短鎖脂肪酸を多く生み出す独自ビフィズス菌のパワーを研究
江崎グリコ株式会社(以下、江崎グリコ)は8月1日、同社独自のビフィズス菌である「Bifidobacterium animalis subsp. lactis GCL2505」(以下、GCL2505株)について、水溶性食物繊維イヌリンとあわせて摂取することで、基礎代謝量と相関する安静時エネルギー消費量の向上効果が発揮されることを確認したと発表した。
肥満やそれに伴う代謝性疾患の予防に有益である可能性がある。この研究成果は2024年7月20日に、国際科学雑誌「Nutrients」に掲載された。
江崎グリコでは、「タンサ脂肪酸プロジェクト」として、短鎖脂肪酸の研究と啓発活動を積極的に推進している。今回のビフィズス菌、GCL2505株も短鎖脂肪酸を多く生み出す点が特徴的とされる。
肥満は、心血管疾患や糖尿病、一部のがんなど多様な疾患の発症と関連があり、日本をはじめ世界で社会問題となっている。日本国内の場合、20歳以上の男性の33.0%、女性の22.3%がBMIが25以上と高めな肥満にあるというデータも報告されている。
肥満の根本的原因は、摂取エネルギーと消費エネルギーの不均衡にあり、摂取過剰なエネルギーがため込まれることで生じる。人が1日に消費するエネルギー量としては、安静時エネルギー消費が約60%を占め、最も多い。身体活動による消費は約30%、食事誘発性熱産生による消費などが約10%とされる。
このうちの食事誘発性熱産生量は、摂取エネルギーなどによって変化するため、ここで消費されるエネルギーを食事などでコントロールし、肥満予防としていくことは難しい。
一方、BMIが高めの人とそうでない人を比較すると、BMIが高めの肥満傾向にある人は、座って安静にしている時間が長く、立って活動する時間が150分ほど短いとする研究報告もある。
これらから、肥満予防の手段として、安静時エネルギー消費量である基礎代謝量のコントロールが効率的で効果が高い、有益である可能性が高いとみなされ、その方法に注目が集まるようになった。
肥満やそれに伴う代謝性疾患の予防に有益である可能性がある。この研究成果は2024年7月20日に、国際科学雑誌「Nutrients」に掲載された。
江崎グリコでは、「タンサ脂肪酸プロジェクト」として、短鎖脂肪酸の研究と啓発活動を積極的に推進している。今回のビフィズス菌、GCL2505株も短鎖脂肪酸を多く生み出す点が特徴的とされる。
肥満は、心血管疾患や糖尿病、一部のがんなど多様な疾患の発症と関連があり、日本をはじめ世界で社会問題となっている。日本国内の場合、20歳以上の男性の33.0%、女性の22.3%がBMIが25以上と高めな肥満にあるというデータも報告されている。
肥満の根本的原因は、摂取エネルギーと消費エネルギーの不均衡にあり、摂取過剰なエネルギーがため込まれることで生じる。人が1日に消費するエネルギー量としては、安静時エネルギー消費が約60%を占め、最も多い。身体活動による消費は約30%、食事誘発性熱産生による消費などが約10%とされる。
このうちの食事誘発性熱産生量は、摂取エネルギーなどによって変化するため、ここで消費されるエネルギーを食事などでコントロールし、肥満予防としていくことは難しい。
一方、BMIが高めの人とそうでない人を比較すると、BMIが高めの肥満傾向にある人は、座って安静にしている時間が長く、立って活動する時間が150分ほど短いとする研究報告もある。
これらから、肥満予防の手段として、安静時エネルギー消費量である基礎代謝量のコントロールが効率的で効果が高い、有益である可能性が高いとみなされ、その方法に注目が集まるようになった。
腸内ビフィズス菌が増殖、内臓脂肪や体脂肪の低減につながるか
研究対象となっている、江崎グリコ独自のビフィズス菌、GCL2505株は、健康な成人から分離されたプロバイオティクス株で、これまでの同社による研究では、イヌリンとともに摂取すると、GCL2505株単独での摂取時に比べ、腸内のビフィズス菌を増やすことや、体脂肪減少に効果を発揮することが確認されている。
また、GCL2505株は、ヒトの腸内にいる一般的なビフィズス菌に比べ、短鎖脂肪酸を多く産生することも明らかになっている。
こうした先行研究の結果を踏まえ、今回は短鎖脂肪酸とエネルギー代謝の関連性について、多く研究がなされてきている昨今の流れも加味し、江崎グリコではGCL2505株とイヌリンによる安静時エネルギー消費量への影響を確認する研究を始めることとしたという。
研究では、BMIが25以上30未満と高めで、健常な成人男女40人に協力を仰ぎ、プラセボ対象二重盲検並行群間比較試験を実施した。
その結果、1日あたり100億個のGCL2505株と5gのイヌリンを4週間摂取した群は、プラセボ群と比べ、間接熱量計で測定した安静時エネルギー消費量が有意に増加していた。4週目における群間差は1日あたり84.4kcalで、GCL2505株とイヌリンを摂取した群の糞便中にみられる総ビフィズス菌数は、プラセボ群と比較して有意に高く、腸内でビフィズス菌がしっかり増えていることが示唆された。
健康寿命の延伸には、メタボリックドミノの出発点ともされ、多様な疾患リスク上昇のもととなる肥満を予防することが重要といえる。今回の結果からは、GCL2505株とイヌリンの継続的な摂取により、安静時エネルギー消費量の向上が確認された。
先の研究で内臓脂肪や体脂肪の減少が発生したのも、このメカニズムが一つの要因として寄与した可能性がある。
つまり、日常的にGCL2505株とイヌリンを摂取すれば、基礎代謝量が増加し、内臓脂肪・体脂肪の減少が見込めること、結果として無理なく肥満を予防していける可能性が考えられた。
江崎グリコでは、今後も「タンサ脂肪酸プロジェクト」を通じ、腸の健康と腸内細菌の研究に注力、GCL2505株と短鎖脂肪酸の可能性を探って臨床研究を進めるなど、人々の健康的で豊かな生活に貢献できるような取り組みを推進していきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
また、GCL2505株は、ヒトの腸内にいる一般的なビフィズス菌に比べ、短鎖脂肪酸を多く産生することも明らかになっている。
こうした先行研究の結果を踏まえ、今回は短鎖脂肪酸とエネルギー代謝の関連性について、多く研究がなされてきている昨今の流れも加味し、江崎グリコではGCL2505株とイヌリンによる安静時エネルギー消費量への影響を確認する研究を始めることとしたという。
研究では、BMIが25以上30未満と高めで、健常な成人男女40人に協力を仰ぎ、プラセボ対象二重盲検並行群間比較試験を実施した。
その結果、1日あたり100億個のGCL2505株と5gのイヌリンを4週間摂取した群は、プラセボ群と比べ、間接熱量計で測定した安静時エネルギー消費量が有意に増加していた。4週目における群間差は1日あたり84.4kcalで、GCL2505株とイヌリンを摂取した群の糞便中にみられる総ビフィズス菌数は、プラセボ群と比較して有意に高く、腸内でビフィズス菌がしっかり増えていることが示唆された。
健康寿命の延伸には、メタボリックドミノの出発点ともされ、多様な疾患リスク上昇のもととなる肥満を予防することが重要といえる。今回の結果からは、GCL2505株とイヌリンの継続的な摂取により、安静時エネルギー消費量の向上が確認された。
先の研究で内臓脂肪や体脂肪の減少が発生したのも、このメカニズムが一つの要因として寄与した可能性がある。
つまり、日常的にGCL2505株とイヌリンを摂取すれば、基礎代謝量が増加し、内臓脂肪・体脂肪の減少が見込めること、結果として無理なく肥満を予防していける可能性が考えられた。
江崎グリコでは、今後も「タンサ脂肪酸プロジェクト」を通じ、腸の健康と腸内細菌の研究に注力、GCL2505株と短鎖脂肪酸の可能性を探って臨床研究を進めるなど、人々の健康的で豊かな生活に貢献できるような取り組みを推進していきたいとした。
(画像はプレスリリースより)