全国で22の透析施設を運営する偕行会グループは27日、2025年8月から透析治療と高級懐石料理、宿泊を一体化させた透析患者向けの「旅行透析プラン」の提供を開始した。老舗料亭の「なだ万」、「名古屋東急ホテル」と連携して展開させる。

透析患者の場合、原則週3回の透析治療が必要で、旅行中であってもその継続が不可欠となる。命を守るために必要な処置だが、患者にとっては多くの制約が伴うものとなり、旅行などが思うように楽しめないケースは多い。とくに海外からの旅行者では、さらに高いハードルとなっているという。

今回の偕行会グループによるプランは、そうした課題を解消するもので、医療機関と料亭、ホテルが連携し、安心・安全で質の高い透析治療と、管理栄養士が監修したこだわりの高級懐石料理、非日常感と上質なくつろぎを届ける宿泊体験をワンパッケージにした。

老舗料亭「なだ万」との連携で届ける懐石料理は、透析患者の栄養管理に長年取り組んできた、偕行会グループの管理栄養士が監修した特別メニューとなる。とくに減塩は十分に意識し、食塩として約40％をカット、そうした中でも味わい深く、満足感のある仕上がりを目指して開発された。

透析患者の場合、食事には厳しい制限がある。中でも塩分やカリウム、リンなどの摂取量には注意が必要で、外食・旅行中の食事でも栄養管理が欠かせない。

海外観光客も含め、和食の粋を楽しんでもらえるよう、天ぷら・和牛・寿司などを盛り込んだコースとして整え、減塩でも美味しく食べられる工夫として、だしや酸味を活かした。薄味でも深い旨みが楽しめるという。

調理は「なだ万」の料理人による匠の技でなされ、旬の食材を最大限に活かしながら、見た目にも美しく、身体にやさしい食事として提供される。

偕行会グループの管理栄養士も、懐石料理の監修は初の試みであったが、これまで培ってきた知識と経験を活かし、一品ずつ食材や味つけを丁寧に相談、豊かな味わいで食べる喜びを感じてもらえるように努めたとした。

「旅行透析プラン」では、旅程に合わせ、午前開始・午後開始の2パターンの透析時間を用意、透析治療に必要な各種書類の準備支援や、治療中の5言語対応通訳サポート（英語・中国語・インドネシア語・ポルトガル語・スペイン語）もついている。治療は原則、名古屋市内の偕行会セントラルクリニックにおいて実施する。

宿泊は名古屋のラグジュアリーホテル「名古屋東急ホテル」で、快適な滞在が楽しめる。詳細はリリース資料などで確認を。

（画像はプレスリリースより）