静岡県立大学食品栄養科学部との共同研究で発見
森永乳業株式会社(以下、森永乳業)は19日、静岡県立大学食品栄養科学部との共同研究により、ビフィズス菌が含んでいる中鎖・長鎖脂肪酸の分析を実施し、菌種・菌株の種類によって脂肪酸組成に大きな違いがあることを発見したと発表した。
中でもビフィズス菌M-16Vは、抗炎症作用やアトピー性皮膚炎との関連が指摘される黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性が報告されている脂肪酸「cis-7-ヘキサデセン酸」を高レベルに含有することも明らかにされた。今回の研究成果は、科学雑誌「Bioscience, Biotechnology & Biochemistry」に10月10日付で掲載されている。
ビフィズス菌は、ヒトの腸内環境を整える有用菌として、乳児から高齢者まで幅広い世代の健康維持に貢献している。森永乳業では、50年以上にわたり、さまざまな健康効果をもたらしているこのビフィズス菌の基礎研究を進めてきた。
ビフィズス菌の機能性の要因としては、1つには菌体の細胞成分である細胞壁や細胞膜などが関与している可能性が指摘されているという。中でも細胞膜を構成する脂肪酸は、菌株ごとの特異性を生み出す重要な因子と考えられている。
これまでの先行研究を見ると、ビフィズス菌が産生する酢酸など短鎖脂肪酸については事例が数多くあるが、より長い中鎖・長鎖脂肪酸に関する研究は少なく、知見が限られていた。そこで今回の研究では40菌種(亜種)のビフィズス菌を含む合計43株について、脂肪酸プロファイルを評価、菌種・菌株ごとの違いを明らかにしたという。
中でもビフィズス菌M-16Vは、抗炎症作用やアトピー性皮膚炎との関連が指摘される黄色ブドウ球菌に対する抗菌活性が報告されている脂肪酸「cis-7-ヘキサデセン酸」を高レベルに含有することも明らかにされた。今回の研究成果は、科学雑誌「Bioscience, Biotechnology & Biochemistry」に10月10日付で掲載されている。
ビフィズス菌は、ヒトの腸内環境を整える有用菌として、乳児から高齢者まで幅広い世代の健康維持に貢献している。森永乳業では、50年以上にわたり、さまざまな健康効果をもたらしているこのビフィズス菌の基礎研究を進めてきた。
ビフィズス菌の機能性の要因としては、1つには菌体の細胞成分である細胞壁や細胞膜などが関与している可能性が指摘されているという。中でも細胞膜を構成する脂肪酸は、菌株ごとの特異性を生み出す重要な因子と考えられている。
これまでの先行研究を見ると、ビフィズス菌が産生する酢酸など短鎖脂肪酸については事例が数多くあるが、より長い中鎖・長鎖脂肪酸に関する研究は少なく、知見が限られていた。そこで今回の研究では40菌種(亜種)のビフィズス菌を含む合計43株について、脂肪酸プロファイルを評価、菌種・菌株ごとの違いを明らかにしたという。
菌株ごとに異なる脂肪酸プロファイル
まずビフィズス菌40種を含む合計43株を培養し、菌体内に含まれる中鎖・長鎖脂肪酸を定量解析したところ、脂肪酸組成に基づく4クラスターへの分類ができた。総脂肪酸量はクラスターIが最も多くIからIVにかけて減少する傾向があった。
また、対象とした43株について、遺伝学的な系統分類と脂肪酸組成の関連を比較したところ、Bifidobacterium boum(B.boum)グループに属するビフィズス菌株のJCM 16945、JCM 11165、ATCC 25525、ATCC 27917は、とくに脂肪酸を多く含んでいることが判明した。それぞれのビフィズス菌グループでは、菌株ごとに含有する脂肪酸の種類と量が異なることも確認されている。
続いて、長鎖不飽和脂肪酸の1つである、cis-7-ヘキサデセン酸について調べると、B.boumグループに属する菌株で高濃度に含有されていることが分かった。
さらに別のグループに属するビフィズス菌種の中でも、とくにビフィズス菌M-16VがB.bomグループと同程度に高いcis-7-ヘキサデセン酸含有量を示し、全体の中で3番目に高い値を示すことが確認されたという。
また、対象とした43株について、遺伝学的な系統分類と脂肪酸組成の関連を比較したところ、Bifidobacterium boum(B.boum)グループに属するビフィズス菌株のJCM 16945、JCM 11165、ATCC 25525、ATCC 27917は、とくに脂肪酸を多く含んでいることが判明した。それぞれのビフィズス菌グループでは、菌株ごとに含有する脂肪酸の種類と量が異なることも確認されている。
続いて、長鎖不飽和脂肪酸の1つである、cis-7-ヘキサデセン酸について調べると、B.boumグループに属する菌株で高濃度に含有されていることが分かった。
さらに別のグループに属するビフィズス菌種の中でも、とくにビフィズス菌M-16VがB.bomグループと同程度に高いcis-7-ヘキサデセン酸含有量を示し、全体の中で3番目に高い値を示すことが確認されたという。
これらの研究成果から、ビフィズス菌の中鎖・長鎖脂肪酸組成には菌株ごとに違いがあることがまず判明した。この菌株ごとの違いは、プロバイオティクスやポストバイオティクスとしての機能にも影響している可能性がある。
実際にビフィズス菌M-16Vでは、cis-7-ヘキサデセン酸を多く産生することが今回明らかになり、この脂肪酸がこれまで報告されているアトピー性皮膚炎の改善作用や肌への効果といった機能性に関与していることも強く示唆される結果になった。
森永乳業では今後、脂肪酸の遺伝的制御機構や生理的役割のさらなる解明を進め、人々の健康に貢献できる、より高付加価値な製品提供に努めていきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
実際にビフィズス菌M-16Vでは、cis-7-ヘキサデセン酸を多く産生することが今回明らかになり、この脂肪酸がこれまで報告されているアトピー性皮膚炎の改善作用や肌への効果といった機能性に関与していることも強く示唆される結果になった。
森永乳業では今後、脂肪酸の遺伝的制御機構や生理的役割のさらなる解明を進め、人々の健康に貢献できる、より高付加価値な製品提供に努めていきたいとした。
(画像はプレスリリースより)
