一般社団法人日本フレイル予防サービス振興会（JFA）は25日、2025年5月23日に法人設立登記を完了させ、正式に活動を開始したことを発表した。6月25日の設立総会開催をもって正式に運用スタートとなっている。

今後は「健やかな100年人生」の実現に向け、官民連携でフレイル予防の普及やフレイル予防サービスの創出・振興にかかる活動を全国で進めていくという。

「フレイル」とは、加齢に伴い心身の活力が低下し、健康と要介護の中間状態となったことを指していう言葉。予防には日常生活の工夫がポイントで、とくに栄養、身体活動、社会参加の3本柱による複合的な取り組みが重要とされる。

栄養面では、多様な食品から適切で十分な量のエネルギー・栄養価をしっかり摂ること、歯科受診や口腔体操などを含む活動で口腔機能・嚥下機能を維持していくことなどが挙げられる。

フレイル段階で適切な介入が行えれば、健康な状態への回復も見込めるため、高齢化が進む昨今、とくにその予防と早期対応の重要性が叫ばれている。

これまで国内では、東京大学高齢社会総合研究機構を中心に、産学連携によるフレイル予防の実証研究や事業化研究が進められてきた。

今回、これまでのこの成果をより効果的かつ持続的に社会実装させていくため、高齢化対応のオープンイノベーションの一環として、日本フレイル予防サービス振興会（JFA）が法人設立されることとなった。設立にあたっては、イオンやキユーピー、マルタマフーズ、伊藤ハム、ニチレイフーズ、日清オイリオグループ、ニッスイ、はごろもフーズ、フジッコ、明治という有志企業10社が参画している。

今後は昨年発足した「フレイル予防推進会議」とも連携しながら、産業界としてフレイル予防の推進に向け、積極的な取り組みを進めていく。

具体的には、フレイル予防にかかる啓発・広報・教育事業、官民連携推進事業、フレイル予防サービス産業振興のためのセミナーやワークショップ開催、フレイル予防の健全な発展に資する情報や知見の収集と利活用推進、民間が実施するサービスについての自主認証制度運営、会員企業によるフレイル予防啓発などの取り組み支援などを事業として行っていくという。

計画として、まずは小売業と食品メーカーが一体となり取り組む、フレイル予防に効果的な食生活提案にかかる認証制度の社会実装を進めているとされ、会員企業による制度活用も積極的に検討されている。

さらに参画企業を対象に、専門家による講演や最新の研究成果紹介を実施するセミナーなどを開催、フレイル予防に対する理解と知見の深化を図っていくとし、具体的なノウハウの蓄積と企業間の相互連携促進も進めていくとした。

（画像はプレスリリースより）