医療機関もカスタマーハラスメント対策が必須の時代に
近年、医療機関におけるカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)が深刻化しており、医療従事者への暴言や不当な要求が増加しています。その結果、現場の負担が大きくなり、医療環境の安全性にも影響を及ぼしています。厚生労働省は「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を発表し、組織的な対応を求めています。医療機関では、入院時の説明や記録の徹底、組織的な対応が特に重要とされています。本コラムでは、これらを中心に具体的な対策について解説します。
患者や家族等への周知
カスハラは、患者やその家族の「思い込み」や「説明不足」によって発生することがあります。そのため、カスハラに関する重要な事項を、患者だけでなく家族にも適切に周知することが大切です。特に高齢の患者については、本人が情報を十分に理解・判断できない場合もあり、その分、家族が代わって説明を求めたり、より積極的な治療を望んだりすることがあります。その際、家族が抱いている患者のイメージと、実際の年齢やADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の低下、病状などとの間にギャップが生じやすい傾向があります。
こうした認識のズレを防ぐためにも、書面での説明だけでなく、口頭でも丁寧に説明を行い、家族の理解を深めることが求められます。
こうした認識のズレを防ぐためにも、書面での説明だけでなく、口頭でも丁寧に説明を行い、家族の理解を深めることが求められます。
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