1.特別養護老人ホーム(特養)とは?
特別養護老人ホームは「特養」と略される施設で、介護保険法に基づいて運営されています。
法令では介護老人福祉施設と位置付けられるので、学生さんや国家試験の受験生には介護老人福祉施設の方がイメージしやすいかもしれません。
特養は、要介護3以上の高齢者が生活をする施設です。(特例で認められると要介護1や2でも入所できます)
介護施設において管理栄養士を配置し栄養ケアマネジメントをする施設は、介護老人保健施設(老健)と特養の2種類です。老健はリハビリをして在宅へ帰ることが目標なのに対し、特養は高齢者が原則無期限に生活できる、いわゆる「終の棲家」です。
老健栄養士のことは、こちらの記事で詳しく解説しています。介護業界のお仕事について知りたい人は合わせて読んでみてくださいね。
法令では介護老人福祉施設と位置付けられるので、学生さんや国家試験の受験生には介護老人福祉施設の方がイメージしやすいかもしれません。
特養は、要介護3以上の高齢者が生活をする施設です。(特例で認められると要介護1や2でも入所できます)
介護施設において管理栄養士を配置し栄養ケアマネジメントをする施設は、介護老人保健施設(老健)と特養の2種類です。老健はリハビリをして在宅へ帰ることが目標なのに対し、特養は高齢者が原則無期限に生活できる、いわゆる「終の棲家」です。
老健栄養士のことは、こちらの記事で詳しく解説しています。介護業界のお仕事について知りたい人は合わせて読んでみてくださいね。
2.特養で働く管理栄養士・栄養士の役割と仕事内容とは?
次に、特養で働く管理栄養士・栄養士の役割と仕事内容をお伝えします。
役割
特養で働く管理栄養士・栄養士は、入所者さんに対して栄養管理と給食提供を行います。
入所者さんは特養で生活をしていますので、美味しくて楽しめる食事が求められます。また、介護度が重い施設ですから、嚥下食や経管栄養の管理を行うこともあります。
入所者さんは特養で生活をしていますので、美味しくて楽しめる食事が求められます。また、介護度が重い施設ですから、嚥下食や経管栄養の管理を行うこともあります。
仕事内容
・栄養ケアマネジメント(旧栄養マネジメント加算・栄養マネジメント強化加算)
2021年の介護報酬改定において、特養と老健では、管理栄養士が栄養ケアマネジメントを行うことが義務付けられました。
具体的には、栄養スクリーニングと栄養状態のアセスメントをした後、栄養ケア計画の作成を行います。ご本人はもちろん、ご家族や保佐人など、入所者さんの生活を支えるキーパーソンへの説明も、大切な仕事です。
さらに、管理栄養士の配置人数が50対1以上(栄養士を配置していれば70対1の配置基準)であれば、栄養マネジメント強化加算を算定するために、週3回以上の食事観察やLIFEというデータベースへの報告も行います。
・嚥下に配慮した食事の提供や経口維持計画の作成(経口維持加算)
特養では、嚥下に配慮した食事の提供が必要不可欠。誤嚥性肺炎は高齢者の生命に関わる疾患なので、管理栄養士が嚥下調整食をプロデュースして安全な食事を提供しなければなりません。
さらに、特養はリハビリ専門職の配置がないことが多い施設。食事中の姿勢の評価や、嚥下機能評価、自助具の選定なども管理栄養士が介護職と共同で行います。
そして、いつまでも口から楽しく食事ができるように、嚥下に対する細かい配慮をしたときに算定できる加算があり、これを経口維持加算と言います。経口維持計画は、栄養ケア計画と一体で作るものなので、こちらも管理栄養士が中心となって行う業務となります。
・給食管理
給食を直営で運営している場合は、厨房業務全般も管理栄養士・栄養士の業務です。厨房内の衛生管理や行事食の企画、献立作成や食材管理などを管理栄養士・栄養士が行います。
・給食委託会社の管理
給食を委託している場合は、給食委託会社の管理を行います。厨房業務を直接担うことはありませんが、給食委託会社が適正な給食を提供できているか、常に確認しなければなりません。
また、給食のコストは施設の予算の大きな部分を占めるので、定期的な業者の見直しや営業さんとのやりとりなど、ビジネス的な対応を管理栄養士が行うこともあります。
2021年の介護報酬改定において、特養と老健では、管理栄養士が栄養ケアマネジメントを行うことが義務付けられました。
具体的には、栄養スクリーニングと栄養状態のアセスメントをした後、栄養ケア計画の作成を行います。ご本人はもちろん、ご家族や保佐人など、入所者さんの生活を支えるキーパーソンへの説明も、大切な仕事です。
さらに、管理栄養士の配置人数が50対1以上(栄養士を配置していれば70対1の配置基準)であれば、栄養マネジメント強化加算を算定するために、週3回以上の食事観察やLIFEというデータベースへの報告も行います。
・嚥下に配慮した食事の提供や経口維持計画の作成(経口維持加算)
特養では、嚥下に配慮した食事の提供が必要不可欠。誤嚥性肺炎は高齢者の生命に関わる疾患なので、管理栄養士が嚥下調整食をプロデュースして安全な食事を提供しなければなりません。
さらに、特養はリハビリ専門職の配置がないことが多い施設。食事中の姿勢の評価や、嚥下機能評価、自助具の選定なども管理栄養士が介護職と共同で行います。
そして、いつまでも口から楽しく食事ができるように、嚥下に対する細かい配慮をしたときに算定できる加算があり、これを経口維持加算と言います。経口維持計画は、栄養ケア計画と一体で作るものなので、こちらも管理栄養士が中心となって行う業務となります。
・給食管理
給食を直営で運営している場合は、厨房業務全般も管理栄養士・栄養士の業務です。厨房内の衛生管理や行事食の企画、献立作成や食材管理などを管理栄養士・栄養士が行います。
・給食委託会社の管理
給食を委託している場合は、給食委託会社の管理を行います。厨房業務を直接担うことはありませんが、給食委託会社が適正な給食を提供できているか、常に確認しなければなりません。
また、給食のコストは施設の予算の大きな部分を占めるので、定期的な業者の見直しや営業さんとのやりとりなど、ビジネス的な対応を管理栄養士が行うこともあります。
3.特養における栄養士の給与やお休みなどの待遇面
次に、特養栄養士の給与や休みなどの待遇面をお伝えします。
給与
■正社員
月給 20万~25万
年収 280万~350万
月給 20万~25万
年収 280万~350万
勤続年数が長くなって昇給したり、ボーナスが2か月×年2回でたりすると、年収400万程度の人もいます。
勤務時間
勤務時間は、厨房の運営方法に大きく影響を受けます。直営給食では早出や遅出もありますが、委託していれば日勤業務のみとなるでしょう。
お休み
お休みも、厨房の運営方法によります。直営給食では完全シフト制ですが、給食を委託していれば、土日はお休みという施設も多いでしょう。
4.特養で働く管理栄養士・栄養士の大変なこととやりがいとは?
前述の通り、介護度の高い入所者さんが多い特養。嚥下調整食に細かく気を配ったり、食欲のない方が低栄養状態に陥らないよう工夫を重ねる必要があります。
専門性を強く発揮するため、責任を背負う精神的な大変さがあるでしょう。
一方で、人生の最期まで食の楽しみを提供することが出来るのは、特養ならではのやりがいです。
例えば、看取りの方の「最期にアイスクリームが食べたい」というリクエストに応えられたり、入所するみなさんに行事食を楽しんでもらえたり。
お隠れになるその瞬間まで豊かな人生を送れるよう、食事を用いて寄り添ったアプローチをすることができるのは、やりがいに感じる瞬間です。
専門性を強く発揮するため、責任を背負う精神的な大変さがあるでしょう。
一方で、人生の最期まで食の楽しみを提供することが出来るのは、特養ならではのやりがいです。
例えば、看取りの方の「最期にアイスクリームが食べたい」というリクエストに応えられたり、入所するみなさんに行事食を楽しんでもらえたり。
お隠れになるその瞬間まで豊かな人生を送れるよう、食事を用いて寄り添ったアプローチをすることができるのは、やりがいに感じる瞬間です。
5.特養で働く管理栄養士・栄養士に求められることとは?
次に、特養で働く管理栄養士・栄養士に求められることをお伝えします。
食事環境全体に対する幅広い知識
特養栄養士は、栄養管理や給食管理に対する知識だけでなく、「嚥下、認知症、自助具、姿勢」など、食事と大きく関わる疾患や環境などの知識が求められます。
特養は、老健ほど看護師やリハビリ職など専門職の配置が手厚くありません。
そのため、老健であれば他職種に頼ったり相談できることが、特養ではできないことも。よって、管理栄養士が幅広い知識を身につけてカバーする場面が多いといえるでしょう。
特養は、老健ほど看護師やリハビリ職など専門職の配置が手厚くありません。
そのため、老健であれば他職種に頼ったり相談できることが、特養ではできないことも。よって、管理栄養士が幅広い知識を身につけてカバーする場面が多いといえるでしょう。
医療や介護の専門職との連携
食事サービスや栄養管理は管理栄養士が中心に担いますが、実は管理栄養士だけでは完結できません。
医師や看護師から見た医療面の栄養管理、介護士が食事介助をしたときの情報、相談員やケアマネジャーから家族の声など、食と栄養に対する指示や意見は、管理栄養士のもとに集まります。
これらの専門職と連携し意図を汲み取りながら、入所者さんにとって最適な栄養ケアを実施し、喜ばれるお食事を提供していくのです。
医師や看護師から見た医療面の栄養管理、介護士が食事介助をしたときの情報、相談員やケアマネジャーから家族の声など、食と栄養に対する指示や意見は、管理栄養士のもとに集まります。
これらの専門職と連携し意図を汲み取りながら、入所者さんにとって最適な栄養ケアを実施し、喜ばれるお食事を提供していくのです。
書類処理能力やパソコンスキル・社会人マナー
栄養ケアマネジメントに関するたくさんの書類を扱うため、書類処理能力は不可欠です。
また、LIFEという政府に提出するデータベースへの情報入力や、エクセルを用いて管理をするなど、想像以上にパソコンスキルが求められるシーンが多いです。
また、厨房を委託している施設では、事務所で勤務して電話対応や窓口対応も兼務します。委託会社の本部社員とビジネス的なやりとりや、入所者さんのご家族からの連絡を受けるなど、基本的な社会人マナーが求められることも多々あります。
また、LIFEという政府に提出するデータベースへの情報入力や、エクセルを用いて管理をするなど、想像以上にパソコンスキルが求められるシーンが多いです。
また、厨房を委託している施設では、事務所で勤務して電話対応や窓口対応も兼務します。委託会社の本部社員とビジネス的なやりとりや、入所者さんのご家族からの連絡を受けるなど、基本的な社会人マナーが求められることも多々あります。
5.まとめ
特養で働く管理栄養士・栄養士は、病院のように治療の場での食と栄養ではなく、生活の場での食と栄養、という観点で働きたい人に向いています。
これまでは1名配置の職場が多かったのですが、2021年の介護報酬改定より、複数配置の職場も増えています。1名配置が嫌で避けていた人も、チャレンジしやすくなったのではないでしょうか。
もし1名配置でも、栄養ケアマネジメントを学べる場はたくさんありますよ。2021年11月現在、日本栄養士会は、栄養ケアマネジメント歴別に勉強会を開催していますので、サポート体制も充実してきました。
また、本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』では、特養栄養士の求人を多数取り扱っています。
転職のプロが、求人を出している施設について詳しく知っているので、希望の施設が見つかるはず。
初めて特養にチャレンジする方には、チャレンジしやすい求人を紹介してくれますよ。登録は無料なので、ぜひ、一度問い合わせをしてみてくださいね。
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