森永乳業らの研究で判明
森永乳業株式会社(以下、森永乳業)は8月29日、北海道大学病院産科馬詰武准教授らとの共同研究により、妊娠期におけるたんぱく質栄養状態には、特定の血中アミノ酸濃度が関与していること、さらにその特定のアミノ酸を含む動物性たんぱく質の摂取がたんぱく質栄養状態の維持・向上に有用である可能性を示す研究結果を得たと発表した。
この研究成果は、2025年8月2日~3日に開催された「第13回日本DOHaD学会学術集会」において発表され、優秀演題賞を獲得している。また学術雑誌「BMC Pregnancy and Childbirth」に8月14日付で掲載された。
食事として摂取したたんぱく質は、そのままでは栄養として利用できない。たんぱく質は複数のアミノ酸が結合してできたもので、食事として摂取したのち、消化によってアミノ酸へと分解され、体内に吸収されていく。
このアミノ酸が血液を通じて全身に運ばれ、からだをつくる多様なたんぱく質に作り替えられて健康を支えるもとになっている。よって体内のたんぱく質の栄養状態は、単純な総摂取量ではなく、消化・吸収や、からだにとって必要な量の各種アミノ酸が供給されているかどうかといった多様な要因の影響を受けることとなる。
妊娠期のたんぱく質栄養状態の悪化は、とくに低出生体重児の出産リスクや、生まれた子どもの将来的な健康リスクを高める可能性があるなど、影響が大きいとされる。そこで研究チームでは、妊娠期のたんぱく質栄養状態に、血中のどのアミノ酸が関連するのか、さらにそれらアミノ酸がどういった種類のたんぱく質摂取量と関連するのかを明らかにすることを目指した。
この研究成果は、2025年8月2日~3日に開催された「第13回日本DOHaD学会学術集会」において発表され、優秀演題賞を獲得している。また学術雑誌「BMC Pregnancy and Childbirth」に8月14日付で掲載された。
食事として摂取したたんぱく質は、そのままでは栄養として利用できない。たんぱく質は複数のアミノ酸が結合してできたもので、食事として摂取したのち、消化によってアミノ酸へと分解され、体内に吸収されていく。
このアミノ酸が血液を通じて全身に運ばれ、からだをつくる多様なたんぱく質に作り替えられて健康を支えるもとになっている。よって体内のたんぱく質の栄養状態は、単純な総摂取量ではなく、消化・吸収や、からだにとって必要な量の各種アミノ酸が供給されているかどうかといった多様な要因の影響を受けることとなる。
妊娠期のたんぱく質栄養状態の悪化は、とくに低出生体重児の出産リスクや、生まれた子どもの将来的な健康リスクを高める可能性があるなど、影響が大きいとされる。そこで研究チームでは、妊娠期のたんぱく質栄養状態に、血中のどのアミノ酸が関連するのか、さらにそれらアミノ酸がどういった種類のたんぱく質摂取量と関連するのかを明らかにすることを目指した。
トリプトファンやスレオニンと関連
研究は、北海道大学において実施された観察研究の参加妊婦115人のデータをもととし、妊娠期のたんぱく質栄養状態と、血中のアミノ酸濃度、たんぱく質源ごとの摂取量との関連性解析を実施する形で行われた。
たんぱく質栄養状態の指標には、妊娠期の栄養摂取量や低出生体重児の出産リスクとの関連が報告されている、血中アルブミン酸化還元バランスを用いたという。
すると、たんぱく質栄養状態が悪い妊婦の場合、トリプトファンやスレオニンといった特定の血中アミノ酸濃度が低いことが判明した。
妊娠期の血中の各アミノ酸濃度は、たんぱく質源やその摂取量によって異なる影響を受けることも確認され、とくに動物性たんぱく質の摂取量の多さが、トリプトファンやスレオニンの血中濃度の多さとは関連性が強かった。
これらの結果から研究チームでは、動物性タンパク質の摂取は、血中トリプトファン及びスレオニンの供給源となり、妊娠期におけるたんぱく質栄養状態の維持・向上に有用である可能性が高いとみている。
研究チームでは、今後、妊娠期のタンパク質栄養状態を維持・改善するために、適切なたんぱく質源ごとの摂取量が明らかになってくれば、妊婦や生まれてくる赤ちゃんの健康増進に寄与できることも期待されるとした。
森永乳業では、現在の日本における重要な社会課題として、妊婦や若年女性の「やせ」・低栄養と、それによって生じる出生体重低下などの母親と子どもの様々な健康リスク改善に関する研究を進めており、今後は今回の研究で得られた知見を活かして、妊娠期の人や生まれてくる赤ちゃんの栄養改善にかかるサービス・商品の開発も推進していくとしている。
(画像はプレスリリースより)
たんぱく質栄養状態の指標には、妊娠期の栄養摂取量や低出生体重児の出産リスクとの関連が報告されている、血中アルブミン酸化還元バランスを用いたという。
すると、たんぱく質栄養状態が悪い妊婦の場合、トリプトファンやスレオニンといった特定の血中アミノ酸濃度が低いことが判明した。
妊娠期の血中の各アミノ酸濃度は、たんぱく質源やその摂取量によって異なる影響を受けることも確認され、とくに動物性たんぱく質の摂取量の多さが、トリプトファンやスレオニンの血中濃度の多さとは関連性が強かった。
これらの結果から研究チームでは、動物性タンパク質の摂取は、血中トリプトファン及びスレオニンの供給源となり、妊娠期におけるたんぱく質栄養状態の維持・向上に有用である可能性が高いとみている。
研究チームでは、今後、妊娠期のタンパク質栄養状態を維持・改善するために、適切なたんぱく質源ごとの摂取量が明らかになってくれば、妊婦や生まれてくる赤ちゃんの健康増進に寄与できることも期待されるとした。
森永乳業では、現在の日本における重要な社会課題として、妊婦や若年女性の「やせ」・低栄養と、それによって生じる出生体重低下などの母親と子どもの様々な健康リスク改善に関する研究を進めており、今後は今回の研究で得られた知見を活かして、妊娠期の人や生まれてくる赤ちゃんの栄養改善にかかるサービス・商品の開発も推進していくとしている。
(画像はプレスリリースより)