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2022.06.23

クリニックで働く管理栄養士・栄養士とは?仕事内容や待遇などを紹介!

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こんにちは、管理栄養士のなつめももこです。

総合病院など大きな病院に勤務していると、組織の大きさに疲れてしまうこともありますよね。

「でも、医療機関で患者様と関わる仕事は続けたい」。そう思った時に思い浮かぶのが個人院や診療所などのクリニックではないでしょうか。

病院もクリニックも同じ「医療機関」ですが、仕事内容や求められるスキルにはどのような違いがあるのか気になるところですよね。

今回は、クリニックで働く管理栄養士・栄養士の仕事内容や待遇についてお伝えします!

1.クリニックの管理栄養士・栄養士とは?

病院とは複数の診療科と20以上の病床を持つ医療機関のことで、国立病院や大学病院・中核病院など、診療科と病床数の多い医療機関のことをいいます。

それに対してクリニックとは病床数が1~19の有床診療所と、病床を持たない無床診療所 のことをいいます。

クリニックは少人数で運営され、病院よりも患者様一人ひとりと接する機会が多いことが特徴です。

役割

クリニックで働く管理栄養士・栄養士は栄養指導や栄養相談を通して患者様の健康をサポートする役割があります。

病院と違い、クリニックでは入院の受け入れをしていることが少ないため、献立を作成し、給食を提供するという形で栄養サポートをすることがほとんどありません。

そのため、栄養相談や栄養指導で患者様と積極的に関わり、信頼関係を構築する必要があります。

仕事内容

小規模なクリニックでは管理栄養士・栄養士として専門的な業務と同時に、事務的な業務を行うことがあります。
・専門的業務
・外来患者への栄養指導(個別、集団)
・栄養カウンセリング、献立作成
・事務的業務
・カルテの代行記入、医療文章の作成、受付対応

急性期の重い病気や大けがの対応をする病院と異なり、クリニックは慢性期疾患の対応を行います。そのため、栄養指導では継続的に食習慣や生活習慣を正してもらえるようなアドバイスをしなければなりません。

また、集団栄養指導では生活習慣病、特に糖尿病の方へ食事内容についての指導を行うことが多いです。

クリニックでは内科、美容、スポーツなどそれぞれ専門分野がありますが、食習慣・生活習慣の見直しはすべてのクリニックで共通して対応すべき内容となります。

管理栄養士・栄養士として適切なアドバイスやサポートができるようにしておきましょう。

2.内科クリニックの管理栄養士

内科クリニックの特徴

内科クリニックには、糖尿病を始めとした生活習慣病の患者様が多いことが特徴です。内科クリニックで働く管理栄養士・栄養士は、栄養相談で患者様の普段の食事やおやつについて聞き取りや指導を行います。

個別の栄養指導だけなく集団栄養指導になる機会もあるため、多くの方に関心を持ってもらえるように話の内容を考え、行動変容に繋げなければなりません。

内科クリニックで求められる人材

病院と違い、小規模なクリニックでは常在する管理栄養士・栄養士が1人ということも珍しくありません。患者様「この栄養士とは話しにくい」と思われてしまっては栄養指導も成り立ちません。

日ごろから挨拶や笑顔を心がけ、「この栄養士なら話を聞いてもらいたい」と思ってもらえる信頼関係作りが重要です。

糖尿病内科クリニックへ就職を希望する場合は、栄養指導やNSTの経験があると即戦力になります。経験がない方は糖尿病療養指導士の資格を取得するなど、専門的な知識を身につけて面接でアピールしてみましょう。

給与相場とお休み

内科クリニックの給与とお休みの一例です。
月給 18万~25万
年収 280万~350万
お休み 週休2日、年末年始・夏季休暇あり(週休はクリニックの休診日に準ずる)

求人により内容は異なりますので、詳しくは各求人で確認をしてくださいね。

3.美容クリニックの管理栄養士・栄養士

美容クリニックの特徴

美容クリニックで働く管理栄養士・栄養士は、肌トラブルやダイエットに関する悩みに対して栄養指導やカウンセリングを行います。

栄養アドバイス、食事指導など管理栄養士・栄養士としての専門的な業務だけでなく、施術案内、料金の説明といった事務的な業務も担当することが多いです。

美容クリニックで求められる人材

美容クリニックのサービスは十数万の施術を買ってもらうことでもあるため、患者様ではなく「お客様」として対応することになります。

そのため、身だしなみを整え、言葉づかいや態度にもきめ細やかな気遣いができる方が向いています。

給与相場とお休み

美容クリニックの給与とお休みの一例です。
月給 20万~40万
年収 300万~500万
お休み 基本的にシフト制で週休2日、年末年始・夏季休暇あり

求人により内容は異なりますので、詳しくは各求人で確認をしてくださいね。

美容クリニックに関しては詳しくはこちらの記事もご覧ください。

美容クリニックで働く管理栄養士・栄養士とは? 仕事内容や待遇などを紹介!

4.スポーツクリニックの管理栄養士・栄養士

スポーツクリニックの特徴

スポーツクリニックで働く管理栄養士・栄養士の業務は、外来栄養指導やアスリートが必要とする食事のサポート、献立作成などがあります。

スポーツクリニックはアスリートだけでなく、スポーツをする子どもから整形外来を受診される高齢の方まで幅広い年齢の方が利用します。

そのため「スポーツ」という括りだけに捉われず、「身体を動かす機能」についての知識が必要です 。適切な食事を通して、ケガからの回復と予防医療ができるように患者様をサポートしていきます。

スポーツクリニックで求められる人材

スポーツクリニックを利用される患者様は、子どもも含まれるため保護者への栄養サポートも必要になります。患者様本人だけでなく、ご家族との信頼関係も重要です。

取り組んでいるスポーツや成長期に合わせた食事はどのようなものがいいのか具体的に伝える必要があるため、スポーツの知識を深めておくようにしましょう。

また、スポーツクリニックで働く際には公認スポーツ栄養士の資格を活かすこともできます。患者様からより信頼を得られるように、積極的に資格を取得してみるのもおすすめです。

公認スポーツ栄養士に関連する記事は下記からどうぞ。

スポーツ栄養士を目指す方へ。役割や仕事内容、公認スポーツ栄養士になるのに必要な経験やスキルを紹介!

給与相場とお休み

スポーツクリニックの給与とお休みの一例です。
月給 18万~25万
年収 280万~300万
お休み 週休2日、年末年始・夏季休暇あり(週休はクリニックの休診日に準ずる)

求人により内容は異なりますので、詳しくは各求人で確認をしてくださいね。

5.共通する必要スキルはコミュニケーション能力!

小規模なクリニックでは患者様と少人数または1対1で接する機会が多いため、コミュニケーション能力が必須となります。

内科ではなかなか食事への行動変容ができない患者様、美容クリニックでは精神的な悩みも伴う美容のトラブルを抱える患者様、スポーツクリニックでは多感な思春期の患者様、といったデリケートな内容の対応をすることもあります。

小規模なクリニックでは管理栄養士・栄養士は1人しか配置されていないことも多いため、患者様が頼れる栄養のプロはあなただけです。信頼関係を築き、悩みや不安を打ち明けてもらえるような受容力・傾聴力が必要となります。

また、クリニックの院長 、看護師やコメディカルスタッフとの連携も重要です。

クリニックでは少人数を活かしたチームプレーで患者様の健康をサポートしていくため、スタッフ間でのコミュニケーションを大事にして仕事に取り組みましょう。

6.まとめ

少人数で運営していくクリニックは患者様との関わりが多く、やりがいを感じられる仕事です。

しかし、その反面求人があまりないというデメリットもあります。

クリニックへの転職を考えている、その中でも内科・美容・スポーツなど具体的に行きたい領域が決まっている、という場合は求人が出たらすぐに動けるようにしておきましょう。

求人サイトをこまめに閲覧したり、本記事の作成元であるエイチエが提供する転職サポートサービス『栄養士人材バンク』に登録したりして情報収集を欠かさないようにしておくことも求人を逃さないポイントです。

ぜひ、積極的に行動してみてくださいね。

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なつめ ももこ

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