立で使用する分量を把握するために全部盛り付けてほしい」とお願いしました。
例えば、献立で小鉢にほうれん草を70g使用していても、50gしか盛り付けられない食器なら、50gで献立作成ができていない栄養士にも問題があると言えるでしょう。
「勉強のため」というスタンスで現場にお願いしたので、調理場の皆さんにも受け入れてもらいやすかったと思います。
[2] それでも余ったものは「職場で検食・味見として食べるならOK」
ある程度余らないように献立を調整した後は、ミーテイングの場を設けて「職場で検食・味見として食べるならOK」の新ルールをお伝えしました。
食材の持ち帰りは窃盗になる可能性があることや、家で食べて食中毒を起こしたときのリスクについて説明すると、想像していたよりもスムーズに受け入れてもらえましたね。
最初は反発する方もいましたが、大多数が納得してルールを守るようになったことが抑止力となり、最終的に持ち帰りは無くなりました。
ある程度余らないように献立を調整した後は、ミーテイングの場を設けて「職場で検食・味見として食べるならOK」の新ルールをお伝えしました。
食材の持ち帰りは窃盗になる可能性があることや、家で食べて食中毒を起こしたときのリスクについて説明すると、想像していたよりもスムーズに受け入れてもらえましたね。
最初は反発する方もいましたが、大多数が納得してルールを守るようになったことが抑止力となり、最終的に持ち帰りは無くなりました。
2)決めたルールも随時見直しが必須
大量調理衛生管理マニュアルには
「食中毒が発生した時の原因究明を確実に行うため、原則として、調理従事者等は当該施設で調理された食品を喫食しないこと。」
の記載がありますので、当時私が取った対応はグレーな対応かもしれません。
しかし、「余ったものを食べることで、全員が利用者に提供している食事への理解を深めることも重要」と判断し、その対応にしていました。
当時の大量調理衛生管理マニュアルでは
「原因究明に支障を来さないための措置が講じられている場合はこの限りでない。(毎日の健康調査及び検便検査等)」
とも記されていたので、提供している食事を食べた人は個人衛生管理表にチェックを入れて管理していました。
平成29年の改正より「試食担当者を限定すること 等」の記載に変更されていますので、
今ではあまり望ましい対応ではありません。
「食中毒が発生した時の原因究明を確実に行うため、原則として、調理従事者等は当該施設で調理された食品を喫食しないこと。」
の記載がありますので、当時私が取った対応はグレーな対応かもしれません。
しかし、「余ったものを食べることで、全員が利用者に提供している食事への理解を深めることも重要」と判断し、その対応にしていました。
当時の大量調理衛生管理マニュアルでは
「原因究明に支障を来さないための措置が講じられている場合はこの限りでない。(毎日の健康調査及び検便検査等)」
とも記されていたので、提供している食事を食べた人は個人衛生管理表にチェックを入れて管理していました。
平成29年の改正より「試食担当者を限定すること 等」の記載に変更されていますので、
今ではあまり望ましい対応ではありません。

えぬこ
一次情報も随時更新されますから、設けたルールは適宜見直して運用することが欠かせませんね。
6.さいごに
食材持ち帰りトラブルについては、エイチエが開設された2009年からQ&Aで話題に上がっています。
この質問者さんは当時2年目、現在も栄養士をされていたら大ベテランの方ですから、先輩たちも悩んできたことがよく分かりますね。
その他にも
その他にも
など、たくさんの質問があります。
食材持ち帰りトラブルを解決するためのゴールは同じでも、過程はケースバイケースです。現在、食材持ち帰りトラブルで悩んでいる栄養士さんは、ぜひエイチエの過去の質問も読んでみてくださいね。
トラブルが積み重なってもやもや…そんなときは?
食材持ち帰りトラブルが発生している場合は気持ちがもやもやしますし、解決するにしても一苦労ですよね。直接的な退職理由にはならなくとも、積み重なるとストレスが溜まっていきます。
「今の職場、環境が合わないな…他ってどうなんだろう…?」
と思った時には、ぜひ本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『エイチエ 転職』を活用してみてください。
食材持ち帰りトラブルを解決するためのゴールは同じでも、過程はケースバイケースです。現在、食材持ち帰りトラブルで悩んでいる栄養士さんは、ぜひエイチエの過去の質問も読んでみてくださいね。
トラブルが積み重なってもやもや…そんなときは?
食材持ち帰りトラブルが発生している場合は気持ちがもやもやしますし、解決するにしても一苦労ですよね。直接的な退職理由にはならなくとも、積み重なるとストレスが溜まっていきます。
「今の職場、環境が合わないな…他ってどうなんだろう…?」
と思った時には、ぜひ本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『エイチエ 転職』を活用してみてください。
転職相談はもちろん乗ってくれますが、すぐの転職を考えていなくても大丈夫です。
話を聞いてもらって、色んな求人と今の職場と比較することで、少し気持ちが紛れることもあります。
(逆に転職の決意がつくことも!)
話を聞いてもらって、色んな求人と今の職場と比較することで、少し気持ちが紛れることもあります。
(逆に転職の決意がつくことも!)

えぬこ
転職を急かされることもありませんから、気軽に登録してキャリアパートナーと話してみてくださいね。
執筆者:えぬこ

管理栄養士 / Webライター
保有資格:管理栄養士 / 受託給食責任者
給食委託会社、ケアハウス、回復期病院での勤務を経て、現在は介護老人保健施設にて栄養ケアマネジメントを中心とした業務に従事。「厨房業務中心の日々から、栄養管理メインの働き方へ」という自身の転職成功体験を持つ。現場で培った多職種連携ノウハウやリアルな苦労を活かし、専門性と読者への深い共感を両立させた記事執筆を得意としている。
■ 経歴・得意ジャンル
・給食委託会社および直営施設での厨房業務全般(献立作成、発注、衛生管理等)
・回復期病院、介護老人保健施設での栄養ケアマネジメント
・管理栄養士の就職・転職ノウハウ、健康情報に関する記事執筆およびブログ運営
■ 執筆ポリシー
「もっと栄養管理に関わりたい」「キャリアを変えたい」と悩み、転職情報を追いかけていた過去の私と同じような方の背中を少しでも押せるよう、実体験に基づいた生きた情報をお届けします。現場での知見を交えながら、明日からの仕事や転職活動にすぐ役立つ内容を分かりやすく発信します。
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